こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
車のコーティングをする場合、下地処理が必要と言われますが、新車の場合は必要なのか?という質問をされている方が掲示板でいらっしゃいました。
新車にコーティングをするときに下地処理は必要なのでしょうか?よくコンパウンドやポリッシャーなどで磨き作業を見かけますが、新車も必要なのでしょうか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
新車が納車された経験があればご存知の通りボディはとても綺麗な状態です。一般の方には傷ひとつない状態に映るはずです。
しかし、新車でも非常にごく小さな傷は付着しています。
ごくわずかな傷を見極めることは、目の肥えた方でなければ判断できないため通常は磨き作業など必要ありません。
また、磨くということは、ポリッシャーを使用してコンパウンドで塗装を削る作業です。
つまり、新車の塗膜にコンパウンドで傷を入れている作業ですから、磨きは傷のない新車に傷を入れていると同じです。
磨きで傷が無くなると反論が出そうですが、実際人の目で感じとれる傷より小さい傷に変えているだけです。
目に見える傷をそれより細かい研磨剤で削り、傷を消しています。
しかし、研磨剤の傷は必ず入っているので、それよりもっと細かいコンパウンドで消す必要が出てきます。
つまり、磨くと必ず磨き傷が発生し、塗装表面は目に見えない細かい傷が無数に入りますが、これを目に見えない状況に研磨しているのがプロです。
しかし、上手くできないとバフによる磨き傷や、オーロラマークが発生しています。新車でこのようになっては、かなり残念なことです。
それでは、新車で磨きが必要な場合とはどういった場合なのかというと、オーナーにより新車に細かい傷があることを指摘され、それを取り除いて欲しいと言われた場合です。
もちろん、新車なのでほんのわずかな傷であり、軽く磨く程度です。
このように新車では、塗膜に傷はほとんどない状態で納車されるので、安易に下地処理(磨き)をすると、かえって磨き傷をボディ表面に作ってしまい、取り返しが付かなくなります。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
これをすべて削り落としてツルツル仕上げにしたい方もいる。
そういった場合は、磨いてもいい。あとは、細かい傷が多い場合かな。その辺りについて解説するよ。
カスタム塗装は、ツルツルでピカピカになった美しい状態にうっとりします。
これは、塗装した後に、塗膜の肌調整をしてツルツルにしているからです。これと同じようにピカピカのツルツルにしたければ、新車でも磨き作業をしてもよいでしょう。
ただし、それにはかなり熟練した技術が必要なので、磨きを依頼する場合は技術に定評があるショップで磨きしてもらうのが一番です。自分で磨こうと間違っても考えない方が無難です。
あとは、納車後にすでに何回も洗車をして洗車傷が付いてしまった場合でしょう。洗車傷は、ごく浅い傷が無数に付着して塗装の艶をなくしますから、磨く必要が出てきます。
ただし、ごく浅い傷なので、ポリッシャーがけも軽くかけるだけで傷は消えてしまうでしょう。それには、バフとコンパウンドは切削能力が低いタイプを使用して作業します。
また、ポリッシャーもバフ目ができないように、ギアアクションなど偏心運動をするポリッシャーを使用して磨くようにします。
特に注意が必要なのは、濃色車のソリッドカラーです。例えば黒や赤はトップコートを使用していない場合があります。
つまり、顔料が入った塗料で上塗りして終わりになっており、耐スリ傷に強いクリアーで仕上げていないため、傷が入りやすい特徴があります。
最近は、ソリッドカラーは2コート仕上げになっているので、それほど心配はありませんが、それでも新車のソリッドで1コート仕上げもあるため、濃色車を磨く際は最初に目立たない場所をコンパウンドで手磨きします。
もし塗膜がウェスに移ったらクリアコートしていないため、新車での磨き作業は避けたほうが良いでしょう。
新車で濃色車のソリッドカラーを磨かない方が良い理由は、顔料の特性が関係しています。顔料は色によって硬さが異なり、特に黒は柔らかいことで知られているので、黒のソリッドカラーを磨くとあっという間に磨き傷が入ってしまい、修正が大変になります。
もし、ソリッドカラーの1コートで磨きが必要な場合は、DIYで作業しようとせずに、腕のたしかな磨き職人に相談しましょう。
内藤
軽トラマニア小泉
そういった場合は下地処理として軽く磨いた方がキレイにコーティングできる。でも本来は、新車は汚れて洗車する前にコーティングするのがいいよね。