こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
登場から半世紀以上が経ち日本国内だけでなく海外でも絶大な人気を誇るハイエース。
初代から現行に至るまでヘッドライトも大きく進化してきました。今回は、ヘッドライトの歴史を振り返りながら、カスタムがどのように行われてきたか解説します。
目次
島田
内藤
島田
内藤
その友人はハイエース200系に乗っているのですが、純正LEDヘッドライトのカスタムができないと悩んでいました。
島田
友達が言うように純正LEDは明るくすることができないから、カスタムのハードルは上がったよね。
内藤
島田
今から53年ほど前の1967年にトヨエースの小型版(トラックタイプ)のハイエースが登場し、今のワンボックス車の先駆けとなったワゴンタイプがすぐに追加発売されました。
初代ハイエースのヘッドライトは丸目4灯式のシールドビームを採用していました。シールドビームとは、レンズとリフレクターが一体化したランプのことで、今のようにバルブ交換で光源を交換することはできませんでした。(初期のシールドビームに限る)
シールドビームが採用された一つの理由として、当時アメリカの連邦自動車安全基準により、シールドビーム搭載が義務化されていました。そのため、アメリカ市場向けに輸出されるクルマ全て、シールドビームの装着が必須となりました。
2代目ハイエースは、1977年に登場しました。先代の4灯式から丸目2灯式のヘッドライトに変更されましたが、採用されているランプは初代と同じシールドビームでした。
その後、1981年にマイナーチェンジが行われ、ヘッドライトの形は丸目2灯から角目2灯式に変更されました。
特徴的なのは、グリルがヘッドライトにかぶさる形で取り付けられるなど、見た目も先進的なデザインとなりました。
3代目ハイエースは1982年に発表され、その翌年に発売が開始されます。ヘッドライトは、縦型4灯式という珍しい配置が特徴で、この3代目からH4ハロゲンバルブを採用したグレードが登場します。
なぜ、3代目からH4ハロゲンバルブが採用されたのかというと、アメリカのヘッドライト基準が1983年に改正され、シールドビーム以外にハロゲンバルブの採用が認められるようになりました。
これにより、ヘッドライトは一気に進化します。
ハロゲンバルブを装着できることで、丸形・角型など固定されたデザインから様々な形のデザインが可能となりました。ハイエースも1987年のマイナーチェンジ、そして、4代目ハイエースと異形ヘッドライトを装備して登場しました。
4代目となるH100系ハイエースは、1989年に登場しました。4代目は、頑丈なボディとエンジンが海外で評価され、今でも新興国中心に活躍しているハイエースです。
ヘッドライトは当初、H4ハロゲンバルブとシールドビームの二種類が用意されましたが、1993年8月のマイナーチェンジ以降、全グレードにH4ハロゲンバルブを採用することになります。
15年振りのフルモデルチェンジという事で大きな話題を集めた5代目H200系ハイエースが2004年8月に登場します。
ワゴン、バンを合わせると、非常に多くのグレード構成となっていますが、ヘッドライトは全グレードでH4ハロゲンバルブが採用されています。
2010年7月に2度目のマイナーチェンジを行い、初めて上級グレード向けにHID仕様車が登場します。HID仕様車では、ロービームにD4Rバーナー。ハイビームにはHB3ハロゲンバルブが装着されていました。
2012年の一部改良で、上級グレードのみのオプションとして設けられていた純正HIDは、全グレードに拡充させ、2013年までHID装着車両とH4ハロゲンバルブ装着車が混在するようになります。
翌年2015年12月には、HIDからLEDにオプション設定が変わり、ハイビームにはHB3ハロゲンバルブが設定されました。これにより、現行ハイエースは標準のH4ハロゲンヘッドライト、オプションでLEDを装備する2種類が混在しています。
内藤
島田
内藤
日本では、まだ販売されていませんが、ヘッドライトはどうなっているのでしょうか。
島田
そしてヘッドライトもLEDではなくH4ハロゲンだったよ。
内藤
フォグランプの変遷についてはこちらでまとめています。合わせてお読みください。
内藤
そういった場合、やっぱり汚れを落とすには磨くのが一番良いのでしょうか?
島田
しかも身近にある虫除けスプレーなんかも結構海外では使われている方法だよね。
内藤
島田
近年のクルマのヘッドライトは、ポリカーボネート製だから、紫外線の影響でどうしても劣化するんだよ。
だから、磨けばきれいになるということだね。何が効果的なのか解説するよ。
ヘッドライトの黄ばみなどの汚れは、昔のガラス製のヘッドライトには起きない現象でした。200系ハイエースにもポリカーボネート製のヘッドライトが採用されているので、長く使用していると、白く曇ったり黄ばんだりします。
これらの汚れは、基本的に磨いて落とす方法がコストパフォーマンスは高く、特に専用のヘッドライトクリナーであれば誰でも簡単に施工できるので安心です。
また、最近ではヘッドライトをサンドペーパーで磨いてから薬剤を専用のポットから熱で噴霧させて綺麗にする商品もあります。
内藤
島田
だから磨いたら素のポリカーボネートを守るコーティングをしなければ意味がないね。
汚れ落としは、ほとんどの場合専用クリーナーで落とせます。またひどい場合でも数度にわたり繰り返してして使用すればキレイになるでしょう。
しかし、ヘッドライトに細かいキズがついていて、そこから黄ばみが広がっていると、かなり深くまで磨き落とさなければキレイになりませんので、市販品ではかなり時間と労力が必要です。
そこで、キレイにするなら磨き専門店に相談する方法がありますが、これを機にヘッドライトを交換するのも一つの方法です。
ヘッドライトは、新品の場合ユニットとAssyで販売されており、その違いは、Assyは、すべての電球やハーネスなどが装着された状態でユニットより高額です。そこで、汚れがひどく交換するならユニットのみ交換します。
また、最近ではクリーニング済みの綺麗な中古品も販売されているので、中古ヘッドライトでも問題ないでしょう。このほかカスタムを考えているなら、ヘッドライトをカスタムした商品を選ぶ方法もあります。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
ヘッドライトを明るくしたいという思いは、今も昔も変わることなく、その年代ごとに明るいヘッドライトにカスタムされてきました。
初代、2代目に採用されていたシールドビームは特に暗く、明るくする方法としてランプの増設程度しかありませんでした。
ハロゲンバルブが販売され始めると、シールドビーム車対応の電球交換式ハロゲンヘッドランプユニットが発売され、ハロゲンバルブの明るさに魅了される人が多くいました。
その後、更に明るくなったハイワッテージハロゲンバルブを装着するユーザーが増えていきます。
1980年代中盤から競技車両専用として110W以上のハイワッテージハロゲンバルブが発売されました。
当時は、量販店も少なく、ましてはインターネットに接続する環境もないので、ガソリンスタンドや、マニアックなチューニングショップで手に入れるしか方法はありませんでした。
しかし、明るいバルブを求めてかなりの人がハイワッテージバルブを取付けるカスタムがクルマ好きの間で流行りはじめました。
ユーザーとしては明るいバルブは大歓迎ですが、当然車検対応ではなかったことと、当時は明るいヘッドライトが道路交通法違反で摘発されることも有りました。
また、取付けも難しく、専用リレーハーネスをヘッドライトの配線に取り付ける必要があり、
これを怠ると正常に点灯しないばかりか、純正配線が高いワット数に耐えきれなく、車両火災に発展する危険性がありました。
ハイエースも4代目が登場する頃になると、車検対応の高効率ハロゲンバルブが登場します。これにより、今までのように肩身が狭い思いをしながらハイワッテージバルブでカスタムする必要がなくなります。
高効率バルブは、明るさをUPさせるためにフィラメントの設計変更、ハロゲンガスの配合調整をし、純正品より明るさをアップさせています。
当時はH4高効率ハロゲンバルブで高いものでは2本セットで1万円前後する商品が多く、ユーザーを悩ませていたのも事実です。
1990年代後半になると、中国製の格安高効率バルブが販売されるようになります。ハイエースオーナーも取り付ける人がいましたが、思ったほど明るくならないことからハイエースオーナー達だけでなく、クルマ好き全ての人の不満が募るようになります。
内藤
島田
明るくするカスタムには不自由しなかった車種といえるよ。
2004年頃(4代目から5代目に切り替わるとき)には、HIDキットが多く販売されるようになります。当時の製品は精度も低く、国内メーカー製であっても不具合が出ることも有りました。
しかし、HIDキットでH4タイプが発売されると、多くのハイエースユーザーが関心を持ち、HID化にチャレンジするようになります。その後、技術の進歩で故障が少ない安定したHIDが普及します。
HID仕様車のハイエースユーザーは、ハイビームがHB3ハロゲンバルブであることから、ハイビームのHID化にチャレンジするようになります。
しかし、HIDの立ち上がりの悪さがネックとなり、結局はハイエースのハイビームは高効率ハロゲンバルブに落ち着く人も少なくありませんでした。
5代目ハイエースが登場してから暫くすると、LEDヘッドライトが高級車を主に採用され街を走るようになります。
それに合わせたようにアフターパーツもLED(ハロゲンバルブをLEDに交換するタイプ)が発売され始め、ハイビームにLEDバルブを取り付けるユーザーが出始めます。
当初は、暗いLEDバルブが目立ちましたが、時と共に改良されHIDに負けない明るさを手に入れるようになります。LEDバルブの登場で、ハイエースのヘッドライトカスタムはLED化が定番となっていきます。
また、最近では角型2灯式シールドビーム用のLEDヘッドライトユニットも発売されており、古いハイエースでもLED化がスムーズに行えます。
そして、ハイエースにも純正LED仕様車が登場すると、カスタムできないと頭の痛い問題が発生します。しかし、それをみごとに打ち消すかのように、純正LEDヘッドランプ用のカスタムヘッドライトユニットが登場します。
カスタムLEDヘッドライトの特徴は、シーケンシャルウィンカー内臓やポジションランプをLEDテープで立体的にするなど、ショップやカー用品メーカーがそれぞれ独自のカスタムをして販売しています。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
まあ、それなりにお金と時間、そして技術力はいるけどね。そんな中から、面白いカスタムを紹介するよ。
ハイエースのヘッドライトのカスタムで、商品も豊富に揃ってきたのがヘッドライトユニットを交換したカスタムです。
LEDの登場で、ライトカスタムの幅は飛躍的に広がりましたから、ヘッドライトバルブを交換してカスタムを楽しむだけでなく、ヘッドライト内に様々なアイディアを盛り込んでLEDで加飾したカスタムのヘッドライトに注目が集まっています。
ヘッドライトカスタムの定番といえばイカリングですが、ハイエースには様々な手法があります。
純正のヘッドライトに、イカリングを装着したヘッドライトでも、かなりイメージが変わります。
このハイエースのように、イカリングをダブルで装着してヘッドライトのデザインを純正と大きく変えていると、他車と大きく差が付けられるでしょう。
このほか、ヘッドライトのカスタムユニットを装着するなら、スタイリッシュな光の演出をした商品もあります。
インナーに、イルミネーションランプを配置すると、かなりフロントのイメージが変わります。また、デイライトとしての機能もあるので、見た目だけでなく実用性もあるカスタムといえるでしょう。
また、イルミネーションのデザインだけでなく色にも変化を加えたカスタムも多車とは大きく異なり、オンリーワンのカスタムができる手法といえます。
内藤
島田
ハイエースのヘッドライトは、3型でHIDが用意されましたが、それに伴いヘッドライトが上下2分割されているのが特徴でした。
そして、上下2分割のヘッドライトの人気が高く、特に1型や2型に純正2段HIDにカスタムする方法があります。
もちろん、3型でもHIDをオプション設定していないと2段化ヘッドライトではないので、その場合も純正HIDヘッドライトユニットを装着すれば、2段化が可能です。
ハイエースは、フェイスチェンジするカスタムが多くあるので、自分好みの型に変えることも可能なのが魅力でしょう。
ハイエースは、世代によってヘッドライトデザインが大きく異なるので、世代を超えてヘッドライトのカスタムする方がいます。
特に4型ではLEDヘッドライトがオプション設定されたので、4型のLEDヘッドライトを取り付けるカスタムがあります。
このハイエースは、3型から4型に顔をチェンジしたカスタムです。
配線などの問題もあるので、専門店で無ければ難しいカスタムといえますが、カスタムされたヘッドライトより、純正の違う顔へのカスタムはハイエースに限らず、昔から多くの車種で行われたカスタムです。
内藤
島田
ヘッドライトカスタムは、見せるカスタムとして認知度が高いですが、見せるカスタムはヘッドライトユニットを交換するだけではありません。
ヘッドライトにフィルムを貼って独自色を出す方も多く見られます。
ヘッドライトは、そのままでは紫外線や走行中のキズにより黄ばんだり白く曇ったりしますが、フィルムを貼ればそういった汚れからも守れて、しかも好きな色にヘッドライトレンズをカスタムできます。
ただし、光量が極端に落ちるようなフィルムや、ヘッドライトを点灯したときに明らかに白色からかけ離れた色になると車検に通らなくなるので注意しましょう。
さりげなくヘッドライトをスモークにするだけで、ハイエースの顔のイメージが変わります。好みの色に変えるのもそれほど費用は高くないので、カスタムを始めたい方にとっても難しくない方法でしょう。
ヘッドライトに少しインパクトを与えたい方には、アイラインフィルムがお勧めです。ヘッドライト全体の色味を変えないので、フィルムで光量が落ちるのを嫌う方にはお勧めです。
内藤
島田
内藤
ヘッドライトユニットを外さないとできないですが、脱着は簡単にできるのでしょうか。
島田
というのもヘッドライトを外さないとバルブ交換ができないから、脱着しやすくなっているんだよね。その辺を解説するよ。
200系ハイエースのヘッドライトの外し方は、どの世代でも基本は同じです。
交換手順を簡単に説明すると、ボンネットフードを開けてからラジエーターグリルを外してヘッドライトユニットを外すだけです。
ボンネットフードを開けたら、ラジエーターグリル上部の両端にとまっている10mmのボルトを外します。
次に、クリップが外したボルトのすぐ隣に1個ずつと、ボンネットフードのキャッチの両脇に1個ずつの計4個とまっているので、それをすべて外します。
外し方は、細い小さいマイナスドライバーでクリップの丸い部分を浮かせます。するとクリップのロックが外れてフリーになるので、グリルからクリップを外せます。
グリルの止まっているボルト2本とクリップ4本外せれば、あとは嵌っているだけなので、手前にグリルを引き抜きます。この時に、グリルの裏側から叩くと外れやすくなります。
また、トヨタセーフティーセンス装着車は、レーダーがグリルに装着されているので、レーダーのコネクターを外します。
コネクターは、グリルの助手席側にあるのでグリルを浮かせて外します。この時にバンパーやヘッドライトにキズが付く恐れがあるので、事前に保護テープをはって養生しておくと安全です。
ヘッドライトをとめているボルト2本を外します。ボルトはヘッドライト上部と内側に1本ずつとまっています。ボルトを外せばはまっているだけなので、手前に引き抜きます。
この時に、クリアランスランプ付近が硬くはまっているので、後方から手のひらでクルマの前方に向かい叩くようにすると外しやすいです。
クリアランスランプのコネクター位置は、ハロゲンヘッドライト装着車は、ユニットの下側、HIDやLED装着車はハイビームのバルブ斜め上に装着しています。
ヘッドライトが外れたら、各バルブにとまっているコネクターを外せば、クルマからヘッドライトを外せます。
内藤
島田
コツさえつかめば、簡単に外せるよ。ただはまっている部分は、長期間外していないとかなり硬いからね。
力を入れる方向は、外す方向に入れるようにするのがポイントだよ。
あと、樹脂で止まっているグリル部分は、寒いと割れやすいから外気温が10度以下ならドライヤ―で外す部分を温めると壊れないし、外しやすい。
ハイエースのヘッドライトは、シールドビームに始まり、現在は最新のLEDが用意されています。その時代ごとに、カスタムを楽しんできたのもハイエースの特徴ではないでしょうか。
技術が進み、現代のヘッドライトもコンピューター制御される時代となったことから、簡単にカスタムできないのも事実です。しかし、クルマ好きがいる以上カスタムもなくなることはありません。
この先進化してもカスタムパーツもそれに合わせて進化していくことでしょう。