こんにちは。
軽トラマニアの小泉です。(社外の人で修理業務に30年以上携わっています)
先日、タイヤを持ち上げたときに腰を痛めてしまい、「もう、俺もおっさんなんだな・・・」と少し萎えてしまいました(笑)
日々鍛えてはいるんですが、老いのスピードにはなかなか勝てそうもないです。そんな、おじさんになりつつある私ですが、昔の事をよく聞かれます。
今日は、軽に乗っている近所の若者からH4形状のバルブについて質問されたことを皆さんにも共有したほうが良いかなと思い記事を書いてみました。
目次
純正のハロゲンヘッドライトは、最近のLEDに比べると暗いので街灯の少ない道路を走ると、もう少し明るいほうが良いと感じています。
そこで、ヘッドライトのバルブを見たらH4だったので交換したいのですが、車検にも問題ない明るいH4バルブは、どう選べばよいでしょうか。
内藤
車検制度が変わる前のライトテストは、ハイビームで行われていたんだが、その場合のテストは、光軸と光量の測定しか行われていなかったんだ。 しかし、法改正でロービームの計測に変更となり、色んな計測基準がもうけられたんだ。
具体的にどういう事でしょうか。バルブ交換だけで車検に合格できなくなるというのがわからないです。
簡単に説明すると、
・ロービームで眩しいと車検に合格しませんということ。
・光量がないとだめ。
今までハイビームは100m先まで照らすことが出来ればOKであとは光軸が取れていればよかった。しかし、最近はハイビームを使用する人はほとんどいなくなり、ロービームで走行しているだろう。
確かに、僕もハイビームなんてほとんど使いません。
そうなんだ、そして自動車メーカーもロービームの使用を前提でヘッドライトの開発が行われており、今までのハイビームの検査に意味がなくなったんだ。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
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内藤
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内藤
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内藤
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内藤
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まあ、日本ライティングのHB3/HB4兼用モデルは、精度がしっかりしているからぐらつくことはないから安心だよ。
内藤
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内藤
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内藤
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内藤
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だから最近のクルマでH11バルブが装着されているクルマは、LEDバルブに交換しても車検で問題は出にくい。
なるほど、そうなんですね。その他のバルブ形状については分かりました。本題に戻ると、H4を社外品に変えるとどのような問題が起きるのでしょう。
それには、ちょっと難しい専門用語を覚える必要があるよ。
専門用語ですか?できるだけわかりやすくお願いいたします。
まず、ロービームの検査で行われる項目は、
●明るさ
●光軸
●カットオフライン
になる。この中で一番問題となるのがカットオフラインと呼ばれる検査なんだ。
カットオフラインは、ライトで照らした時の光の配光のことですよね。
そうなんだが、その配光はライトの中にある銀色のリフレクターと呼ばれる反射板で行われているんだ。
そのリフレクターとH4がどのような関係があるのですか?
ハロゲンバルブとLEDバルブを見比べてみると、光の出す位置が違うことに気が付かないかい。ハロゲンバルブは見ての通り360°ガラスで覆われているから全ての方向に同じように光を出すことが出来るよね。でも、LEDは360°均一に光っていない。ここが問題なんだ。
そうか、光の出方が違うから反射される光に違いが出るということですね。
そういうことだね。もうひとつ、カットオフラインを見ると、左上がりになっているけど、その中心部分で配光測定しているんだ。
その左上がりのラインをエルボーとよび、測定する場所をエルボー点と呼ぶんだよ。
そのエルボー点の部分に光が集まっているか見るということでしょうか。
そういうこと。まず、検査機器は、自動でエルボー点を見つける、そしてそのエルボー点から少し左下の部分で明るさを測定する。この時の明るさは、6400カンデラ以上と決まっている。
整理すると、H4バルブはリフレクターに反射させた光で、照らしているから、その照らしている先のカットオフライン、エルボー点が確認できること。
そしてエルボー点が確認できると、明るさが規定値以上か測定するということですね。
まあ、そういうことだな。だからH4のハロゲンバルブからLEDに交換すると、光方が異なるから車検に通らないことが多く発生しているんだよ。
一つ疑問出すが、LEDのパッケージなどには明るさとしてルーメンが記載されていますが、車検では明るさはカンデラですよね。なぜメーカーはカンデラで表記しないのでしょう。
いい所に気がついたね。ルーメンとカンデラは、明るさを数値化しているが、全くその意味は異なるんだよ。
同じ明るさを表しているのに異なる?さっぱりわからなくなりました。
わかりやすく説明すると、ルーメンはバルブ単体の明るさを表示していて、カンデラはライトユニット越しの明るさなんだよ。
なるほど、バルブ本体がいくら明るくてもヘッドライトユニットの性能で明るさが変わるから、車検はヘッドライトユニットから出る光を測定しているのですね。
だから、ルーメンが最強と謳われていても装着するクルマのヘッドライトユニットによってはそんなに明るくならないこともあるし、
H4バルブのLEDは、純正に近いカットオフラインが出せる製品のほうが、カンデラの数値が大きくなる。
そうすると、H4バルブをLEDに変えて明るくするには、ルーメンばかり気にしてはだめということですね。
今までの話を聞くと、LEDのH4バルブを選ぶのはかなり大変そうな気がします。明るくするには高効率のハロゲンに交換したほうが簡単で、良いのでしょうか。
たしかに、車検を安心して受けるには車検対応と明記してある高効率のハロゲンのほうが車検に通りやすいかもしれない。
車検に通りやすいとは、車検対応でも車検に通らないH4のハロゲンバルブがあるということでしょうか?
メーカーが車検対応とか、保安基準適合品としているのは、あくまでも商品単体での話。
ヘッドライトユニットには、車種により異なるし、使用年数が長ければ黄ばみなどがレンズに起きていると光度が落ちる。だから、バルブがいくら車検対応品とあっても100%保証しているわけではないんだよ。
そして、昔はもっとすごかったんだ。
昔はもっとすごかった?どういうことでしょうか?
そうなんだよ、H4バルブを交換することは、昔は全て車検非対応だったのさ。
昔のライトのカスタムは車検対応じゃなかったのですか?
そうだね、今から数十年前のことになるけど、ヘッドライトがシールドビームからハロゲンに代わり、夜のドライブが格段に向上したんだけど、やはりもっと明るくしたいと考える人は出てくるよね。
確かに、夜道は明るいほうが良いですから。
H4のハロゲンバルブは、当時も今も60/55Wの消費電力が主流となっているよね。当然ロービームが55Wでハイビームが60Wになるんだけど、このワット数が上がれば明るくなることは理解できるだろう。
今でも高効率バルブとして130W級とかが売られていますから、ワット数が上がると明るくなることは理解できます。
今の高効率バルブは、消費電力を60/55Wのままで、130Wレベルに近い光を出すようにしたハロゲンバルブなんだけど、昔の明るいハロゲンバルブは、実際に100W/90Wの消費電力のハロゲンバルブを使っていたんだよ。
実消費電力が、100W/90Wなんて今見掛けないですね。
消費電力が高いということは、純正のヘッドライトのハーネスでは燃えてしまう可能性が高い。だから、ハーネスとリレーを取り付けていたんだ。
取付はバッテリーから直接ハーネスでリレーを介してバルブにつなぐ。そしてもとのバルブのカプラーは、ライトスイッチ用のカプラーとして、ハーネスのカプラーとつなぐだけというシンプルさだった。
そのため、昔のクルマはスペースがあったから取り付けは問題なかった。
なるほど、今のクルマにも取り付けできそうな感じですね。
残念ながらそれは無理かな。今のクルマは下の写真のようにヘッドライトのレンズが樹脂製だから、ワット数が高いバルブを取り付けるとその熱で溶ける可能性がある。昔はレンズがガラスだったからできた話なのさ。
なるほど、でもこのバルブが車検に通らないのですか?
当時の保安基準では、明るすぎても車検は通らなかった。そして社外品をクルマに取り付けることもディーラーでは忌み嫌われていたから、目視で余計なものが付いていると車検に通らないといわれたものだよ。
でも、今ならリレーハーネスを使わなくても高効率H4バルブでハロゲンバルブは明るくできるから良い時代になりましたね。
本当にそう思うかい?
H4のハロゲンバルブで、本物の高ワッテージバルブと高効率H4バルブとでは、明るさは雲泥の差だよ。
そうなんですか!
高効率H4ハロゲンバルブも交換すると明るいと思いますけど。
ハッキリ言って、高効率H4ハロゲンバルブはそれほど明るくない。HIDやLEDが登場した今となっては、とても交換する気になれないだろう。もとの消費電力で、消費電力の高い明るさを再現しようとしているのだからね。
でも、純正のH4ハロゲンより明るいですよね。
ものにもよるが、あまり期待できない。例えるならば、軽自動車のターボに、2,000ccクラスのターボと同じ馬力にしようとしても無理だろう。それと同じだよ。キャパシティが小さいから高望みは出来ない。
なるほど、高効率H4ハロゲンランプは本物の高消費電力のハロゲンと比べることが出来ないということですね。そうすると、やっぱりHIDやLEDという選択になるのでしょうか。
H4バルブには、当然HID換装キットも色んなメーカーから販売されているから、交換すれば間違いなく明るくなる。
やっぱりHIDですか。HIDの明るさは強烈ですからね。
ただ、取り付けが面倒なことが大きなデメリットだろう。よほどクルマの電装品をカスタムしている人でなければ、かなり取り掛かるのが難しい。そして、H4をHIDにするとかなり大きなデメリットが存在するんだ。
HIDに取り付け以外にデメリットがあるのですか?
HIDを点灯したときに、立ち上がりが遅いと感じたことないかい?
一般の方がアップしているが、とてもわかり易い。
たしかに、HIDは最初から全開で点灯しませんよね。
その通り。この立ち上がりの遅さが最大のウィークポイント。例えばトンネルに入るとき、ライトを点灯してもすぐに全開で明るくならないから最初暗く危険であること。
そして、H4は1個のバルブでハイとローを行っているから立ち上がりの遅いHIDはパッシングが苦手なのさ。
ということは、H4バルブのクルマには、HIDは不向きとなりますね。
明るさは文句ないから、立ち上がりが遅いのを許せるのならHIDも有りだろう。まあ、好みの問題だが、あまりお勧めはできない。
ということは、H4バルブで明るくしようと思ったら、やっぱりLEDが一番明るくなるということでしょうか。
そうだね。LEDが安定した明るさを持っているといってい良いだろうね。もちろん、HIDもスイッチを入れてから安定すればLEDより明るい製品もあるけど、やはりピックアップの鋭さではLEDにはかなわない。
でも、LEDは車検に不向きと言っていましたよね。
全部のLEDが車検に不向きというわけじゃないよ。きちんと対策されているLEDもあるからね。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
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内藤
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内藤
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内藤
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内藤
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ただし、さっきも言ったように車検対策されたH4バルブでなければバイクだって車検に合格しないからね。
対策しているLEDはどうやって見分ければよいのでしょうか。
車検に通るH4バルブのLEDは、ハロゲンのフィラメントの位置を忠実に再現している商品を選ぶことだね。海外製や格安品は、その辺がかなり大雑把な造りになっている。正確に作られているLEDは価格が高くなるけど安心だよ。
H4のハロゲンのフィラメントと同じ位置ですか。素人にわかりますかね。
ハロゲンのフィラメントは、よく見ると先端と根本側の2カ所にフィラメントがある。先端側がロービーム用で、根本側がハイビームとなるんだが、このような形にLEDを配列しているLEDバルブをまず探すんだ。
なるほど、LEDチップの配列を見るのですね。
ただし、配置が同じようになっているからカットオフラインが出ると思ってはいけない。ロービーム側のチップに遮蔽板が取り付けられているから、その形もポイントとなるよ。 だから、ハロゲンの光源を忠実に再現したLEDを探すのが最も重要となるんだ。
H4バルブでLEDを選ぶなら、純正光源に近い配光を心がけて作られているLEDを探すということですね。
軽トラマニア小泉
内藤
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内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
軽トラマニア小泉
だから、ファン付のほうが放熱性が高く寿命や熱ダレを考えればメリットが大きい。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
H4バルブは、2灯式ヘッドライトに使用される国際規格のバルブとして、古くから親しまれてきました。車検の検査基準が変わり、LEDバルブは大きく進化して光量も昔とは比べ物にならない明るさを手に入れています。また、当然ながら車検に問題となるカットオフラインの問題を解決した商品が続々と市場に出てきました。
今まで、LEDのH4バルブは車検に通らないと嘆いていた方は、最新のLEDをぜひお試しください。当然車検も問題なく明るさも満足することでしょう。