こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
ゼウスクリアのセットには、コーティング剤の施工前に油脂を完全に取り除き、ボディとの密着力を高める脱脂剤が同封しています。
うまくガラスコーティングを施工するためには脱脂作業の有無で大きく変わると言っても過言ではありません。
しかし、市販されている硬化型のガラスコーティング剤には、脱脂剤が同梱されていないことから、
「シリコンオフやアルコールを用いた脱脂は可能か」
という疑問を持たれている方がいらっしゃいます。
そこで、シリコンオフやアルコールが脱脂として効果があるのか検証してみました。
ここで紹介する脱脂剤として使用できる商品は、ガラスコーティングに同梱されていない場合の対策です。
アルコール等を使用した場合、塗装の艶まで取り除いてしまう恐れがありますのでご注意ください。
脱脂剤がキットに同梱されているゼウスクリアを始めとした商品であれば、脱脂剤は専用品なので安心してコーティング施工ができます。
目次
内藤
この脱脂作業に使用する脱脂剤が、コーティングキットに含まれないことが一般的には多いと思います。
その場合、脱脂剤として代用できる商品はありますか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
ガラスコーティング剤の施工前に脱脂作業が行われますが、この脱脂作業は塗膜に付着した油分や汚れを除去することが目的です。
道路には、目に見えない油分が多く飛散していて、ワックスをかけていない新車を運搬している間にも、油分などの汚れがボディに付着してしまいます。
もちろん、ワックスをかけているクルマは、ワックス効果がなくなったように思えても、塗装表面にワックスの油分が残っているので、確実に除去しなければなりません。
油分が残った状態でガラスコーティングを施工すると溶剤が弾いてしまうので、ガラスコーティングの膜厚が均一にならないほか、ガラスコーティングの種類によっては硬化途中で油分と反応して白く曇ってしまうトラブルに見舞われます。
ガラスコーティングをDIYでして曇ってしまったという話を聞きますが、しっかり脱脂作業ができていないことが原因の場合が多いです。
https://twitter.com/23_kokoro_note/status/1391008588429025280
ガラスコーティング失敗。中途半端な時間で片付けようとしたせいで油膜除去が十分じゃなかった。
— 吉田・HO・マティアス (@iceman_ix) December 21, 2018
カーシャンプーで汚れを落としますが、塗装表面の細かいキズに入り込んでいる油分など、完全に落とすことはできません。
ここで、脱脂作業を行ない汚れ・油分を完全に除去します。
内藤
軽トラマニア小泉
必ず脱脂しないとトラブルの原因になるよ。
脱脂剤は、どんなに優れた製品であっても誤った使用方法では、脱脂効果が望めません。そこで、製品の特性に合った使用方法が望ましいといえます。
また、ガラスコーティングキットに同梱されている脱脂剤は、クルマのサイズごとに最適な容量以上用意されていることが多く、少量だからといって気にすることはないでしょう。
脱脂作業では、塗装表面の油分をしっかり落とす必要があります。少量でもある程度落ちますが、油分を完全に落とせる確証はありません。
そこで、できるだけ多くシリコンオフやアルコールを用いて脱脂することがポイントです。
一般的なシリコンオフで脱脂をしようとする場合、ボディに付着した油分を落とすにはかなり多くのシリコンオフが必要になるので、店頭で販売されているシリコンオフでは、容量が足りない可能性が出てきます。
市販のスプレー式のシリコンオフで脱脂する場合、セレナやヴォクシーといったミニバンクラスの場合、2本程度は用意したほうが良いでしょう。
その反面、ボディ面の小さい軽自動車なら1本でも脱脂できる車種もあります。ただし軽自動車でもスパートールワゴンのような塗装表面積が大きい場合は2本用意した方が安心です。
そしてアルコールを用意する場合なら、1L用意しておくと安心です。
脱脂には注意点もあります。1枚のウェスで車1台を脱脂する場合がほとんどでしょう。
この方法では、脱脂しているつもりが油分を広げていることに繋がります。
必ず、パネル1枚をアルコール等で拭き上げたら、次のパネルはウェスの違う面を使用して拭き上げます。
そして、脱脂作業に使用するウェスも数枚用意して脱脂をしましょう。
たとえば、アルコールの場合60cm四方程度を目安にできるだけ多く塗り広げ、乾かないうちに乾いた綺麗なウェスで拭き取るといった作業をすれば脱脂がキレイにできます。
内藤
軽トラマニア小泉
例えば塗装もそうだけど、脱脂が不十分だと塗料が弾いて色がキレイに塗れないんだ。これと同じだよね。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
あっ!食器洗い洗剤も油分を落とせるから身近にある脱脂剤として使えるのでは!?
軽トラマニア小泉
アルコールといえば、飲むアルコールと消毒するアルコールを思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、広義でいうとアルコールには、イソプロピルアルコール、エチルアルコール(エタノール)、メチルアルコール(メタノール)の3種類 のことです。
飲むアルコールと手指を消毒するアルコールはともにエタノールですが、メタノールは主にアルコールランプなどに使用され、飲むと失明の危険があるほか、死に至る危険があるので絶対に飲んではいけません。
こほか、イソプロピルアルコールは有機溶剤なので有機溶剤中毒予防規則 にも当てはまる有毒物質です。
ただし、コロナ禍の現在では消毒用イソプロピルアルコールが薬局等で販売されるようになったので、一般の方でも手に入りやすいアルコールの一つとなりました。
そこで、これらのアルコールですが、どれでも基本的に脱脂作業に使用可能です。
しかも飲むアルコールもエタノールなので脱脂はできますが、糖分が含まれるので脱脂作業には向かないでしょう。
アルコールの脱脂効果ですが、一番脱脂できるのがイソプロピルアルコールです。
次に脱脂効果が高いのがエタノールですから、一般に手に入るアルコールで脱脂作業は可能といえます。
内藤
軽トラマニア小泉
様々なSNSやブログなどに「食器用洗剤」による脱脂について触れていますが、結論から言えばカーシャンプーと同じ中性洗剤の食器用洗剤はクルマに使用できます。
食器用洗剤は、食べ物の油を浮き上がらせて洗浄する力があるので、クルマのボディに付着した油分を取り除くことが可能です。
どの食器用洗剤もある程度の効果がありますが、中性洗剤より弱アルカリ性の洗剤のほうが油分の分解能力が高いので、脱脂作業には向いているといえるでしょう。
カーシャンプーとの違いは、泡切れの違いです。カーシャンプーは水で泡を簡単に流せます。
しかし、食器用洗剤はカーシャンプーに比べて泡切れが良くないので、しっかりと水洗いしなければ洗剤がボディに残ってしまい、コーティングの邪魔をするので注意が必要です。
内藤
軽トラマニア小泉
コンパウンドで研磨した後にどれだけ油分が取れるかやってみるよ。
アルコールを使用する場合、70%以上の濃度がある消毒用アルコールや、工業用アルコールを使用します。
使用方法は、キレイなウェスやマイクロファイバークロスにアルコールを染み込ませて、塗装面を丁寧に拭き上げるようにします。
アルコールで脱脂作業をした後の注意点は、手で触らないように注意しましょう。もし拭き上げた後を手で触ってしまったら、手の油分が塗装面に付着している恐れがあるので、もう一度アルコールで拭き上げるようにします。
シリコンオフは、業務用の4L缶が売られているので、それを購入したほうがスプレー式のシリコンオフよりお得に使用できます。
というのもスプレー式は容量が少ないので、1缶では1台脱脂するには足りないからです。
また、大型ミニバンや大型SUVは、かなりの量を使用するので、シリコンオフを使用する場合は業務用をお勧めします。
シリコンオフの使用方法は、アルコールと同じようにウェスやマイクロファイバークロスに染み込ませて、塗装面を拭き上げるように使用します。
注意点は、アルコールによる脱脂と同じです。
食器用洗剤を使用する場合、そのままでは濃度が濃く、塗布後に洗剤を洗い流すことに苦労するので、10倍程度に水で薄めてから使用します。
スポンジやマイクロファイバークロスに水で薄めた洗剤をつけて塗装面を洗っていきます。よく隅々まで洗剤を塗りつけるように洗います。
そして、全体に洗剤の塗布が終了したら水でキレイに洗い流します。
この時に、水をかけるだけでは洗剤が落ち切らないので洗剤や油分がついていないマイクロファイバークロスで塗装表面を水洗いしながら拭き洗いします。
内藤
軽トラマニア小泉
クルマのボディ汚れは、カーシャンプーで落とせばそれでOKと思っている方が多くいます。
確かに普段の洗車ならそれでも問題はありませんが、ガラスコーティングを施工する場合、目で見てもとらえきれない汚れが残っていると施工後の硬化で悪さをします。
特に注意しなければならないのが、他のパーツが取り付けられている場所です。
例えば、ドアを例にすると、ドアにはドアハンドルやガラスの水切りサッシが取り付けられています。
また、フロントならドアミラーもあり、それらの取り付けとの境は、通常の洗車では汚れをキレイに取り切れていない場合が多く見られます。
また、クルマの塗装面には細かい目に見えないキズもあります。
それらのキズを磨き作業で平滑にしますが、磨きは非常に細かい研磨剤で塗膜を削っていますから、その細かいキズが塗装面に入っていることも忘れてはいけません。
小キズを取る方法
そして、パーツとの境目や非常に細かいキズには目に見えない汚れが付着しています。
これらの汚れをキレイに取り去るには、脱脂剤により汚れをキレイに拭き取る必要があります。
この作業が、キレイにできる脱脂剤でなければ、脱脂剤として使用する意味はありません。
ガラスコーティングの施工で大敵なのが油分です。油分を分解して全て取り去ることが可能な脱脂剤なら満足いく仕上がりが期待できます。
脱脂剤として、アルコールや食器用洗剤、そしてシリコンオフの脱脂能力を比べてみました。
向かって「一番左が工業用アルコール」、その「右隣が薬局などで売っている消毒用アルコール」、その「右が食器洗剤」、そして「一番右がシリコンオフ」です。
脱脂されている目安は、撥水していないこと。
ボディに水をかけると、どれも水の弾きがなくボディが良く濡れています。これは油分による撥水がないためです。
どの用品を使用しても、だいたい同じようにボディが良く濡れています。
脱脂効果という点では同じでしたが、費用では100均でも購入できる食器用洗剤が一番コストは安いといえます。
しかし、洗剤なので界面活性剤が塗装面に残留する懸念があることから、脱脂できていたとしてもガラスコーティング塗布後に界面活性剤が悪さする恐れがあるため、あまりお勧めできません。
そこで、脱脂剤が手元に無い場合の代用品として、何処でも手に入り、比較的安価で購入できる消毒用アルコールがおすすめです。
ただし、ここで紹介した脱脂剤として使用できる商品は、ガラスコーティングに同梱されていない場合の対策です。アルコール等を使用した場合、塗装の艶まで取り除いてしまう恐れがありますのでご注意ください。
内藤
軽トラマニア小泉
それがガラスコーティングの施工時に悪さして密着力が高まらない恐れがある。
だから、アルコールを使用するのがいいよね。
ただ、先程解説したがアルコール等を使用した場合、塗装の艶まで取り除いてしまう恐れがあるから、専用品が無く仕方がなく施工する場合に検討してくれ。
内藤
メーカー側では推奨していませんので、自己責任での作業にはなりますが、脱脂剤が入っていなくても自分で調達して脱脂作用ができると思います。
今回もありがとうございました。
ガラスコーティングの施工では、脱脂作業が重要です。
購入したガラスコーティング剤に脱脂剤が同梱されていな商品も多くありますが、その場合も脱脂作業しなければ本来のガラスコーティングの性能を発揮できません。
代用品で思いつくのがシリコンオフ。しかし、一般的に手に入りやすい商品では容量や価格を考えるとコスパが悪いと言えます。
脱脂ができるアルコールであれば、シリコンオフより容量もあり、しかも安価で購入できるのでガラスコーティングの前処理の脱脂に使用できます。
ただし、ここで紹介した脱脂剤として使用できる商品は、ガラスコーティングに同梱されていない場合の対策です。
アルコール等を使用した場合、塗装の艶まで取り除いてしまう恐れがありますのでご注意ください。
脱脂剤がキットに同梱されているゼウスクリアであれば、脱脂剤は専用品なので安心してコーティング施工ができるでしょう。
ゼウスクリアの脱脂剤の効果についてはこちらの記事で触れています。
https://www.zwebonlinestore.com/blog/coating/3915/