こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
水洗いだけで洗車を済ませる方もいますが、多くの方はカーシャンプーで綺麗にしたいと考えていることでしょう。
量販店の棚を見てみると、様々な種類のカーシャンプーが用意されており、どれを選んでいいか悩むものです。
カーシャンプーの基本は、汚れを落とすことで、汚れの度合いにより使用する洗剤も異なります。また、商品によっては、コーティング施工車に使用できないので、選び方は重要です。
この記事ではカーシャンプーの種類と選び方、そして、生活用品として販売される洗剤が代用できるかなど、みなさんが気になる内容を解説します。
今回もカスタムから鈑金、コーティングの数々をお客様にしてきた自動車業界に30年以上携わる小泉さんに解説していただきました。
小泉さんについてはこちらを御覧ください。
内藤
これだけ多くのカーシャンプーが売られているということは、カーシャンプーはやはり重要なんですか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
今では当たり前のようにあるワックスシャンプーも自分の中ではつい最近販売された気がするくらいだから。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
もう少しアドバイスないでしょうか。キレイにするならこれがいいとか。
軽トラマニア小泉
カーシャンプーには、様々な種類があり、それぞれパッケージに商品の特徴が記載されています。
主に洗浄力の特徴が記載されますが、一般の方が見ても洗浄力の違いがわかるかと言えば、かなり難しいと思います。
つまりカーシャンプー選びは、「値段」と商品に記載される「機能」を重視して選ぶしかありません。
特に大きなボトルで値段が安いと思っても、希釈率を考えた時にかなり損をしている場合も多いので、コストを考えるなら、その場で計算するとよいでしょう。
またカーシャンプーには、希釈して使用する商品がほとんどなので、希釈のしやすさも購入条件になります。
今のカーシャンプーは、希釈率がわかるように目盛りがキャップに振ってあります。水の量に対してどの程度シャンプーを入れればよいか簡単にわかるので便利です。
しかし、まだまだ目盛りがない商品もあります。
そのような商品で希釈率が書かれていても、どれだけの水を入れてよいか見当が付かず、目分量となるためコスパは良いとは、なかなか言えません。
つまり、どんなに良いことが書かれていても、その機能を100%発揮できるように使用できなければ(希釈のしやすさなど)、その商品価値は半減すると言っても過言ではありません。
また、「安い・大容量」の商品も多く見かけますが、1回に使用する量が多いと必ずしも安いとは言えません。
つまり、小さいボトルで少々高くても1回の使用量が少ない量で済む商品のほうが、コスパが良い可能性があります。
内藤
軽トラマニア小泉
ボディカラー毎に指定された商品があります。(淡色用や濃色用など)
このような商品にはコンパウンドが含有されているのが普通です。つまり、洗車するとボディを細かいコンパウンドで研磨して汚れを落としているということです。
一般にホワイト系の淡色車用と、黒系の濃色車用に分かれますが、その違いは含有するコンパウンドの量やコンパウンドの粒子の大きさです。
濃色車は、細かい擦り傷が目立つので、粒子の細かいコンパウンドが使用され、それほど多く混入されていません。
反対に淡色車は擦り傷が目立ちにくいので、汚れを効率よく落とせるようにコンパウンドの粒子は大きく、なおかつ含有量も多めになっています。
このような違いから、ボディカラー毎に分けるよう指示されていますが、間違って黒系のボディに淡色車用のシャンプーを使用すると、洗車キズが目立つようになるでしょう。
このほか、ワックスやコーティング施工しているクルマに、上記のシャンプーを使用すると、ワックスやコーティングは剥がれてしまいます(特にコーティングは、ワックスよりさらに薄い極薄膜なので、注意して下さい)
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
こびりついた汚れはコンパウンドが入っているカーシャンプーだけでは無理があるということだよ。
特に市販品は誰でも使えるようになっているからね。不具合が起きにくいようになっている。
つまり、市販品ではプロ用に比べて限界値が低いという事。
カーシャンプーには「水垢落とし」や「ワックスシャンプー」といった、洗う以外の機能も追加された商品があります。
後半で詳細はお伝えしますが、ここでは簡単に解説します。
水垢落としもできるカーシャンプーは純粋の水垢落とし剤と異なり、水垢を落とす能力はかなり低いことがほとんどです。
それは、通常のシャンプーで使用される商品なので、使用中のボディや人の肌へのダメージが起きないよう、中性洗剤が使用されています。
どうしても洗浄力は弱く、水垢落としといってもシャンプー兼用では酷い水垢には対処できません。
ワックスシャンプータイプの商品も数多くあります。シャンプーすると狙い通りに水はけはよく光沢ある仕上がりになるでしょう。
しかも洗車しながらワックスがけができるので、使う水の量も減り、ふき取りも1回で済むことからかなり優秀と言えます。
ワックスやコーティングする時間のない方には便利なアイテムですが、どうしても耐久性と光沢は固形ワックスやコーティングには遠く及ばないデメリットもあります。
そして、ワックスシャンプーの便利さと裏腹の最大のデメリットは、油膜の付着です。
つまり、フロントガラスもワックスシャンプーで洗車するので、自然に油膜形成され雨の夜にぎらぎらと見にくいフロントガラスになります。
もちろん、ガラス部分だけワックスシャンプーで洗わない方法もありますが、ルーフをワックスシャンプーで洗い、水で洗い流すと結局ガラスにワックスが付着するので、必ずしも万能のカーシャンプーとは言えないでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
シャンプーの容器を手に取って、裏側の成分表にコンパウンドが含有されていないことを確認しないとね。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
でも、カーシャンプーは、洗車のやりやすさを考慮した商品ということを忘れてはならない。
その辺も踏まえて解説するよ。
カーシャンプーを使用したときに、気持ち良い泡立ちがあると洗車も思いのほか進むでしょう。
この泡立ちは洗車の気分を上げるだけでなく、ボディへのキズ防止にも役に立っています。
つまり、泡立ちが良いと、スポンジとボディ間の滑りが良いのでキズが付きにくい特徴があります。
また、汚れを浮き上がらせる効果もあるため、少ない力で擦れることもキズ防止に役立っています。
もう一つ大切なことが泡切れの良さです。
水をかけるとあっという間に流れて洗剤のヌメリはみじんも感じられない、これが良いカーシャンプーの特徴です。
仮に、泡切れが悪い場合、泡を流し落すためにスポンジでこする作業が発生します。
つまり泡切れが悪いと洗車工程が一つ増えることになりかなり不便といえます。
また、こすって落とす作業すると、ボディにキズが付着するリスクが高まるので、洗車では泡切れの良い商品が絶対条件です。
あまり知られていないことですが、カーシャンプーの洗浄力はどれもたいして変わりません。
もちろんコンパウンド入りのカーシャンプーは、研磨力がプラスされるので汚れ落ちはよくなりますが、研磨剤が入らないカーシャンプー同士は、ほぼ同じと言ってもよいでしょう。
何が異なるのかと言えば、匂いや泡立ちが異なります。
特に泡立ちではクリーミーな泡立ち成分を配合したカーシャンプーが多く、洗車中の手触り感が良いのでキレイに洗える錯覚に陥ります。
しかし、基本的にどれも中性洗剤を主成分としたカーシャンプーなので、洗浄力だけを見るとどれも大差がありません。
そのような訳で、価格が安く余計なものが入っていないカーシャンプーでもまったく問題が無く、むしろそういったカーシャンプーのほうが使い勝手が良いと言えます。
つまり、泡立ちが良く、しかも泡がすぐ消えないこと。
そして、どのボディカラーにも使え、希釈率も自分で好きなように変えて使用できるカーシャンプーが良いでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
例えば、サイドシルやピラーの付け根など。あと、エンジンルームの掃除にもいいよね。
内藤
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
水垢も汚れだからこの汚れの落とせるカーシャンプーとかがあるということだよね。
内藤
軽トラマニア小泉
その辺を踏まえて解説するね。
通常洗車用とは、カーシャンプーに洗浄成分としてワックスや研磨剤などの余分な成分が入っていない商品です。
このようなカーシャンプーには、全カラー対応といった表示があるのが目安で、社用車から自家用車まで全てのクルマで使用できるカーシャンプーです。
通常洗車用のカーシャンプーにも様々な種類が販売されていますが、泡立ち具合が商品によって変わり、クリーミーなきめ細かい泡になるカーシャンプーと泡立ちが良くてもそれほどきめ細かさがないカーシャンプーに分かれます。
しかしながら、カーシャンプーとして重要な泡切れの良さと、汚れの落ち具合はどのカーシャンプーもさほど違いがないでしょう。
きめ細かい泡立ちのクリーミーなカーシャンプーとそうでないカーシャンプーの違いは、スポンジなどで洗車するときにクリーミーな泡立ちのほうが汚れを包み込み、力をかけずに汚れをこそぎ落とせます。
また、消泡するまでの時間も長いことから、泡が乾いてボディにこびりつきにくくなります。
というのも、シャンプー洗車中にそのまま放置すると泡が消えて汚れが強く付着しますが、クリーミーなカーシャンプーなら、2次的な汚れの付着を予防できます。
この他、通常のカーシャンプーは中性洗剤ですが、弱アルカリ性にして脱脂剤としての効果を持たせたカーシャンプーも販売されています。
弱アルカリ性は、中性洗剤では落ちないしつこい油汚れも落とせるため、雨の多い時期に付着する油膜汚れをキレイに落とせます。
カーシャンプーを選ぶ際に重要なことは泡立ちが良く、しかもクリーミーで泡が長持ちする商品を選び、そして水をかけると泡切れが素早いことがポイントで、コーティングの施工前の洗車をするなら、余計なものが入っていないシャンプーが最適です。
カーシャンプーには、水垢落としもできる商品があります。
この商品の特徴は通常のカーシャンプーでは落とせない汚れも落とせることで、汚れの付着が激しいクルマに重宝します。
汚れ落としとしては優秀な水垢落とし用カーシャンプーですが、その効果もそれぞれ異なります。
軽度の水垢落とし用シャンプーが主流ですが、かなり強固にこびりついた水垢も落とせるカーシャンプーもあり、汚れ具合で選ぶとよいでしょう。
主に主成分は、界面活性剤と研磨剤、そして化学成分がほとんどです。化学成分に関しては、各メーカーで違いがありますが、基本的に水垢汚れを落としやすくする成分が含有されています。
昔の水垢落としカーシャンプーは、スポンジでかなり強くこすらなければ落ちませんでした。
強くこすると、含有されている研磨剤の力で落ちますが、その反面塗装表面にキズが入りやすくなるデメリットがありました。
それが今の水垢落としシャンプーは、そこまでゴシゴシ洗車しなくても落ちるようになっています。
水垢落としシャンプーの性能はかなり高く、古いワックスやコーティングも取り去る能力がある商品も多いので、新たにコーティングを施工する前処理として使用すると効果が高いと言えます。
もちろん、コーティングしていないクルマの水垢落としには絶大な効果を発揮します。
キズ消しカーシャンプーは、水垢落としカーシャンプーとほぼ同じで研磨財の配合でキズを削り落として鏡面仕上げするシャンプーです。
普段の洗車キズやツメが引っかからない程度の小傷に威力を発揮し、滑らかな塗装表面を作り出します。
含有するコンパウンドは、超微粒子なので洗車による磨きキズの発生はほとんど起きません。
ただし濃色車の場合は、かなり細かいキズも目立ってしまうため、小傷が消えると言っても洗車による新たな極小さな傷が発生して拭き取り後に光の加減でキズが見えるようになってしまいます。(使用するスポンジにもよります)
最近では、キズに埋まって修復するポリマーを配合したシャンプーも販売されているので、キズを効果的に消すことが可能です。
ただし、キズに埋まるポリマーも時間の経過とともに剥がれ落ちるので、持続させるには定期的に使用しなければならないデメリットもあります。
小傷落しは、シャンプーでも可能な商品もありますが、非常に細かいコンパウンドを配合しているだけなので、消せるキズにも限界があることを理解して使用しましょう。
カーシャンプーには昔からワックス配合の便利な商品が多く販売され、今もかなりの多くのワックス入りカーシャンプーが店頭に並んでいます。
主な目的は、1度の洗車で光沢と撥水性を狙ったものなので、洗車スピードが上がり、忙しい方が長年重宝しているカーシャンプーです。
ワックスには、固形ワックス、半練りワックス、そして液体ワックスがありますが、どれも水洗い後にワックスの施工が必要となり手間は多くかかります。
その点、ワックス入りならその手間が省けるわけですが、洗車後に施工するワックスに比べてツヤや撥水性能はかなり劣ります。
とは言っても、ワックス入りカーシャンプーで洗車すればワックスなしに比べてツヤと撥水は高いので、ある程度のツヤと撥水性能があればよいと考えている方には向いているカーシャンプーです。
ワックス入りカーシャンプーは、手間が大幅に短縮できますが、泡立ちが良くない商品が多く見られます。
カーシャンプーは、汚れを落とすために泡で汚れを浮きあがらせて、包み込みスポンジなどで掻きだしますが、ワックス成分が含有されていることで、泡立ちが抑制されています。
つまり、ワックス入りカーシャンプーでは、汚れがひどい場合はスポンジなどでこするとキズを付ける心配があります。
また、滑りも泡が少ない分良くないことと、消泡が比較的早いため、暑い日にワックス入りカーシャンプーで洗車すると、逆に汚れがこびりつくといった現象に悩まされる場合もあります。
内藤
少し疑問に感じたのは、中性洗剤のカーシャンプーなら、同じく中性洗剤の食器洗い洗剤なんかは代用できないのかといった疑問です。
軽トラマニア小泉
疑問に思うのもわかる。その辺を詳しく解説するよ。
カーシャンプーと同じ中性洗剤として使用されるのが食器洗い洗剤です。
食器洗い洗剤に求められるのは、油汚れをキレイに短時間で落として泡切れが良いことです。
これはある意味、カーシャンプーに求められていることとほぼ同じですから使用できないことはありません。
食器洗い洗剤には、様々なタイプが販売されていますが、どの商品も食器についた油汚れを浮かせて落とすことに着目した洗剤です。
ということは、クルマに付着した油汚れもキレイに落ちるということです。
食器洗い用洗剤は、原液をスポンジに数滴付けるだけで、お皿何枚も洗える優れた洗剤も販売されています。
このように食器洗い用洗剤では、原液ではかなり濃いので薄めて使用する方も見られます。
つまり、クルマに使用する場合も原液ではなく薄めて使用しなければ濃すぎて泡切れが悪くなる可能性が高いでしょう。
そこで、どの程度希釈すればカーシャンプーとして利用できるかと言えば、これが一番難しく、適度な泡と泡切れの良い比率を見つけるには、かなり苦労するといえます。
つまり、薄すぎると泡立ちが悪く車体にキズを付ける可能性があり、濃すぎれば泡切れが悪くなり、水をかけるだけでなくこする必要まで出てきます。
特に、油汚れを効率よく落とす食器洗い用洗剤は、ワックスなどもキレイに落とせる効果を発揮できるので、油汚れの洗浄力は期待できます。
ただし、ボディの油分が全て取れてしまうので、ボディ表面だけでなく未塗装樹脂などにも保護剤の塗布が必要となります。
食器洗い用洗剤を使用する方はいても、洗濯洗剤を使用される方は少ないかもしれません。
しかし、同じ洗剤なら使用してみたいと思う方もいるでしょうが、洗濯洗剤を洗車に使用することはお勧めしません。
1つ目として、洗濯洗剤は泡立ちが悪いことです。
性質として水に溶けやすく混ざりやすいよう計算されているのが洗濯洗剤であり、泡立ちは考慮されていません。
それゆえに、泡により汚れを浮かせて包み込むのではなく、酵素などの力で汚れを浮きあがらせているので、根本的に構造が異なります。
2つ目として、泡切れが悪い点です。
洗濯洗剤を手で触ったことがある方ならわかりますが、水洗いしてもヌメリが食器洗い洗剤に比べて落ちにくいと言えます。
つまり、洗濯洗剤はすすぎを良くしないと、洗剤が落ちないのでクルマに洗濯洗剤が付着すると、隙間に残り乾いて白くなるトラブルが発生します。
そして、3つ目としてアルカリ性の洗剤が多いことです。つまり、皮脂汚れを効果的に落とすため、科学の力を応用してアルカリ性にしています。
クルマの場合、塗装表面にやさしい中性洗剤が好ましいので、アルカリ性の洗剤は塗装表面への攻撃力が強いためお勧めできません。
内藤
軽トラマニア小泉
しかも泡という保護バリアでキズからも守れる。
だから、ピンポイントで水垢汚れを落とすには良いかもしれないけど、クルマ全体に使うのはお勧めしないよ。
100均にも数多くの洗剤が販売されています。
安く手に入る家庭用洗剤として重宝しますが、量が少ないことと、汚れ落ちがそれほど見込めないといった話もあり、カーシャンプーに使用できるか微妙と考えている方も多いでしょう。
100均で手に入る洗剤には、食器洗い洗剤、洗濯洗剤、ボディソープなど、様々な商品が販売されていますが、特に食器洗い用洗剤では油汚れの落ちが悪いのでスポンジに多くの洗剤を付ける必要があります。
ということは、水で薄める量を少なくすれば泡立ち良くできることになるので、カーシャンプーとして100均の食器洗い洗剤は使用できるでしょう。
ただ、その他の洗剤は中性洗剤ではない可能性が高いことと、泡立ちが悪いのでお勧めできません。
食器洗い洗剤も100均商品は薄いので、希釈して使用すると意外に早くなくなることに気が付くでしょう。
つまり、コストパフォーマンスで考えると、100均商品はそれほど良いとは言えません。
内藤
軽トラマニア小泉
洗車に使用するカーシャンプーには様々な商品が用意されています。
どの商品もそれぞれ特徴が書かれているので、自分がどのような洗車をするのかを考えて選ぶとよいでしょう。
ただし、コーティングを施工している場合は、カーシャンプー選びはコンパウンドが含有されない商品を選ぶ必要があります。
また、泡立ちや泡切れの良さだけでなく、泡のもち具合もカーシャンプーを選ぶ際に重要となることを覚えておきましょう。