愛車を汚れや傷から守りたいときは、コーティングするのがおすすめです。しかし、コーティングと一言に言っても、光沢ポリマー(ポリマーコーティング)やガラスコーティングなど多様な種類があります。
当記事では、光沢ポリマーとは何か、ポリマーコーティングにはどのようなメリット・デメリットがあるのかを紹介します。併せてガラスコーティングの特徴やメリット・デメリット、それぞれの違いについても解説するので、コーティング方法で迷っている方はぜひ参考にしてください。
目次
車をコーティングすると、ボディにツヤや光沢が生まれ、きれいな外観を長く保てるようになります。カーコーティングにはいくつかの種類があり、中でも安価で手軽にできるのが光沢ポリマーです。
光沢ポリマーは、フッ素やシリコンを含む「ポリマー」を車の塗装の上から塗布することで被膜を形成してツヤをだすもので、ポリマーコーティングとも呼ばれます。ほかに、フッ素コーティングや樹脂コーティングと呼ぶケースも少なくありません。
カーワックスよりも被膜が強く長持ちで、塗装面に小傷があってもコーティングによって目立たなくなります。ツヤはワックスやガラスコーティングのような強い光沢ではなく、柔らかく上品な印象です。
上品な光沢や小傷を目立たなくする点以外では、ポリマーコーティングの大きなメリットとして、比較的安く施工できる点が挙げられます。コーティング専門店にお願いしても、数千円~数万円でできるケースがほとんどです。
ガソリンスタンドやカー用品店で施工を請け負っているところも多く、予算や立地などを踏まえて自分にあった店舗を選びやすい点もメリットと言えるでしょう。多少の知識は必要ですが、カー用品店で販売されているコーティング剤を購入すれば、自分でも施工できます。
カーワックスより持続期間が長い点も、ポリマーコーティングのメリットです。カーワックスは長くて数週間程度しか持ちませんが、ポリマーコーティングなら3~6か月ほど効果が持続します。カーワックスのように雨の中を運転したら流れ落ちるといった心配もありません。
デメリットとしては、ガラスコーティングと比べると持続期間が短い点が挙げられます。3~6か月経ったら効果が落ちるので、再施工が必要です。
また、被膜が柔らかいため、小傷を目立たなくできても傷を防ぐ効果はあまり高くありません。熱に弱いため、夏の炎天下に放置しているとコーティングの劣化が進みやすい点もデメリットと言えます。ポリマーコーティングを施した車は、なるべく屋内駐車することが望ましいでしょう。
コーティングが劣化した部分を放置しているとこびりついてしまう場合があり、その際は洗車して取り除く必要があります。洗車時は傷がつくのを避けるために、洗車機は避けて手洗いしたほうが安心です。
ガラスコーティングは、ポリマーコーティングの後に生まれた技術です。ガラス成分を含んだコーティング剤を塗布することで強い被膜を形成し、より耐久性が高く性能も優れたコーティング方法として人気が出ました。主成分はポリシラザンなどのガラス成分で、車に塗布すると強い光沢・ツヤを与えます。
なお、ガラスコーティングのほかに「ガラス系コーティング」がありますが、両者は同じではありません。ガラス系コーティングは樹脂成分の中にガラス成分を混ぜたもので、いわばガラスコーティングとポリマーコーティングの中間的存在です。
ポリマーコーティングよりは耐久性がありますが、ガラスコーティングほど性能は高くないので、間違えないようにしましょう。
ガラスコーティングの大きなメリットは、長持ちする点です。平均すれば3~5年ほど持ち、使用状況によっては10年ほど持つケースもあります。
ガラス独特のキラキラした光沢・ツヤが特徴で、シミや汚れがついた車でもガラスコーティングすれば新車かと思うような輝きを発揮します。
撥水性が高く、水で洗うと表面に付着したほこりや汚れが簡単に洗い流せる点もメリットです。洗車が楽になり、作業にかかる時間も短くなるでしょう。汚れがつきにくくなるので、一度施工すればメンテナンスの手間が大幅に省けます。
車を売却する際に、査定額が高くなる可能性がある点も見逃せません。売却時の査定は、走行距離やメンテナンス記録のほか、車のきれいさも重要です。ガラスコーティングした車は硬い被膜によって塗装の劣化や色褪せを防止し、傷もつきにくくなります。美しい外観が保てるため、査定の際にプラスに働きます。
ガラスコーティングのデメリットは、施工に費用と時間がかかる点です。ポリマーコーティングのように市販のコーティング剤を買って、自分で施工することは基本的にできません。美しくコーティングするためには、技術や知識だけでなく整備された施工環境も必要なためです。
車種や店舗にもよりますが、専門店に依頼すると料金が10万円を超える場合もあります。ただし、一度施工すれば数年は持つので、長いスパンで考えればコスパは低くないでしょう。
また、ガラスコーティングの施工には丁寧な下地処理の作業が必要なため、時間がかかります。通常、施工には数日かかり、終わるまでは車に乗れません。代車を用意している業者もあるので、通勤や買い物で車が必要な方は依頼する前に確かめるとよいでしょう。
光沢ポリマーとガラスコーティングには、使用するコーティング剤の成分や効果、施工時間などさまざまな点で違いがあります。以下は、主な違いをまとめた表です。
項目 | 光沢ポリマー | ガラスコーティング |
主成分 | フッ素やシリコンなどのポリマー | ポリシラザンなどのガラス成分 |
持続期間 | 3~6か月ほど |
3~5年ほど 10年持つケースもある |
費用 | 数千~数万円 | 数万~10万円 |
DIY可能か | 市販のコーティング剤を購入してできる | 施工技術と整った環境が必要なため難しい |
光沢感 | 落ち着いたツヤ | 強いツヤ |
その他 | すでについている傷を目立たなくする | 耐熱性や耐紫外線に優れ、塗装の劣化を防ぐ |
ポリマーコーティングとガラスコーティングの大きな違いは、費用と効果の2点です。求めるコーティング効果を考え、費用とのバランスを考えて選ぶとよいでしょう。
ポリマーコーティングが向いているのは、以下のような方です。
ポリマーコーティングは安価でできるので、コーティング初心者でも手軽に試せます。車にあまりコストをかけたくない方にもおすすめです。また、自分で施工できるので、車いじりが好きな方にも向いているでしょう。
一方、あまりメンテナンスの手間をかけたくない方は、ガラスコーティングのほうが向いています。ガラスコーティングは数年単位で持つので、こまめに再施工する必要はありません。コーティング施工後は、撥水効果でボディに付着した汚れが落ちやすくなるため洗車が楽になります。
光沢ポリマーとは、フッ素やシリコンが含まれた「ポリマー」を使用するコーティング方法の1種で、ポリマーコーティングと呼ばれるケースも少なくありません。市販のコーティング剤を購入して自分でDIYでき、安価にコーティングを済ませられるのが魅力の1つです。
ポリマーコーティングは落ち着いた光沢感のある仕上がりになる一方で、ガラスコーティングはより強い光沢感をもたらします。また、光沢ポリマーよりも効果の持続時間が長いことが特徴です。その分コストもかかる傾向にあるため、求める効果や価格を確認して、どちらのコーティングを実施するか決めるとよいでしょう。