こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
今回は、コーティング前の洗車に特化した内容をお伝えします。
「コーティング前の洗車」と「普段の洗車」では何が違うのか?
通常の洗車は「車を綺麗にする」ことが目的に対して、コーティング前の洗車は「コーティングをキレイに施工するために必要なことをする」という違いがあります。
洗車の仕上がり具合で、コーティングの持続期間にも影響してきます。これからコーティングを計画している場合は、参考になさってください。
目次
内藤
洗車は普段より丁寧にする必要があるのは分かるのですが、手順が良くわからなくて。
一般的に何に注意して作業すればいいでしょうか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
そこに小さな汚れがあってもそのまま閉じ込めてしまう。せっかくコーティングしてもキレイに見えないんだよ。
内藤
軽トラマニア小泉
コーティングする前の洗車は、コーティング施工後の仕上がりを左右します。
余計な汚れがあると密着性が悪くなるので、特に持続期間に影響してきます。そのためしっかり洗車する必要があります。
例えば、広いドア1面をきれいに洗車したとします。しかし、ドアハンドルの縁に汚れが残っていると、汚れの部分からコーティングが剥がれる可能性があります。
この剥がれる現象は、汚れの残っている度合いで変わり、一部分で済む場合と汚れが起爆剤となり、多くの部分で剥がれてしまう場合があります。
内藤
軽トラマニア小泉
コーティングしても下の汚れが取れてしまうとコーティングも剥げるからね。
コーティングするとツヤがあるキレイな状態になると思っている人も多いですが、コーティングは本来の塗装表面を保護するだけなので、汚れているとツヤは出ません。
コーティングは、塗装表面を保護しますが、そこに汚れがあると一緒にコーティングします。
大げさに言うと、泥汚れがあり、その上にコーティングすれば泥汚れはコーティングの下に閉じ込められてしまいます。
つまり、汚れをキレイに落とさなければ、本来のボディのツヤは蘇ることがありません。
内藤
軽トラマニア小泉
クルマの汚れには、様々な種類がありますが、その中で多いのが油汚れです。
油汚れと意外に思う方も多いと思いますが、クルマの下側に付着するピッチ・タールはアスファルトの黒い油汚れです。
また、工業地帯や幹線道路なども空気中に排気ガスに混じったオイルミストが浮遊しており、これがボディに付着すると油分として残ります。
このほか、ワックスも油分なので、コーティング前にワックスがけを頻繁に行っているクルマは、入念にワックス除去しなければなりません。
もちろん、油分が残っている上にコーティング施工も可能です。
しかし、油分の上にはコーティングが覆いかぶさっているだけであり、塗膜と密着していません。つまり、そこから剥離してしまいます。
油汚れを全て落とす洗車がキレイにコーティングするポイントになります。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
そして、その汚れを取り除ける道具の準備だよね。その辺を解説するよ。
汚れの種類には、シャンプーで簡単に落とせる汚れと、シャンプーでは落とせない汚れの2通りがあります。
また、シャンプーでも少し道具を工夫すれば落とせる汚れもあります。
雨の日に運転して汚れている場合は、シャンプー洗車で雨の汚れは落とせます。
しかしその下にある長期間溜まった、こびりついて取れない汚れが数多く存在します。
たとえば、アスファルトのピッチ・タール、鉄粉、水垢、イオンデポジットやウォータースポットなどが落ちない汚れの主な物になります。それぞれの汚れの特徴は以下の通りです。
汚れの種類 | 特徴 |
---|---|
ピッチ・タール | クルマの下の方に付着するアスファルトの破片などの汚れ。白いクルマでは茶色く見えるので鉄粉と勘違いする方も多い。 |
鉄粉 | 様々な場所に空気中の鉄粉が付着して酸化し、塗装表面に食いついたもの。 |
水垢 | 雨がクルマを流れ落ち、ワックス成分や雨水に含まれる油分が蒸発後に油分だけ残った状態。 |
イオンデポジット | 水に含まれるミネラルなどの不純物がクルマに付着すると、乾燥後に白く残る現象。 |
ウォータースポット | 水滴がレンズの役割をして太陽の光を集めて焼けたり窪んだりする現象。 |
クルマの汚れには様々な種類がありますが、これらの汚れはシャンプー洗車では落とせません。
まずは、どの汚れが付着しているのか確認しましょう。そうすることで、洗車道具も無駄なく用意でき、キレイに洗車を進められます。
洗車道具は、バケツやスポンジ、マイクロファイバークロスなどのほか、洗剤やたわしなどを準備します。
しかし、これらの道具では、すべての汚れは落とせないので、汚れに見合った道具も用意します。
鉄粉は専用のケミカル剤のほかに専用の鉄粉取り粘土などが販売されています。
イオンデポジットは専用のケミカル剤だけで落とし切るこが難しい場合も多く、コンパウンドの力を借りて削り取ることも少なくありません。
ウォータースポットは、塗装表面の汚れと異なり、塗膜を変化(塗装表面が焼けて色が変わっている)させています。
つまり、焦げていることと同じなので、焦げた部分を削ぎ落す必要があります。
また、窪んだ部分を平らにならすよう削らなければ元に戻りません。
ウォータースポットは、コンパウンドでの磨き作業が必須ですが、あまり深追いしすぎると下地が出てしまい、再塗装が必要になる場合があります。
コンパウンドがけに慣れていない場合は、使用を控えたほうが良いでしょう。
様々な汚れに対応する商品は、カー用品店などで販売されていますから、ご自身で汚れに見合った道具を準備してください。
内藤
軽トラマニア小泉
そのような商品であれば、コンパウンドで磨くより塗膜への攻撃が少ないから安全だよ。
でも、慣れていない方がどうしてもコンパウンドに頼りたくなったら、出来るだけ細かい粒子のコンパウンドを使用することだね。
深追いすると危険という言事を忘れないでね。
「コンパウンドについての記事」
内藤
軽トラマニア小泉
どの程度までなら下地を出すことなくキレイにできるかは、経験ある方が近くにいないとね。
磨く力や磨く方向など様々なことがあるからね。
内藤
軽トラマニア小泉
また、キレイにするには無駄と思われることも繰り返す必要があるんだ。その辺について解説するよ。
洗車で重要なのは、ボディ表面に付着した汚れをキレイに落とすことです。それには水で洗い流すのが一番であり、たっぷりとシャワーしてあげます。
水洗いはクルマの上から下に向かいシャワーします。この時に、砂などの汚れが溜まっていそうな場所には入念に水をかけて砂などの汚れを洗い流します。
もし、砂などが残っていると、砂でボディを擦りつけることになり、キズを発生させてしまいます。
クルマ全体に付着した砂や埃を水で洗い流したら、シャンプー洗車します。この時に使用するシャンプーは、ワックス成分が入っていない商品を選びましょう。
シャンプーする場合、特に力を加えてゴシゴシする必要はありません。
一般的なシャンプーは、汚れを浮きあがらせる成分が入っているので、軽くスポンジなどで擦ればキレイになります。
また注意する点としては、ボディ下側は固い汚れがこびりついていることも少なくありません。
その汚れがスポンジに絡まるとボディにキズを付ける恐れがあるので、面倒でもボディ下部を洗ったら、スポンジを水洗いして汚れを落としながら作業します。
そしてシャンプーが終了したら、クルマに付着しているシャンプーをキレイに洗い落とします。シャンプーが残っていると、乾いてからシミの原因となり作業を増やすことになるので注意しましょう。
シャンプーを全て水洗いしたら、一旦水滴を全て取り除きます。
なぜ、この後も汚れ落とし作業をするのに水滴を除去しなければいけないのかというと、落ちない汚れを見つけるためと、水滴が自然乾燥して新たな汚れを付着させないためです。
クルマ全体に付着した水滴をキレイに拭き取りますが、水滴が残らないように注意しましょう。ただし、水が隙間から垂れてくるのはそのままでも問題ありません。
水滴を取り除くと、汚れが残った部分がわかると思いますので、その部分の汚れを重点的に落とす作業をします。
使用する汚れ落とし剤により、水をかけてから使用するタイプと、そのまま使用できるタイプがありますので説明書きに従い作業します。
汚れ落としは上から順に下に向かい作業を進めます。それは、下側の汚れを落としても上に汚れがあると、その汚れが下に流れてしまい、もう一度作業しなければならないからです。
細かい汚れ落としは、ペンキ用の刷毛や使い古しの歯ブラシで掃除するのが効果的です。特に刷毛は、毛先が細かい部分に入り込み、キレイに汚れが落とせます。
刷毛の使用方法は、強く掻きだすのではなく、毛先を使用して汚れを落とすように使用します。
また、歯ブラシも活用できますが、歯ブラシは毛先が固いうえ、力が入り過ぎることもあるため、ボディにキズが付きやすいので力加減には気をつけましょう。
イメージとしては、自分の歯を磨くように力を入れずに細かく動かすのがポイントです。
鉄粉は、塗装表面をなでるとザラザラするのが特徴の一つです。
このザラザラを取り除かなければ、コーティングが均一に密着できないのでキレイに除去します。
確認方法は、動画のように手のひらで塗装表面をなでるとすぐにわかるはずです。
鉄粉取りには、薬剤を使用して「溶かしてから水で洗い流すタイプ」と「鉄粉取り粘土で取り除くタイプ」の2種類が定番です。
鉄粉取りの薬剤は、様々なタイプが販売されています。
特に有名なのは鉄粉が溶け出すと色が変わるタイプですが、全く変色せずに落ちるタイプもあるので好みに合わせて選んでください。
使い方は、商品説明に沿って使用しますが、特に薬剤なので説明書にある内容を確実に守って作業しましょう。
そして、鉄粉取り粘土(トラップ粘土)を使用してもキレイに落とせます。
鉄粉取り粘土は、今でもプロが使用しているアイテムだけあって、鉄粉をキレイに除去できます。
鉄粉取り粘土の使用は、塗膜を滑らせて使用するので、必ず水で濡らして使用しますが、キレイに早く鉄粉を取るには、カーシャンプーにつけて作業すると効率アップします。
鉄粉取りについてはこちらで詳しく解説しています。
鉄粉取りについての施工方法について具体的にまとめました。
内藤
軽トラマニア小泉
下に落ちたら砂を巻き込むから注意書きに落とすなとあるからね。十分注意して作業することだよ。
細かい汚れの除去が終わったら、もう一度シャンプーします。ただし、コンパウンドで磨き作業をしない場合です。
比較的新しいクルマや、ホワイト系の淡色カラーでは小キズが目立たないので、このまま仕上げのシャンプーに入れます。
この時に使用するカーシャンプーは、余計なものが入っていないシャンプーを利用します。
余計な物とは、ワックスや研磨剤などが入らないカーシャンプーで、中性の商品を使用するとよいでしょう。
日本ライティングでは、コーティングキットの中に、専用のカーシャンプーが入っているので、この時にこのカーシャンプーで洗車して仕上げします。
※単品でも販売を始めました。
コンパウンドで磨き作業をする場合は、汚れ落としをしてからコンパウンド掛けをして、その後に仕上げのシャンプーでコーティングの準備を整えます。
内藤
軽トラマニア小泉
下地処理は徹底して行うのがキレイにガラスコーティングを仕上げるポイント。面倒でも最後にもう一度洗うことだよ。
洗車後の拭き上げは、水滴を全部取るだけなので簡単と思う方もいますが、コーティング前の水滴除去は、普段より入念に行う必要があります。
それは、コーティング中にパーツの隙間に溜まった水分が流れ落ち、コーティングした部分にダメージを与えないためです。
水滴除去は、一旦クルマ全体を隅々までふき取ります。
そして、1番最初に始めた部分に戻り、水滴が垂れている部分から水滴の完全除去作業をはじめます。
※オレンジの楕円の中に水が垂れているのがわかります
水滴は、ドアハンドルやモール、スポイラーとの境目、そしてドアミラーなどの取り付け部に溜まっており、時間が経つと水滴が垂れてくる場合がほとんどです。
そこで、強制的に圧縮空気を当てて、水分を吹き飛ばします。
簡単な方法は、浮き輪などに空気を入れる空気ポンプを使用します。
空気ポンプは100均でも販売されているので手に入りやすく、細いノズルからピンポイントに吹き出るので使用しやすいでしょう。
このほか、自宅にコンプレッサーや掃除機にブロアー機能が付いているなら、それを利用すれば効率的に水分を吹き飛ばせます。
クルマ全体を見回して、隙間がある部分はすべて水分が溜まっていると考えられるので、くまなく水分を飛ばす作業をしましょう。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
だから時間に余裕があるときでなければ、コーティングはしないことだよ。
内藤
軽トラマニア小泉
あとは、あまり知られていない事もあるからその辺も解説するよ。
洗車は、短時間で済ませたいと考える方も多いですが、コーティング前の洗車は少し違います。
コーティングするには、きめ細かい洗車が必要なので、丁寧にゆっくり作業することです。
ここでいうゆっくりとは、動かす速度がゆっくりではなく、多くの作業をするので時間がかかるということです。
1日で、洗車からコーティングが終了するよう、スケジュールを組み立てます。そして、考えた作業順序に沿って一つずつキレにしましょう。
キレイにするコツは、丁寧に洗車することです。妥協した場所は、コーティング後に必ず不具合として現れるので、入念に丁寧に作業を進めることがポイントです。
洗剤の泡は、思いもよらないところに入り込んでいます。
そして、時間が経つと垂れてくることも多いので、シャンプーや汚れ落とし剤の泡は、キレイに洗い流すことを心がけます。
万が一、後からシャンプーの泡が落ちてきたら、その部分は水で洗い流さなければなりません。
もし、脱脂作業していた途中なら、また最初からになってしまうので、十分注意しましょう。
むやみにボディを触るのは避けてください。
なぜかというと、手についている皮脂汚れがボディに付着してしまい、今までの作業が水の泡になるからです。
特に、洗車に携わっていない方が近くに来て触られることは避けなければなりません。
というのも、洗車している方は、すでに洗車で手もキレイになっていますが、外部の方の手はどんな汚れが付着しているかわからないからです。
もちろん、脱脂作業に入るので、それほど神経質なる必要はありませんが、それでも完璧にガラスコーティングの施工を完成させるには、注意するに越したことがないからです。
内藤
軽トラマニア小泉
そして汚れを取ったら再度付着させないこと。この2つがポイントだよ。
ガラスコーティング施工前の洗車は、隅々まで汚れを落として、塗装表面から汚れを全て除去することがポイントです。
大袈裟に言うと、新車と同じ塗装表面まで持っていければ、最高の状態になるということです。
ガラスコーティングは、塗装表面をガラスの被膜で覆う事であり、覆う塗膜が汚れていれば、そのまま汚れも覆ってしまうことを理解しましょう。
つまり、ガラスコーティングで汚れは隠せませんから、前処理としての洗車は重要となります。
https://www.zwebonlinestore.com/blog/coating/3915/