ヘッドライトの明るさについての保安基準をわかりやすく解説

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。

 ※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。

クルマは、公道を安全に走行するために保安基準が定められ、基準以下の状態で公道を走行することは認められていません。

もちろん、ヘッドライトに関する法規もあります。

車に限らず法規というのは回りくどい言い回しになっていることが多く、読んでも理解できない人も多いでしょう。

そこで今回は、ヘッドライトの保安基準198条2項に記載されている「明るさ」と「取り付け」について解説します。

ライト交換に影響してくる「ヘッドライトの198条第2項」とは


内藤

最近、対向車のライトの光に目がくらんで危険な思いをしました。

明るさについて気になり保安基準を見てみましたが、非常に難しい言い回しで理解ができなかったです。島田さんは保安基準を理解していますか?

島田

当たり前だよ。日本人だからね、日本語ぐらいわかるよ。

内藤

そうじゃなくて(泣)

日本語だけど言い回しが難しいと感じないのでしょうか。僕なんて、それを読んでも何を伝えたいのか全く理解できないんですよ。

島田

まあ、法律は難しいよね。よく似たものに契約書の約款があるけど、言い回しを難しく堅苦しくしているよね。

それで内藤君はなんの法規を知りたいんだい?

内藤

198条2項に書いてある明るさと取り付けに関する法律です。

島田

なるほどね、198条2項は、保安基準第32条前照灯等の中の細目告知2節だね。じゃあ、その内容を紹介してわかりやすく解説するよ。

保安基準に記載されている内容

保安基準32条には前照灯などについて細かく法規が記載されています。その法規を細かく分けた中に198条があり、そこには走行用前照灯の灯火の色と明るさについて記載されています。

198条2項は、一から六まで細かく法規が記載され、六においてはイとロいうようにさらに細かく以下のように記載されています。

2「走行用前照灯の灯光の色、明るさ等に関し保安基準第 32 条第2項の告示で定める基
準は、次の各号に掲げる基準とする。

一 走行用前照灯(最高速度 20km/h 未満の自動車に備える走行用前照灯を除く。)は、そのすべてを照射したときには、夜間にその前方 100m(除雪、土木作業その他特別な用途に使用される自動車で地方運輸局長の指定するもの、最高速度 35km/h 未満の大型特殊自動車及び農耕作業用小型特殊自動車にあっては、50m)の距離にある交通上の障害物を確認できる性能を有するものであること。

二 最高速度 20km/h 未満の自動車に備える走行用前照灯は、安全な運行を確保できる適当な光度を有すること。

三 走行用前照灯の灯光の色は、白色であること。

四 走行用前照灯は、灯器が損傷し又はレンズ面が著しく汚損していないこと。

五 走行用前照灯は、レンズ取付部に緩み、がた等がないこと。

六 次に掲げる走行用前照灯であってその機能を損なう損傷等のないものにかぎり、曲線道路用配光可変型走行用前照灯として使用してもよい。

イ 指定自動車等に備えられたものと同一の構造を有し、かつ、同一の位置に備えられた曲線道路用配光可変型走行用前照灯

ロ 法第 75 条の2第1項の規定に基づき装置の指定を受けた曲線道路用配光可変型走行用前照灯又はこれに準ずる性能を有する曲線道路用配光可変型走行用前照灯」


道路運送車両法

これを見ただけでは、難しい言い回しで読んでいて理解できない人も多いでしょうし、読むことを諦めてしまいそうです。

しかし、クルマの前照灯、つまりヘッドライトについて重要な法規が記載されています。

一から六まで分けられていますが、これを順番にわかりやすく簡単に説明すると以下のようになります。また、ここでは特殊車両については省略させていただきます。

「解説」

一は、ヘッドライトのハイビームを点灯させたときに、100m先にある道路上障害物を発見できる性能でなければならないとしています。 
 
二は、最高速度20km/h未満のクルマは前方を確認できる明るさを備えてればよいとしています。 
 
三は、ヘッドライトの色は白色に決められていると記載されています。 
 
四は、ヘッドライトが壊れていたり、汚れが激しい状態で使用してはいけないとしています。 
 
五は、ヘッドライトの取り付けは、緩みやガタが無いようにしっかり取り付けるようにしなければならないとしています。 
 
六は、ヘッドライトとしての機能を損なわなければ、ヘッドライトの照射方向が変わる装置を取り付けても良いとしてます。現在一部の高級車には、ハンドルを切るとその方向にライトの照射範囲が動く装置が付いています。 
 
イは、可変型ヘッドライト、つまりアダプティブ・ドライビング・ビームを取り付ける場合、普通のヘッドライトと同じ構造で、同じ位置であれば問題ないとしています。この構造とはヘッドライトの光の出し方であり、同じようにハイビームとロービームが切り替えられ、白色のランプ色をしていることです。 
 
ロは、クルマの型式指定についてのことです。つまりアダプティブ・ドライビング・ビームを搭載する場合は、国土交通大臣の指定を受けなさいということです。この型式指定についてが、法75条2の第1項に記載されています。 
 

このように、保安基準をわかりやすくすると、非常に当たり前のことが書かれていることがわかります。要は、ヘッドライトは白色でハイビームにしたときに100m先まで照らすことが出来ること。

そして、最新のアダプティブ・ドライビング・ヘッドライトも今までのヘッドライトと同じように取り付けられて同じように光ることが保安基準で定められています。

内藤

凄いですね先輩!難しい言い回しがわかりやすくなりました。

島田

難しく書いてあるけど当たり前のことが書いてあるだけだよ。

結局どんなヘッドライトならOKなのか?

内藤

法規はわかりましたが、これだけではどんな明るさかわからないように思うのですが。

島田

そんなことないよ。ハイビームで100m先を照らせなければ保安基準に適合しないからね。だからそこまでの光量が必要ということだよ。

内藤

それじゃあ、明るければどんなハイビームでも問題ないという事でしょうか。

島田

そういうわけでもないよね。保安基準にあるように取り付けでガタがあってはならないし、白色でなければだめだからね。それじゃあ、ヘッドライトを選ぶ注意などを解説するよ。

どこで買えば保安基準に安心なのか

保安基準に記載されている内容を順守したヘッドライトは、当然純正ヘッドライトです。しかし、社外品のヘッドライトバルブが多く販売されており、車検対応と記載されている商品がほとんどです。

この車検対応ですが、車検対応品ということは保安基準に適応していることを意味します。

しかし、ご存じの通りヘッドライトバルブは車種専用品ではなく同じ規格のバルブなら様々な車種に採用されています。

ここで問題なのは、車検対応品のヘッドライトバルブであっても、全ての車種で車検対応ではありません。

どういうことかというと、ヘッドライトは車種ごとに形が異なり、レンズもリフレクターやプロジェクタータイプがあるなどバルブとの相性もあります。

そこで、大手パーツメーカーなどでは車種専用バルブを販売し、保安基準に適合する商品を販売しています。もちろん、汎用品では取付けが難しいため専用品にすることもあります。

バルブ選びで気をつけていただきたいのは、車種専用品が販売されているにもかかわらず、汎用品を取り付けると保安基準に適合しない恐れがあるため注意しましょう。

内藤

車種専用品ですか。

島田

まあ、汎用品で取り付けできるならそれでほとんど問題ないけどね。

ただ、車検対応品でなければ、保安基準に適合しないと思ったほうがいいよ。

規格外は街頭で警察から指導されることも

たとえば、今流行りの「爆光」と呼ばれるヘッドライトバルブを取り付けたらどうなるでしょう。(車検対応ではない商品)

間違いなく周りから迷惑がられ、夜間走行中に警察官に呼び止められたら整備不良でキップを切られる可能性があります。

また、街灯指導と呼ばれる取締が行われるので、そのような場所で改善命令が出されます。

内藤

明るすぎるヘッドライトや色が法規に抵触しないようにヘッドライトバルブを選ばないとダメですね。

島田

凄く明るいヘッドライトバルブや珍しい色だからと、安易に手を出すと取り付けても無駄になるから注意しないとだめだよ。

まとめ

保安基準198条第2項に記載されている内容は、ハイビームのヘッドライトの基準について記載されています。

その内容は、通常の使い方であれば何も問題が起きる事ではありません。ただ、ひどく汚れていると、保安基準に不適合になることを忘れてはいけません。

そして、事故などでヘッドライトが壊れていても保安基準不適合になりますから、明るさや色だけでなく、取り付けやヘッドライトの状態にも注意が必要です。

   
TOP