こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
研磨作業に使用するバフには、主にウールバフとスポンジバフの2種類があります。
そしてそれぞれのバフには、研磨能力が異なる素材が使用され、汚れやキズの状態に合わせて選ぶ必要があります。
そこで今回は、バフの種類とその使い分けの仕方について詳しくお伝えします。
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・ポリッシャーの選び方と使い方
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目次
内藤
でも、バフの種類といってもどのような違いがあるのかよくわからないので、詳しく教えて頂きたいのですが。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
でもネット通販なら色々なタイプが説明付きで販売されているから分かるかもね。それじゃあ、バフの種類と研磨工程について解説するよ。
塗装の研磨は、キズ消しと汚れ落としがメインです。初心者の場合は、キズと汚れを落とすことに集中してバフ、コンパウンド、そしてポリッシャーの使い方に慣れるようにします。
ある程度、研磨作業に慣れた中級者は、研磨キズを消すことを練習します。研磨キズを消すことから、かなりテクニックがいるので、練習が必要になるでしょう。
そして熟練者では、濃色車に現れるオーロラマークを消すことを練習します。オーロラマークは、光の当たり方で見え方が異なるので、太陽の光でオーロラマークが見えなくても、街灯の光で見えることも多くあります。
そこで、研磨工程を技術レベルに以下の表にまとめました。
●中級者・・・汚れやキズ消しのほかに、塗装肌の調整をバフ、コンパウンドを使い分けて出来るようにする。
●熟練者・・・バフとコンパウンド、そしてポリッシャーを使い分けて、磨きキズをキレイに消し、完全な鏡面仕上げができるようにする。
ウールバフは、その名の通り羊毛で織って作られたバフです。羊毛の種類と織り方により種類があり、それぞれ研磨能力に違いがあります。
ウールバフは、大きく分けるとハードタイプとソフトタイプに分けられますが、ハードタイプは研磨能力が高く、塗膜の肌調整や洗車キズ、そしてウォータースポットなどを落とすのに効果を発揮します。
しかし、研磨能力が高いので、初心者では研磨しすぎて下地を出してしまう恐れがあることから、ある程度熟練した技術がある人向けのバフです。
そしてソフトタイプですが、こちらは品質の良い羊毛を使用しており、キズが入りにくくソフトに仕上げることが可能です。
高密度で毛足の長い羊毛を植毛しているパッドは、バフ目を消して鏡面仕上げができます。
しかし、これも慣れなければ鏡面仕上げができないばかりか、逆にキズが入るので、ソフトタイプを使うには熟練した磨きの技術が必要です。
スポンジバフは、ウレタン素材のスポンジで出来た柔らかいバフで、一般にウールバフより研磨能力は劣ります。
スポンジバフには、中目、細目、極細目といったように、研磨能力がことなるバフが用意されていますが、見た目ではわかりにくく、手で触った時にスポンジが硬いと目が粗く、柔らかいスポンジほど目が細かくなります。
中目のスポンジバフは、スポンジバフの中で研磨能力が高いですが、それでもウールバフより研磨力は劣るので、キズが浅くウォータースポットなどが激しくない場合に使用します。
細目では中目スポンジのバフ目を消すように使用しますが、慣れないと塗膜に熱が入りすぎコンパウンドが塗膜に焼き付きを起こしますが、肌調整では敢えて回転数を上げて発熱させ、塗膜を柔らかくすることで研磨します。
熱をかけて研磨するにはある程度の熟練した技術が必要なので、一般の人が直ぐにできる方法ではありません。
そこで、一般の人がスポンジバフで研磨する場合は、細目のバフを使い、回転を落としてゆっくり研磨すると失敗が少ないでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
技術レベルに分けると、以下のようにバフを使い分けるといいよ。
どうしても汚れやキズが消えなければ中目バフを使用。ただし最初から中目バフで磨かない。ウールバフは切削能力が高いので初心者は使わない。
●中級者なら・・・・中目スポンジで汚れやキズ落としで作業速度に不満を感じたら、ウールバフを使用。
ハードウールバフは切削能力が高いので、塗装が薄いプレスラインやパネルの境などにはマスキングをする。
キズや汚れを消すためにウールバフで磨きすぎない事。同じ場所で磨きすぎると、塗膜が剥がれるので注意。キズや汚れが落ちたらバフを中目スポンジバフ、細目スポンジバフに変えて、バフ目を消す。
●熟練者なら・・・・ハードウールバフで頑固な汚れとキズを落とし、中目スポンジ、細目スポンジへと切り替え鏡面仕上げする。ウールバフは塗装に付着した汚れとキズを完全に落とし、中目バフはウールバフのバフ目を、そして細目バフでは中目バフのバフ目を消すように作業する。
鏡面仕上げは、極細目スポンジバフを使用し、高速回転で素早く上下左右に動かすことがポイント。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
でも下地が出るのと紙一重だからね。
内藤
軽トラマニア小泉
研磨能力は、バフ、コンパウンド、そしてポリッシャーの組み合わせでかなり異なります。これは、同じコンパウンドでもポリッシャーとバフの組み合わせを変えれば、研磨能力は変わるという事です。
例えば、細目のコンパウンドと中目のウールバフ、そしてシングルアクションポリッシャーを使うと、かなりのスピードで研磨できます。
たとえば、ボディのプレスラインは塗料が薄いので、間違った使い方をすると直ぐに色が剥げてしまうでしょう。
逆に、細目のスポンジに超微粒子のコンパウンドでダブルアクションポリッシャーを使うと、研磨能力は小さいですが鏡面仕上げをすることが可能です。
このように、塗装表面の状態を見ながら、バフを使い分けなければ、作業効率悪かったり、思いもよらない研磨能力で塗装を剥いでしまう恐れがありますので、組み合わせには気をつけましょう。
ボディにウォータースポットやイオンデポジットの汚れが多く付着していたり、洗車キズが広範囲にひどくついている場合は、よく切れるウールバフが便利です。
しかし、初心者がウールバフを使うと、間違いなく削りすぎを起こすので、仮に初心者がウールバフを使うならソフトタイプに留めておいたほうが無難です。
初心者の場合、コンパウンドを極細目を使用し、ポリッシャーもダブルアクションやギアアクションタイプを使用していたとしても、ウールバフの切削能力が高いので、注意して作業しなければならないでしょう。
その代わり、中級以上のポリッシャー作業にある程度慣れた人ならウールバフの良さがわかるはずです。ポリッシャー作業になれていて塗装の状態を見極められるスキルが身についていれば、ウールバフは研磨作業の心強い道具になり得ます。
スポンジバフは、切削能力がウールバフより劣りますが、その分作業で塗装を削りすぎる失敗も少なく、初心者でもある程度安心して使用できます。
しかし熱が入り、塗膜が柔らかうなると切削能力が上がるため、使うポリッシャーの回転スピードには注意しなければなりません。
スポンジバフは、塗装の肌調整から鏡面仕上げまでこなせるオールマイティーな商品ですが、初心者が使用してもそれほど研磨能力を発揮できないのもスポンジバフです。
スポンジバフで、思い通りに研磨できるようになるには、ポリッシャーの使い方が大きく関わるので、初心者はポリッシャーの使い方に慣れるためにも研磨能力が少ないスポンジで始めるのが安全です。
このほか初心者の場合、ウールバフで本格的に研磨作業するのが不安な時にも、スポンジバフを使用して研磨の練習をするとよいでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
汚れやキズが取れたら、バフ目消しにもチャレンジするため、極細目スポンジバフと極細目コンパウンドでバフ目消しの練習。
●中級者レベル・・・キズや汚れ落としに、中目スポンジ、細目コンパウンド、そしてシングルポリッシャーを使う。
キズや汚れが落ちたら、細目スポンジバフと極細目コンパウンド、シングルポリッシャーでバフ目消しをする。
●熟練者レベル・・・ハードウールバフ、細目コンパウンド、シングルポリッシャーでキズや汚れをキレイにする。
バフ目を細目スポンジバフ、細目コンパウンド、シングルポリッシャーで消す。
面仕上げは極細目スポンジバフ、超微粒子コンパウンド、ダブルアクションポリッシャーで高速回転で素早く動かして作業する。
内藤
軽トラマニア小泉
クルマを洗車した後、取り切れないイオンデポジットやウォータースポットが多くみられる場合や、洗車キズでクルマ全体が白く曇っている場合にはウールバフのハードタイプを使用します。
ウールバフのハードタイプは研磨能力が高いので、何回もウールバフで同じ場所を磨かないようにします。基本は、狙ったキズや汚れがぱっと見て、見えなくなる程度まで磨きます。
特に、ボディプレスライン近くや、パネルとパネルの境は直ぐに塗装が剥がれるので、そういった場所はマスキングしておくか、バフがけで近くまで行かないことです。
スポンジバフは、中目、細目、極細目などの種類がありますが、基本的に細目から使用して様子を見ます。
キズが消えなければ、コンパウンドを一つ粗い目に変えて作業するようにします。
特に初心者の場合は、キズ消しの組み合わせが豊富にあるので、スポンジは同じものを使用し、コンパウンドの目の粗さを変えてキズ消し作業をおススメます。
というのも、色々変えてしまうと、どのようにキズを消していけばよいかわからなくなってしまうからです。
バフがけをすると、バフ目が目立つので今度は、バフ目を消すように研磨します。
その時に、コンパウンドを細目から極細目、そして超微粒と使い分けて使用しますが、初心者の場合でも最終仕上げの研磨作業は、バフを極細目に変えます。
バフを細目から極細目に変える目安は、極細目のコンパウンドを使い研磨しても、細目の研磨キズが消えない時です。
ある程度研磨していると、どうしても消えないバフ目が出てきます。その場合は、より細かいバフに変えることで、そのキズを消し去ることが可能です。
濃色車では、バフがけでオーロラマークと呼ばれる光に当てると「ギラギラ」する現象が発生します。
これは、バフを同じ回転で一定方向に動かしたときに見えるキズで、特に濃色車で目立つ現象です。
消し去るには仕上げ用のバフを使います。コンパウンドも超微粒子や鏡面仕上げ用を使い、高速で研磨します。
仕上げ用のバフは、超微粒子用や、仕上げ用などとして販売されているので、専用品を購入すれば、効果的にオーロラマークやバフ目を消して本来のツヤを出せるでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
バフ選びは、商品の数が非常に多いので、どれを選んでよいか悩むものです。しかし、初心者であれば、スポンジバフから始め、慣れてきたらウールバフに挑戦する形が良いでしょう。
バフにより、研磨能力が異なりますが、その特徴は実際に手に取って使用してみない事には難しいでしょう。
しかし使用を続けていけば、ウールバフにすればよいか、それともスポンジバフで研磨できるかわかるようになります。
そして、バフの研磨力を生かすのは、コンパウンドとポリッシャーの種類も非常に重要であることを理解し、バランスの取れた組み合わせを見つけなければキレイな研磨はできません。
初心者の基本は、細目スポンジバフと細目コンパウンド、そしてギアアクションポリッシャーから始めれば、納得できる研磨作業となるでしょう。
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