こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
ヘッドライトレンズは、紫外線で黄ばみや白濁といった劣化が起きますが、それについて以下の質問をされている方がいらっしゃいました。
新車のヘッドライトには紫外線対策のコーティングはしてありますか?
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
ヘッドライトにポリカボネートが採用され始めたのは1980年代に入ってからです。
その後1990年代に入ると、一気に普及が進み、ほぼすべての市販車はポリカボネート製のヘッドライトに置き換わって行きました。
ポリカボネートは、耐衝撃性、軽さ、デザインの自由度の高さが採用される主な理由ですが、弱点として黄色く変色する、白濁することです。
そこで、自動車メーカーは、出荷前にハードコートと呼ばれる塗装をして紫外線対策をしています。
しかし、このハードコートは紫外線により劣化して黄色く変色したりクラックが発生します。
さらに劣化が進み、ハードコートが剥がれると、ポリカボネート樹脂の劣化が始まります。
つまり、黄色く変色したヘッドライトの多くは、ハードコートが変色しているだけの場合が殆どでしょう。
このハードコート層は、かなり耐久性がありポリカボネートを環境劣化から守っていますが、走行中の飛び石や洗車の繰り返しでハードコート層に傷がつくと、そこから剥がれることもあります。
そうすると、ポリカボネート樹脂が黄ばみなどの変色を起こしてしまいます。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
それが難しい。黄ばみ取りはそう簡単じゃないから。その辺を次で解説するよ。
ヘッドライトの黄ばみが発生した場合、表面を研磨することが知られています。
たしかに市販のヘッドライト磨きを使用すれば、見た目非常にキレイな透明感を取り戻せるので、キレイになったように感じます。
しかし、きれいに磨いてもすぐに黄ばみが発生してしまう車も多いのではないでしょうか。
その理由は、劣化したハードコートが完全に取り切れていないことが原因です。
劣化したハードコートも、磨き剤を使用するとクリアな状態になるので、すべて劣化部分を取り除いたように感じてしまいます。
しかし、劣化したハードコートが多少でも残っていると、そこから黄ばみが再発します。
ただし、透明感が出るように研磨してコーティングするとある程度の期間黄ばみは抑えられます。
そこで、完全に黄ばみを抑えるには、劣化した部分を全てはぎ取る必要がありますが、それにはかなりの時間がかかることが殆どです。
通常、ハードコートを全てはぎ取るには、粗目のコンパウンドで表面が白くなるほど磨く必要があります。
その後、コンパウンドの粒子を細かくしながら磨きキズを取って透明感を出します。
この作業は、かなり根気がいる作業なほか、ハードコートが完全に取り除けたかどうかを見極めるには、熟練した技術も必要です。
ただし、ハードコートが傷んでくると、まるで塗装が剥げているような状態になっています。
その状態を目にしたことがあるなら、研磨をどこまですればハードコートを取り除けるかわかるかもしれません。
ハードコートを取り除いたあと、クリアになるまでレンズ磨きができたなら、今度はポリカボネートを守るために再度コーティングします。
内藤
軽トラマニア小泉
また、すべて取り除いたらコーティングしないと、ポリカボネート樹脂が劣化してしまうからね。
内藤
軽トラマニア小泉
だから無理だと思ったら、専門店に相談したほうがいいかもね。