こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
コーティングを施工しても思ったほど長持ちしない体験をした方もいるでしょう。
もちろん、コーティングの種類によっては、思ったほど効果が認められない場合もありますが、施工方法に少し気を遣い、施工後のメンテナンスをすることで避けられる場合が多いです。
この記事ではコーティングを長持ちさせるための方法について詳しくお伝えします。
目次
内藤
島田
あと、本来はワックスもコーティングだけど、コーティングの密着メカニズムが異なるから分けて解説するよ。
関連記事:ガラスコーティングとは?メリット・デメリットや施工の注意点を解説
コーティングの種類としては、ポリマーコーティング、フッ素コーティング、ガラスコーティングの3種類に大きく分けられます。
そして、どのコーティグも塗膜と密着するために化学的に密着させます。
密着の接着反応は商品によって様々ですが、大きく分けて「機械的結合」「化学的相互作用」「物理的相互作用」の3種類です。
それぞれの性能を高めるように下準備しなければ密着性能は高められません。
まず、これらの接着メカニズムを簡単に説明すると、機械的結合とは、塗膜の目に見えない非常に小さい凹みに入り込み、錨のように食い込み接着することです。
化学的相互作用とは、塗膜とコーティング同士で原子同士や分子同士が引き合い接着する仕組みです。
そして、物理的相互作用とは、塗膜とコーティングの分子同士が引き合う分子間力によって密着します。
コーティングを密着させるには、それぞれの商品の説明書に記載の下地処理が必要です。下地処理が不完全になると、コーティングの密着能力が発揮されず長持ちしません。
たとえば、接着剤を使用する時、貼り合わせる面の汚れをキレイにしますが、もし汚れていると接着できません。
塗装も下地処理がキレイにできていないと剥がれてしまいます。
コーティングも接着剤や塗装と同じで、塗装表面にキレイにそして長く保てるよう密着させるには、施工前の下地処理が重要です。
内藤
つまり、コーティングも接着と同じで、塗装表面と密着させるには、施工の前段階が重要ということなのですね。
島田
ワックスは、薄い被膜でボディを覆うのでコーティングの一種ですが、先に解説したコーティングと異なり、密着ではなく「乗っている」だけです。
例えるなら料理に使うフライパンと食用油の関係と言えるでしょう。
料理をするときに、フライパンに油を垂らします。すると全体に油が広がりツヤが出ると同時に、フライパンのキズも目立たなくなります。
しかし料理が終わり、食器洗い洗剤で洗うと、あっという間に油が落ちて、ツヤがなくなり小傷が目立ちます。これと同じ効果がワックスです。
ワックスは、自然由来のカルナバロウや石油系ワックスがありますが、どちらも油性です。そのため、雨や洗車により早く落ちてしまう特徴があります。
内藤
島田
基本は効果が1カ月から2カ月だから、こまめにワックスがけするしかないかな。
内藤
具体的にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。
島田
コーティング剤を購入すれば、必ず使用説明書があります。そこには、キレイに施工する方法や長持ちさせるための秘訣が書かれているので、一度よく目を通すことをお勧めします。
各種コーティングは、ワックスと異なり化学の力で塗装表面と密着させます
そのため、効果的に化学反応が起きるように施工しなければ、長期間長持ちしないばかりかムラの発生の原因にもつながります。
まず、店頭で手にしたときには、外箱に書いてある内容を理解してから購入することにしましょう。
そこには、ある程度の施工方法や必要となる道具も記載されている場合も多いので、手持ちに洗車道具が足りなければ、一緒に購入します。
すぐに施工を始めるのではなく、先ずは箱の中に入っている説明書を読んで、作業の流れを掴みます。
作業内容が理解できれば、下地処理に必要な道具も自ずと分かると思います。
あとは、作業に時間がかかる商品もあるので、それに合わせてスケジュールを立てればよいでしょう。
内藤
島田
それに、一般汎用品だから誰でも簡単に理解できるようになっているよ。
コーティングの種類問わず、まずは洗車を普段より丁寧に行う必要があります。その理由は、汚れが残っているとコーティングで閉じ込めてしまうことと、コーティングが長持ちしないからです。
ボディ表面には、鉄粉やイオンデポジットといった通常のシャンプー洗車で落ちない汚れが付着しています。これらの汚れは、それぞれに対応する洗車道具を使用して丁寧に落とします。
車の様々な汚れはガラスコーティングで防げるのか?イオンデポジット(水アカ、スケール汚れ)などの無機汚れと有機汚れについて解説
特に注意が必要なのは、ドアハンドルやモールなどの境のクリーニングです。
このような部分は、汚れが溜まりやすくしかも落としにくい特徴があります。
ドアハンドル回りなどは、洗いにくいのでついつい、おざなりになってしまいますが、汚れが残っているとコーティングしても剥がれてしまう恐れがあるので、歯ブラシなど細かい部分を洗車できる道具を使用して丁寧に洗車します。
内藤
よくあるのが、シャンプー洗車して水をかけた後、洗い残しがあってショックを受けることがあります。これだとだめですね。
島田
一通り洗車が済んで、水滴も取り除けたら小傷も消すと尚良いです。
傷の内部に汚れが残っていることもあり、コーティングに悪さをして持続効果を短くする可能性があります。
また、小傷をそのままにしてコーティングすると、小傷もコーティグで覆ってしまうので、小傷が目立つ可能性があります。
落とし方は、コンパウンドを使用して落します。
黒系などの濃色車は、コンパウンドの磨きキズが逆に目立つので用意する道具にも気を遣う必要がありますが、基本的に「細目」「極細目」「超微粒子」の異なる3種類を用意します。
最初は、傷に対して極細目から使用して傷が消えるか確認します。磨いても傷が消えない場合は細目のコンパウンドに切り替えて消していきます。
傷が見えなくなれば、今度は磨いたときに出来る磨き傷を落とすため、極細目で磨いた部分をさらに磨きます。
様々な角度から光の加減を利用しながらボディを見て、細目の磨き傷が消えたら終了です。
ただし、黒系などの濃色車は、極細目の磨き傷が目立つので、今度は超微粒子のコンパウンドで磨きます。
このときに使用するクロスは新しいものを使用し、傷が付きにくいマイクロファイバークロスを使用します。
内藤
島田
下地処理で重要なのが脱脂作業です。余計な油分が塗膜に付着しているとコーティング剤が定着せずに綺麗にコーティングできません。
多くのコーティング剤には、「前に使用したワックスやコーティングの成分が残っていると効果が十分発揮できない可能性があるので十分除去してから使用して下さい」といった文言があるはずです。
つまり、作業説明書にも油分であるワックスやコーティングの除去をすすめているので、その通りに作業を進める必要があります。
実際に、脱脂作業せずに塗布すると塗装面に残っている油分でコーティング剤が弾いてしまうことがあります。
目で見て弾く様子が分かるといいのですが、わずかな弾きなので気が付くことなく塗布できてしまいます。
しかし、その状態では塗膜とコーティング剤が密着できないので、コーティングは長持ちしません。
また、商品によってはコーティング剤の中に溶剤が含まれており、油分を落としながらコーティングできる商品もありますが、前に残っているワックスなどに汚れが含まれていると、コーティングの溶剤で溶かした成分をコーティングで閉じ込めてシミなどを作る原因にもなるので注意が必要でしょう。
もちろん、カーシャンプーも油分を分解する商品なので、カーシャンプーである程度の脱脂は可能です。
しかし、ワックスや古いコーティングの油分は、シャンプー洗車1回程度で落ちないため必ず脱脂は別途行う必要があります。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
コーティングの施工後の仕上がりは、天候にも左右されます。コーティング剤によっては、気温が高すぎると乾燥が早くなり拭き取りが間に合わずムラが出てしまう場合があります。
逆に気温が低すぎると硬化が進まないためコーティングが完成しません。
このほか湿度も重要であり、特にガラスコーティングは空気中の水分で硬化が始まるので、湿度が高くても低くても適正に硬化できない商品が多く見られます。
そのため、コーティングには環境が大事なほか、施工する季節によっても施工方法を考える必要があります。
https://www.zwebonlinestore.com/blog/coating/6449 /
施工環境に左右されやすいコーティグが多い中、気温にも湿度にも左右されないガラスコーティングとして日本ライティングからゼウスクリアが販売されています。
特徴は、どのような季節や気温、湿度でも適正に硬化するコーティング剤であることと、梅雨時期でも雨さえ降っていなければ作業ができ、真夏の暑い時期も日陰であれば作業できます。
内藤
島田
でもゼウスクリアなら環境に左右されずに長期間保護できる。
コーティング剤を塗布するときにしてしまうのが、一度に広い範囲に塗布することです。
特に固形ワックスを長年使用していた方などは、かなり作業方法の違いに戸惑うかもしれません。
今までのワックスやポリマーコーティングは、塗布して乾燥すると白くなることが殆どでした。
しかしガラスコーティングは、塗布しても白くなることはなく、施工したことがよくわからない商品も多く見られます。
そこで、広く塗布してしまうと、どこまで施工したのか掴みにくくなり、施工ムラの発生が危惧されます。
施工ムラができると、施工した部分と施工できていない部分が混在し、効果が長持ちしません。
そこで、パネル内をブロック分けしてコーティング施工します。例えば、ボンネットであれば4等分して作業することで、上記の問題は解決します。
また、初めての施工の場合、6等分程度に分けて施工すると作業がより完璧になるでしょう。
細かく丁寧に施工することが、最終的に長持ちさせる秘訣でもあり、完成後に驚くほどキレイな状態に仕上がります。
内藤
その手法でコーティング剤を使用するとうまくないということですね。
島田
汚れも付きやすく、その部分から傷んでくる。結果、長持ちしないコーティングになる。
内藤
島田
でも、ガラスコーティングを守るには手入れをしないと効果は長続きしない。その辺を解説するよ。
車庫で保管し、乗るのは1カ月に数回という車でも、ホコリは付着しています。また、毎日通勤に使用する場合は天候に関係なく車に乗るので、汚れの付着は多くなります。
コーティングしている場合の手入れは「汚れたら洗車する」ことを心がけましょう。
汚れ成分には、様々な物質が含まれています。また、虫の死骸や鳥の糞などもコーティングには有害なので、付着したら出来るだけ早く除去しなければ長持ちしません。
ガラスコーティングの場合、無機質なので有機質の虫の死骸や鳥の糞、また雨に含まれる煤煙による油分の付着の影響は少ないです。
しかし、ガラスコーティングは無機質なので、雨ジミなどの無機汚れを寄せ付けることから、トップコートとして有機質のコーティングが乗っています。
これは、虫の死骸などの有機汚れに非常に弱いので、出来るだけ早く落とした方が良いでしょう。
コーティングは、防汚性に優れた商品が多いですが、汚れが付着しにくくなるというだけであり、汚れによりコーティングが劣化しないという事ではありません。
つまり、汚れたら洗車してキレイにしていないと、コーティングを長持ちさせられないということです。
内藤
島田
でも、長期間汚れがコーティングに付着していると、陽も当たるしダメージになってしまう。
だから汚れたら洗車するようにした方が長持ちする。
何回も汚れて洗車を繰り返していると、次第に水弾き性能が落ちてきます。特にガラスコーティングの場合、長期間耐久性があるのに何故と思うことでしょう。
その理由は、トップコートが傷んでいるからです。
そこで、ガラスコーティングのトップコートを蘇らせるためにメンテナンス剤を使用します。そうすることで、トップコートの効果を蘇がえらせることが可能です。
また、ポリマーコーティングやフッ素コーティングにも、メンテナンス剤が用意されるメーカーがあり、水弾き性能が失われた場合に使用すると、コーティングを修復させて効果を長持ちさせられます。
内藤
でもガラスコーティングはベースとなるガラス被膜は傷まないのですか。
島田
水を弾かないため汚れも留まりやすくなる。
有機質のトップコートが傷むと、無機汚れがガラス被膜に付着して見栄えが悪くなる可能性がある。
だからメンテンナンス剤の使用は重要だよ。
コーティングを長持ちさせるには、コーティングを塗布する前の下地処理がどれだけキレイにできているかにかかっています。
コーティングは、化学の力で塗膜と密着しているので、密着を阻害する物質をキレイに除去する必要があります。
そして、施工後も汚れたままでは、汚れの成分がコーティングを劣化させるので、汚れたらなるべく早く洗車するようにして、メーカー推奨の時期ごとにメンテナンス剤などを使用しましょう。