こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
日本製LEDの特徴についてはこちらをご覧ください。
近年人気のLEDヘッドライトは、さまざまな商品が市場で販売されています。
その中でも「ファン付きタイプ」と「ファンレスタイプ」の2タイプが存在することは知っていますか?高効率なLEDバルブは非常に高温になるため、ファン付きタイプの場合はその熱を冷やすために、電動ファンで冷却します。
一方でファンレスタイプの場合は、ファンが無いのにうまく冷えるのでしょうか。
LEDヘッドライトのファン付きとファンレスどっちが良い?
内藤くんは入社してもう1ヶ月くらいか。ある程度は仕事にも慣れてきたかな?
はい!でもまだ商品についてはわからないことだらけです。。
心配いらないよ。うちはライトの会社なんだから何でも聞けばいい。
ありがとうございます。早速なんですが、LEDヘッドライトについて疑問に思ったことがあります!
どんな質問だ?なんでも聞いてくれ。難しい質問は無しだぞ(笑)
LEDヘッドライトって「ファン付き」と「ファンレス」があるじゃないですか?
ある。うちの商品は、現在ファン付きタイプをメインに販売しているけど以前はファンレスも製造していたよ。
あれってなんで両方あるんですか?ファンレスで済むのなら、ファンレスの方が良いと思うんです。。
良い質問だ。内藤はなぜファンレスの方が良いと思うんだ?
ファンが無い方がシンプルで安く作れるし、故障の心配もなくなると思います。
それにヘッドライトってコンパクトな方が取付もしやすいので、ファンレスが絶対に良いと思います。
ファンレスはメリットしかないと思いますが違いますか?
なるほどな。確かに普通はそう考えるかもしれない。実際に、多くの一般ユーザーもそう考えがちなんだ。でも実際にはそんなに簡単な話ではない。そもそも、なぜLEDヘッドライトにファンが必要だと思う?
電動ファンの必要性ですね。扇風機みたいに風を送って冷やしているんじゃないですか?自分の使っているノートパソコンも、時々モーターの音がして温風が出てきます。
LEDヘッドライトもきっと熱くなるから冷やすんですよね?
そうそう。実際には風を送るというよりも、LEDの熱をファンで排出しているんだけどな。一般的にLEDは発熱しにくいものなんだけど、ヘッドライト用のLEDはとても明るいので想像以上に発熱してしまう。
高温になりすぎると耐久性も落ちてしまって、最悪の場合は壊れてしまうんだ。自動車部品で寿命が短いということは絶対にダメ。
自動車のエンジンルームは高温になるし、真夏はもっと厳しい環境になる。だからきちんと排熱して、LEDの温度が上昇し続けないように常に冷却しているんだ。
だとしたら、ファンレスタイプはどうやって冷やしているんですか?
多くの製品はヒートシンクというもので自然放熱させている。
金属の手すりとかに触ると冷たく感じるだろう?金属は様々な材料の中でも熱伝導率が高い。金属に触った時に、体温がすぐに奪われるから冷たく感じるんだ。
ヒートシンクは熱伝導率が高いアルミなどで出来ていて、どんどん自然放熱させてくれる。
であれば、やはりファンレスの方がいいのではないですか?
ヒートシンクも大きさによって放熱量の限界があるんだ。明るいLEDはその分発熱量も大きいから、放熱量が足りなくなると壊れないように明るさを抑えるしかない。
それかヒートシンクをどんどん大きくすれば良いんだけれど、やはり限界がある。
巨大なヒートシンクがついていたら邪魔ですね!ファンレスもメリットだらけではなかったということですか。
そうなんだ。一言で言うなら、きちんと冷却できるLEDヘッドライトの方が明るくて長寿命な設計にすることができるっていうことだな。
ファン付きタイプは、ファンで強制的にLEDチップの熱を冷却することで、熱の問題をクリアしている。
そのため高効率な明るいチップを使うことができるし、温度上昇を抑制することで長寿命化させて、安心して長期間使える自動車用のLEDヘッドライトになるんだ。
ファンレスだと明るいチップを使えないということですか?
必ずしもそうとは限らないけれど、正しい設計をした製品であればファン付きよりも発熱量を抑えなければならないので、LEDチップの数を減らしたり電流を抑えたりしているから一般的には明るさの絶対値は下がってしまう。
例えば、ファンレスでヒートシンク部分が小さく冷却性能が低い製品があるとしよう。それに発熱量の大きい明るいLEDチップが使われているとどうなると思う?
恐らくそのような製品は、長くもたないんだ。つまり熱でチップ等がやられてしまい、明るさが時間の経過と共に大幅に暗くなってしまったり、壊れてしまったりする。
一見、コンパクトで明るい優れた製品だと思われるけれど、実際には寿命が短かったというパターンだ。
耐久性と明るさ、もちろんコンパクトさも考慮して、バランスの良い製品を生み出すことが正しい設計だと思う。
明るさは箱に〇〇ルーメンとか書かれて売られていますが、耐久性については書かれていませんよね。
そうだろう?LEDヘッドライトを初めて取り付けようとしている方で一番多いのが、「取付スペースが分からないので、少しでもコンパクトなファンレス」、「とにかくルーメン数の高い明るいタイプ」が良い製品だと思いこんでいることがある。
つまり、冷却性能が低いのに発熱量は大きい製品ですね。
そういうことだ。耐久性にも問題が起きる可能性が高く、最終的には熱の影響でヘッドライトとして重要な明るさも寿命も両立できなくなってしまうんだ。
少しファンレスとファン付きの違いについて分かった気がします。
実際にファンレスとファン付きを比較してみるといいんだけどな。
ファンレスの在庫が今ないから、すぐに実験するのは難しいかな。
そうですよね、、、実際に目で見て確認したかったです。
とりあえず、うちの会社のファン付きタイプのLEDヘッドライトを渡しておくから、自分で良く見てみてくれ。
実際に実験して性能差を確かめてみた。
そういえば鈴木、最近LEDヘッドライトに交換したって言っていたよな?
ああ。最近乗り換えたカングーのヘッドライトが暗くてどうしようもなかったんだ。HIDに変えようと思ったけど、最近はLEDも明るくなってきたっていうから思い切ってLEDに変えてみたよ!
国内有名メーカーのファンレスタイプにしたよ。
安いやつはすぐにダメになるって聞くし、カングーはヘッドライト後ろ側のスペースも狭いんだ。ファンの部分が大きくて交換できなかったら困るからファンレスにしたよ!
ずいぶん急な話だな。何の実験をするんだよ?そもそも内藤って、ヘッドライトの会社に就職したんじゃなかった?
LEDヘッドライトのファン付きとファンレスの違いを実験したいんだ。
会社の先輩が言うには、ファン付きの方が明るいものが多いはずだって。
逆にファンレスは熱の問題があるから、明るさはファン付きより落ちるって言っていたんだ。ファン付きのライトは先輩から借りているからカングーのファンレスと比較しよう。
ファン付きの方が明るいのか?そんなの関係無いと思っていた。
よし、実験に協力しよう。性能差があるなら気になるし、ファンレスとファン付きの違いはすごく興味がある!
ありがとう!頭ではなんとなく理解できているんだけど、まだ信じられないんだ。
ファンレスもたくさん売られているし、絶対にファンレスの方がコンパクトだと思う。明るさと温度を比較して測定したいと思うんだけど、さすがにそんな測定器はさすがに持っていないよな?
会社に行けばヘッドライトテスターもあるけど。。簡単には借りられないかな。 整備用に買っておいた非接触タイプの温度計と明るさを測る照度計がある。
簡易的なものだけど比較するだけならそれでも十分だと思うよ。
さすが!鈴木はその辺のクルマ好きとはちょっと違うな。普通はそんなもん家にないよ(笑)
一応整備士だからな。日が暮れたらまたうちまで来てくれ。
夕方になったので鈴木の家で検証開始。
もう準備万端だよ。早速、ファン付きタイプのバルブを見せてくれ。
これがうちの会社のファン付きLEDヘッドライト。ファン付きの割には小さいと思ったんだけど、鈴木はどう思う?
確かにかなりコンパクトだな。実験では条件を揃えて比較したいので、右側のヘッドライトを内藤が持ってきたファン付きタイプに交換する。
それにこの車はエンジンが右よりにあるから熱的には右側が少し不利になると思う、だからあえてそっちに明るくて熱に強いというファン付きのバルブを装着しよう。
右側の方が不利かもしれないということか、、さっそく右側のバルブを交換しよう!
もちろんだ。もう外れたよ。あれ?大きさはほとんど変わらないんだな。むしろファン付きの方が少しだけ全長が短いかも。。ケーブルも下から出ているし。
本当だ。ファンレスってなにも無いと思ったら、このヒートシンクってやつが想像以上に大きいんだな。
ファン付きタイプでも問題無く装着出来たよ!これならファン付きでも良かったってことか。これで明るさで負けていたらショックだな。。
早速実験を始めよう!点灯開始からの時間経過ごとに、ライトの温度と明るさをチェックしよう。
実験は準備が大切だから照度の測定位置を決めてしまおう。
明るさは、ちょっとした測定位置の違いで大きく変化してしまうんだ。だからこのシャッターから2.5mの位置に車を停めて、決まった場所で測定できるようにこの紙をシャッターに貼るよ!車検となるべく同じような位置で明るさを測定するんだ。
さすが整備士だな。ところで車検のときに明るさは「カンデラ(cd)」で確認するみたいだけどこの照度計は「ルクス(lx)」表記だよ?
大丈夫!カンデラというのは光度って呼ばれているけれど、ルクスに距離の二乗を掛けると出てくる数値なんだ。
今回の場合は仮に10000ルクスなら10000×2.5×2.5で62500カンデラになる。
なるほど、じゃあなんでバルブ本体は〇〇ルーメンっていう表記なんだ?
ルーメンというのはLEDバルブから出ている全光束量だから、バルブ単体の性能を表記するには一番適している。ただ、車の場合にはヘッドライトの形状等によっても明るさは変わってしまうから、それを測るにはカンデラが適している。
そして最終的に照らされる面の明るさがルクスって感じかな。この辺りはまた別の機会に詳しく教えるよ。
難しいけど仕事でも使うことだから、自分でももっと勉強するよ!
その調子!頼りにしてるからな。
さて、今回の実験は点灯させてから1分後、3分後、5分後、7分後、10分後、20分後、30分後の温度と明るさを計測する。1時間後とかも確認したいけれどガソリンがもったいないからね。。
まずは1分後だね!測定結果は、、、
左のファンレスタイプ「9730ルクス」「温度は20.8℃」
右のファン付きタイプは、「15780ルクス」で「温度が19.4℃」だ。
「15780ルクス?」ファン付きタイプの方が1.5倍くらい明るいのか!?
そうみたいだね。でもまだまだわからないよ。熱の影響で時間の経過と共に暗くなるかもしれないし。
内藤 左のファンレスタイプが「8230ルクス」、温度は、、、「80.5℃」
(!)
右のファン付きタイプは「14620ルクス」で「46.3℃」だ。
ファンレスはめちゃくちゃ高温だな。火傷してしまいそうだ。ファン付きはまだ半分くらいの温度しかない。
鈴木!おもしろい結果が出ているよ!ファンレスタイプは点灯直後と比較して15%も明るさが低下したけど、ファン付きタイプは7%ほどしか低下していない。
つまりファン付きタイプは明るさ1.5倍で明るさの低下も温度上昇も少なかったということだな。。。。今すぐファン付きとファンレスを交換してくれ!
けち!
ただ、ファンレスでも信頼できる国内大手メーカー品だから明るさの低下も温度上昇もこれくらいで済んでいるけれど、安物の海外製品だったら、もっと数値が恐ろしいな。
そうだな。
今回はファンレスとの比較だけど、同じファン付きでもメーカーによって温度、明るさの低下具合も違ってきそうだな~
うちのファン付きタイプは信頼のMADE IN JAPANですからその点も安心。
それに会社の先輩の言っていたことは正しかったんだな。
今回の実験でLEDヘッドライトは想像以上に温度が上昇することがわかった。特にファンレスの上昇がすごく、明るさもその影響で落とさざるえない。明るさは1.5倍くらい違った。
ファンレスタイプで同じ明るさにしたら、これ以上温度が上昇して大変なことになりそうだ。有名なメーカーだからこそきちんとテストをして、温度上昇と冷却のバランスがとれるギリギリの明るさを確保しているんだろうな。
でもファン付きにはかなわないことがわかったよ。
熱対策が重要!明るく耐久性の高いファン付きモデルがおすすめ
車好きでディーラー整備士をしている鈴木っていう友人がいるんですが、そいつが自分の車にファンレスのLEDバルブを入れたっていうんで一緒に実験してみたんです。
まぁあいい!
それで、ちゃんと条件を揃えてやったのか?それに測定器もあったのか?
鈴木は昔から自分で何でもやるタイプなので、たまたまですが温度計も照度計もありました!条件もなるべく揃えたかったので、今回は左右のバルブをファンレスとファン付きに変えて実験してみました。
それならある程度信頼性の高いデータが取れそうだな。
はい!会社のヘッドライトテスターでやるのが一番かもしれないですが、簡易的でも左右でバルブを変えれば客観的な実験が出来ると思い自分たちで実験しちゃいました。
はい。明るさはファン付きの方がファンレスの1.5倍くらい明るかったです。 目で見ても全体的に明るく照らせていたのでファン付きのうちの製品の方でした。
ファンレスは、明るさの低下率が大きく、30分後には80℃を超えていました。ファン付きの倍くらいの温度になっていましたね。
ファン付きは明るさの低下も7%程度でファンレスの半分くらいです。 ちなみにヒートシンクが大きくてファン付きとサイズはほぼ同じでした!
なるほど、、でもそれは真っ当な設計をしたファンレス製品かもしれないな。
詳しい実験結果を見ていないのでわからないけれど、恐らく温度上昇を抑えるために明るさを少しセーブしている、そして耐久性も考慮してなるべくヒートシンクを大きく設計しているんじゃないかな。
これが両立出来ていないと良い製品とは言えないからね。
確かに国内有名メーカーのファンレス製品だったので信頼できるものだと思います。
実はうちのファン付き製品は、並々ならぬ努力をしているんだ。
単純にファンを付けて終わりではなく、少しでも明るさと耐久性のバランスを良くして、性能を高くするためにファン付きであってもヒートシンク構造を採用している。
LEDバルブそのものを無垢のアルミ材から削り出して、バルブ自体をヒートシンク化しているんだ。それにファンも専用設計することで耐久性と静音性、小型化を両立している。良いとこどりって感じかなあ。
明るくて耐久性の高いバルブを、コンパクトに実現しているってことですね!
ファンで強制的に冷却できるメリットは大きくて、その分明るいチップを採用できるし、コンパクトにするためにドライバーユニットも別体としている。
これによってスペースに余裕が生まれて取付可能車種も幅広い。
高温にならないことで部品の耐久性も向上出来ているし、自動車部品として求められる性能を高次元でバランスさせているんだ。明るいだけではない性能が実現出来ている。
完成度はかなり高い製品だと思う。
でもこれからももっと性能を上げるべく研究開発を進めていく必要があるんだ。だからこれから製品を開発していく内藤にかかっているんだよ。
鈴木くんにも御礼を言っておいてくれ。ディーラーでも安心して薦められる製品をうちは作っているからな。
彼、ファン付きのバルブものすごく欲しがっていましたよ(笑)
今回取り付けた商品