こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
前回、初級編でガラスコーティングの基本的な施工方法についてお伝えしました。
今回は更にキレイに施工する方法についてお伝えします。例えば、ガラスコーティングをしたけど、思っていたほどツヤが出ないといった経験をされた方も多いでしょう。
ガラスコーティングは、ツヤを出すことを目的とした商品もありますが、基本的に下地処理ができていなければ、本来のツヤは期待できません。
下地処理の重要性はこちらで解説しています。
そこで、ガラスコーティングでキラキラとした艶をどうすれば出せるか?その方法をお伝えします。
目次
内藤
イオンデポジットを落とす薬剤を使ったり、コンパウンドに手を出して研磨をしたりする人もいますが、思った効果が得られないことが多いと聞いたんですが、それにはどんな原因があるのでしょうか。
軽トラマニア小泉
でも、コーティングで汚れは落ちないし、ツヤも復活することはないからね。
必ず施工前の下地処理が必要になるんだ。下地処理が大事だからと言ってコンパウンドで磨けば良いわけではない。
内藤
軽トラマニア小泉
それには余計な磨きキズを作るとツヤが無くなるからね。その辺を詳しく解説するよ。
ガラスコーティング施工後に、ショーカーのようなツヤを手に入れるには下地処理を丁寧にしなければ無理です。
コーティング施工後に濡れたようなツヤを期待している人のほとんどは、ワックス時代の人達が多いように思います。ワックスがけは、特に下地処理が必要なく塗り込めばツヤが出るのが特徴です。
しかしガラスコーティングは、汚れを取り去り、キズもキレイに研磨してから施工しなければ、キラキラ光るツヤは得られません。
この違いは、ワックスは油膜による光の反射を利用した光沢であるのに対し、ガラスコーティングは、透明性の高いコーティング被膜が光を塗膜まで透過させ、塗装本来の深みのある輝きを出しているので、下地処理で塗装表面をキレイにすることが、ツヤを出す秘訣です。
内藤
軽トラマニア小泉
ワックスとコーティングではツヤの出し方が根本的に違う事を知れば、下地処理の重要性がわかると思う。
内藤
軽トラマニア小泉
でも新車で製造ラインを出てきたばかりのクルマなら下地処理をしなくても良いかもしれないけど、すでに新車から時間が経っていて、その間にワックスがけなどを行っていると塗装表面をキレイにしないとダメだよね。
それじゃあ、中級者が悩むイオンデポジットと小キズについて解説するよ。
イオンデポジットは、市販の水アカ落とし剤を使用してもある程度除去することは可能です。
しかし、どうしても固くこびり付いたイオンデポジットは強い薬剤を使用しなければ取り除けないこともあります。
このようなイオンデポジットを落とすには、酸を使う必要がありますが、酸であればなんでも落ちるというわけではありません。
イオンデポジットを落とすにはフッ酸と呼ばれる人体に悪影響を与える薬剤を使用しなければ、かなり難しいでしょう。
しかし最近では、このフッ酸を配合したイオンデポジットクリーナーがネットショップで販売されており、一般の方でも手に入りやすくなりました。
ただ、レビューなどを見ると確かにイオンデポジットは落とすことが出来ますが、手がヒリヒリしたりクリーナーを塗布中に咳き込んだりするなどの人体に悪影響がある症状も報告されています。
そこでイオンデポジットを取るなら、量販店の洗車コーナーで販売されている水アカや雨ジミを落とせる商品を選ぶのが無難です。
イオンデポジットをある程度落とすことが出来たら、小キズの確認です。ボディを斜めから見ることで確認しやすくなります。
小キズの程度は、キズを爪でひっかいても引っかからない程度のキズで、それ以上の深いキズは研磨しても消すことはできません。
例えば上記写真の赤丸内の薄い線キズであればコンパウンドで消すことが出来ます。
爪で引っかかりが出るほど深いキズは、クリア塗装してあるクルマならクリアの下までキズが入っていることがあります。
そのため、そこまで研磨すると再塗装する必要がでるので、深いキズは追い込んで研磨しないことがポイントです。
そして、小キズ対策としてコンパウンドを使用する場合、クリーナーで取り切れなかったイオンデポジットもコンパウンドで合わせて研磨除去するのが良いでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
販売しているメーカーによっても違うし、コンパウンドの粒子も異なる。まあ、最初はあまり粗いコンパウンドに手を出さないことが秘訣だろうね。
内藤
軽トラマニア小泉
コンパウンドは塗装表面を研磨しているという事を忘れちゃだめだよ。やりすぎるとボディの角の塗膜が無くなって再塗装なんてことになる。
それじゃあ、どうやって磨くか磨き方の基本を伝えるよ。
初めてコンパウンドを使用して磨く人のほとんどは、手磨きで挑戦をすると思います。
手磨きであれば、よほどのことが無ければ塗膜を削りすぎる心配もありませんし、磨きたくない樹脂部分を誤って磨くリスクもほとんどないでしょう。
コンパウンドを使った手磨きの方法は、マスキングテープで小さくブロック分けすれば磨きやすいです。
コンパウンドには、専用スポンジが売られているのでそれを使用しても良いですが、マイクロファイバークロスや、ネル生地を使用しても問題ありません。
ただし、コンパウンドの番手の数だけ磨き用のスポンジなどは必要です。
それは、番手毎に粒子が異なるためです。もし細目のコンパウンドを使用したスポンジでそのまま極細目タイプを施工すると、細目と極細目が混ざり、コンパウンドを変える意味がなくなるからです。
実際に、よくある作業に置き換えて説明します。
細目のコンパウンドで磨き小キズを消した後、さらにその磨きキズを消そうと極細目を使用することがあります。
その時に細目コンパウンドが染み込んだスポンジを兼用で使用すると、細目コンパウンドがスポンジに付着しているため、極細目の効果がなくなり、磨いても磨きキズを消すことはできませんので、必ず複数用意をしてください。
磨きは、直線方向に動かすのがポイントです。円を描いて磨くと磨き残しが出やすくなるので上下左右に磨きます。
例えば横方向に磨いたら次は縦方向に磨くという具合に磨き、1枚のパネル毎仕上げていきます。
磨きのポイントですが、最初は洗車キズなどを消すために、細目のコンパウンドあたりから始めます。
白系のボディであれば、これでキズは見えなくなるでしょう。しかし、濃色車はコンパウンドの磨きキズが目立つので、今度は極細目を使用して磨きます。
これで、かなり磨きキズは無くなっているはずです。これでも気になる磨き傷があるなら超微粒子または鏡面仕上げのコンパウンドを使用して磨きます。
コンパウンドの選び方についてはこちらの記事をご参考ください。
最近は、電動ポリッシャーも一般に手に入りやすくなりました。ホームセンターで購入できるほか、ネットショップでも安いポリッシャーを購入できます。
クルマのボディ磨きは、手磨きよりポリッシャーを使用したほうが早くキレイに出ますが、テクニックも必要になります。
ポリッシャー単体で使用はできないので必ずバフが必要です。バフにも種類がありますが、初めてポリッシャーを使うなら厚めのスポンジバフがおススメです。
というのも、ポリッシャーは斜めにして使う事があり、その場合厚めのバフであれば車体にキズを付ける心配が少ないからです。
また、バフにはスポンジバフのほかにウールバフもありますが、ウールバフは切削能力が非常に高いので、初めての人が使うと塗膜を削りすぎて下地を出してしまう恐れもあることから、初めてならスポンジバフの使用が安全です。
ポリッシャーを使い研磨する場合は、バフに3から4カ所豆粒大ほどのコンパウンドを付けます。なるべく最初は少ないほうがコンパウンドの飛散などの問題が起きないので間違いがないでしょう。
あとはボディに当ててポリッシングしますが、この時の押し付ける圧力は、基本的にポリッシャーマシンの自重程度が基本です。
ボンネットなどを磨く時は良いですが、ドアなどサイドの場合は、自重程度の強さで押し付けて磨くようにするのがコツです。
ポリッシャーマシンは広い部分を磨くのに適しているため、細かい部分は手磨きが基本です。全てポリッシャーで磨こうとせず、細かい部分は手で磨くという気持ちを忘れないようにするのがポイントです。
ポリッシャーとバフの選び方についてはこちらの記事をご参考ください。
内藤
軽トラマニア小泉
初めから粒子が大きいコンパウンドを使用すると、深い磨き傷が入ってしまうほか、塗装を削りすぎて下地を出す危険もあるからね。
内藤
軽トラマニア小泉
それが残ったままだと塗装本来のツヤは期待できないからね。それじゃあ、磨き後の確認について解説するよ。
手磨きやポリッシャーで磨き作業が終わった後、磨き残しが無いか隅々まで確認します。
この時に、さまざまな角度から塗装表面を眺めるようにすると磨き残しを見つけやすいでしょう。
特に光の加減を使い塗装表面を見ると、キズが残っているか見ることが出来ます。もし磨き残しがあれば、再度その部分を磨いて磨き残しがないようにします。
内藤
軽トラマニア小泉
そして合わせてイオンデポジットも消えているはずだから、かなりキレイにキラキラと輝いているはずだよ。
内藤
ガラスコーティングで重要な作業は、コーティングを塗布する作業より、そこまでに至る下地処理がどの程度出来ているかにかかっています。
洗車をして水アカ落としをするだけでもかなりボディはキレイになりますが、それだけでは細かいキズや酷くこびり付いたイオンデポジットを除去できません。
これらの傷や汚れが残っていると、コーティングしても思ったようなツヤが出ません。
キラキラとしたガラスコーティングのツヤを求めたいなら、下地処理に時間を惜しまないことが最重要ポイントです。
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