こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
ハイビーム用として採用されている「HB3」ハロゲンバルブですが、「HB4」ハロゲンバルブとの互換性やLEDバルブへ交換する際の角度調整が必要なクルマの特徴等をみていきましょう。
また、明るいLEDと暗いLEDの違いなんかも解説していきます。
目次
内藤
島田
「HB3」のバルブについて説明していきます。バルブ定格出力は、「12V 65W(60W)」のシングルフィラメントのバルブです。定格出力表記が、65W(60W)表記になっているのは、UN規則※の表示の12V 60Wに準じているためです。表記の違いであり、どちらも同じものとなり、特異性等はありません。
これは、以前は、試験電圧が「12.8V」であったのに対して、UN規則の試験電圧が「12V」であるためにW数表示が異なっているものです。
※1958年国連欧州経済委員会が制定した自動車の構造及び装置に関する規則
使用用途としては、4灯式ヘッドランプのハイビーム用として使用されています。「HB3」をハイビームに使用時のロービームは、HIDが搭載されている場合と、ハロゲンバルブ「H11」もしくは「HB4」の場合があります。
搭載車種は国内ではメーカー問わず、近年の4灯式ヘッドランプ車両を中心に幅広く多くの車種に採用されています。
パッと見の見た目は非常に似ていますが、タイプが分かれていますので、しっかりと違いがあります。異なる点をみていきましょう。大きく分けて4点違いがあります。
・HB4 12V 55W(51W)※51W表記のモノもありますが、同じモノとなります。
(HB3 12V 65W(60W))
・HB4は、主にロービーム用/フォグランプ用
(HB3は、ハイビーム用)
・HB4のバルブ先端にシェード有り(灰色の帽子のようなもの)
(HB3のバルブ先端にシェード無し) ※配光特性が異なります
・HB4は2本
(HB3は1本)
上記のことからハロゲンバルブにおいて、HB3とHB4の互換性は基本的にありません。ここで、「あれ!?」と思った方がいらっしゃるはずです。
たとえば、一部メーカーのハロゲンバルブではHB3とHB4を共用で売っているのでは?と思われた方がいらっしゃるかと思います。解説していきます。
一部メーカーの場合、「HB」という表記で販売されており、コネクター内側部のツメが無く、共用になっています。色付きのOリングを適宜付け替えることで判別できるようになっており、互換性を持たされているようです。
これは後述しますが、ハロゲン互換用LEDバルブ製品でも同様の方法で互換性を持たせています。
内藤
島田
さて、本題であるハイビーム用のHB3を明るくするための方法として、LED化が一つの選択肢になるのだけれど、ハイビームをLED化することのメリットをハロゲンやHIDの特徴を交えながら解説していくね。
軽自動車を除いて、近年発売された車両の多くは、4灯式のヘッドランプが多いのが特徴です。先述の通り、ロービームはHIDやハロゲン「H11」という場合が多いの組み合わせが多く、その車両にはほとんど「HB3」が使用されています。
そして、そのハイビームを明るくするために、ハイパーハロゲンやHID互換キットへの交換よりもLED化がメリットが大きいです。
パッシング時のキレがハロゲンやHIDとは比にならないくらい早い。パッパッと発光するので、非常にメリハリのあるパッシングが可能となります。
一方、HIDはというとパッシング時にもっさりとした発光をするので、LEDと比較しても若干のタイムラグが発生しますので、パッシング時には特にLED化がオススメです。
都市部では使用頻度が少ないハイビームですが、地方によっては、ロービームと同じくらい使用すべき状況が発生する場合もあり、寿命を考慮してもハロゲンやHIDと比較しても交換頻度は減ります。
HB3のLED製品の多くは、「HB3/HB4」と共用タイプのものとなります。これは当社製品に限ったことではありません。HB3としてではなく、HB4として使用する場合、防水のOリングを用いることで可能としています。
HB4の場合の多くは、フォグランプ用として使用想定しています。
HB3/HB4用の主な使用想定としては、ハイビーム用です。ハイビームはヘッドランプがリフレクタータイプとなっており、車種によってバルブの向きがバラバラに取り付けられています。(車種によってヘッドランプ裏の作りが車種によって異なるため)
また、リフレクターのスジに対してLEDの光源がズレる可能性があります。それらの問題のために、LED取付時に配光調整を車種に応じて行う必要があります。
もちろん、全部が全部配光調整を行う必要があるとは限りませんが、ハイビーム側がリフレクタータイプであれば基本的に配光調整を行うのがベターです。
そのため、HB3/HB4のLED製品には調整機構を入れています。(多くの場合、調整用のトルクスネジ等で調整できるようになっています)
余談ですが、HB3のバルブを交換時にヘッドランプから取り出す際、右回りに回す場合と左回りに回す場合があります。(本当に車種によってマチマチであり、ヘッドランプ裏記載の回す向きに従う他ありません。)
その他細かな車種毎の情報は、各メーカーの車種別適合表を確認し、可能な限り現車確認して適合可否、配光調整有無を確認することが望ましいです。
一方、ロービームはというと多くが「H11」を採用されており、H11の多くがプロジェクタータイプが主流となっていて、プロジェクタータイプの場合は配光が固定されているので、取付時の配光調整は不要です。(調整機構無し)
内藤
島田
現在の車検制度では、すれ違い灯、すなわちロービームでの検査がおこなわれるようになっています。そのため、以前のように上下左右のズレだけでなく、カットオフラインが重要となっています。
純正の光軸と同じように光軸を出すには、最初に純正のヘッドライトがどこを照らしているのかマーキングをすることから始めます。ヘッドライトレベライザーが付いているときには、必ず0に合わせてから行います。
そして、壁から約3m程度離れてロービームを照射します。そして、そこに出来たかっとオフラインにマスキングテープなどでマーキングします。その後、クルマを動かさないようにしてヘッドライトをLEDに交換して壁に向かい照射します。照射する前に、バルブの向きは調整完了しておくようにします。
そして、マスキングテープの位置と同じ位置になるように、光軸調整を行います。
内藤
島田
一番明るく照らしている部分にマスキングテープでマーキングすればできるからね。ただ、暗い中での作業になるから、明るいうちに一度交換する手順を確認しておいたほうがいいよ。
内藤
その場合、ハイビームのHB3だけLEDに交換することは可能なのでしょうか。
島田
内藤
島田
LEDバルブは、ハロゲンバルブに比べて、全長が長くなる傾向になります。それは、LED本体を冷却するためのヒートシンクや冷却ファンを取り付けたり、LEDを駆動するドライバーユニットがLEDチップの後ろに大きく取り付けられるからです。
HIDをロービームに採用したヘッドライトの灯体は、ライトのバルブを外す場所に通常、のゴムカバーではなく、プラスチックの樹脂が装着されています。そのため、LEDバルブに交換すると、樹脂のカバーにLEDバルブのお尻の部分が干渉して取り付けられないといった事態が起きます。つまり、LEDバルブを灯体に装着しても裏蓋カバーが閉まらないという事です。
そこで、日本ライティングの製品は、LEDバルブのお尻の部分をコンパクトに設計するため、ドライバーユニットを別体としたことで、裏蓋になるべく干渉しない設計にしています。(ただ一部車種では干渉する場合もございます)
このほか、ハイエースにはハイビームにHB3をハイビームに使用しているタイプがありますが、このHB3をLEDに交換する時に運転席側はブレーキブースターに干渉して通常のLEDバルブでは装着できません。
そこで、日本ライティングでは、干渉しないように冷却ファンの形状を特殊な形にしています。このように、HB3を使用しているヘッドライトは、汎用品として売られているHB3のLEDバルブでは、装着できない場合があるので注意が必要です。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
車検とは、クルマが公道を走るうえで、保安基準に適合しているか検査することですが、現在のヘッドライトの検査は、ロービームで行っています。しかしこれは、ロービームの光が検査基準を満たしているか検査することであって、ハイビームを全くチェックしないわけではありません。
というのも、平成27年(2015年)9月1日からは、平成10年(1998年)9月1日以降に製造されたクルマは、ロービームより検査ですが、それ以前のクルマはハイビームでの検査になります。
そして、現在もロービーム用検査機器が導入されていない検査場ではハイビームでの検査が行われています。このほか、LEDヘッドライトで正確に測定できない場合があり、その時にはハイビームで想定が行われています。
このように、ハイビームも測定を行われていないわけではありません。しかし、車検ではライトの測定のほかに、検査官が目視による検査も行います。そこで、HB3のLEDを装着しして、明らかに違う方向を照らしていたり、白色でなかったりなど、保安基準から逸脱していると検査官が判断すると車検は通らないでしょう。
内藤
島田
そして、ハイビームは測定しないだろうと、海外製の安いLEDを装着するとは配光が良くないから、検査官が眩しいと感じて車検に落ちる可能性もあるよ。
・HB3とHB4の互換性は無いが、Oリングを用いることで、互換性を持たせることは可能
・HB3のハイビームのLED化はメリットあり。キレのあるパッシングが可能,ハロゲン、HIDと比較にならないほどの長寿命
・リフレクタータイプのハイビームは配光調整要(調整機構あり)要車両状況及び、適合確認