こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
旧車のヘッドライトは、現代のクルマに比べると想像しがたいほど暗く、特に雨が降るとライトが切れているのかと錯覚するほどです。
そこで今回は初代セリカを例にとり、ヘッドライトを明るくする方法をご紹介します。
目次
内藤
でも私自身知識がないのでどうすればよいかわからなくて。
お客さんは、LEDにしたいというのですが、昔のクルマに最新のライトなんて装着できるのでしょうか。
島田
内藤
島田
その後、3ドアハッチバックのセリカLBが登場したんだ。子供の頃の憧れのクルマだったぞ。
内藤
島田
今でも覚えているけど、その当時、ミツビシからギャランGTOというスポーツモデルが出ていたんだ。
セリカにするかギャランGTOにするか当時の人は悩んだようだよ。
ちなみに俺の親父もセリカにするかギャランGTOにするか悩んだ挙句、結局ギャランGTOのほうが値引きが大きかったから、ギャランGTOを買ったと言ってたな。しかし、セリカLBかぁ懐かしい。
内藤
島田
最近のクルマのヘッドライトに慣れると提灯のようだから明るくしたい気持ちもよくわかるよ。その辺を少し解説しよう。
初代セリカは、丸目4灯ヘッドライトを備え、左右外側がLoビーム、内側がHiビームとなっています。
ヘッドライトはシールドビームを採用しており、ライトが切れた場合は、シールドビームごと交換する必要があり、効率が良いとは言えませんでした。
しかし、現在ではシールドビームの流通がほとんどなく、電球交換式ランプユニットに換装されることがほとんどとなっています。
シールドビームは、ハロゲンライトより暗いので、一般ユーザーはハロゲンバルブが装着できる電球交換式ヘッドライトを装着するのが主流です。しかし、電球交換式ヘッドライトは、レンズがシールドビームのように球面ではないので、形にこだわる旧車乗りはシールドビームを探して取り付けている人もいます。
内藤
島田
内藤
島田
旧車に使われてきたシールドビームには丸形と角型がありますが、丸目4灯式の場合はライトコントロールリレーが純正でついていないことがあります。
その場合、電球交換式ヘッドライトに交換してハロゲンバルブを装着すると、消費電力の増加によりライトシステムの焼失の危険があります。
電球交換式ヘッドライトを販売している小糸製作所では、リレーハーネスキットを販売しているので、別途購入して取り付けるようにします。
ライトコントロールリレーは、ヘッドライトを安定的に点灯させることと、LoビームとHiビームの切り替えに使用しています。
内藤
島田
内藤
島田
古いクルマのパーツを外す時には、思いもよらぬトラブルに見舞われることがあります。特に多いのがビスやボルトといったネジ類のサビです。
現役の時でも使用環境が悪ければ、ヘッドライトの取り付けネジはサビることが多く、取り外しには苦労することが多くありました。
また、シールドビームは車両に固定するためのリングが装着されており、通常はヘッドライトを抑えて回すと外れますが、この動作がサビによりできないことがあります。
固着が激しく動かない場合は、潤滑スプレーを多めに塗布して時間を置いてから外す方法もありますが、ひどい場合はリングにロックするネジをドリルでもんで外す方法を取るしかないでしょう。
当然、ドリルの太さはネジの太さに合わせて使用するようにし、ねじを取り除いたらタップを立ててネジ山を再生しておきます。
旧車を分解する場合、とくに気にすることが部品が手に入るかどうかでしょう。
ネジやボルトといった汎用性の高い部品は手に入りやすいですが、それ以外のそのクルマにしか使用されないような部品は、廃盤となっているケースが多くあります。
セリカLBの場合、ヘッドライトのシールドビームは規格品なので、電球交換式ヘッドライトは手に入れられますが、ヘッドライトを固定するリングや、ヘッドライトマウントはセリカLB専用品となるので、取り外す時に無理をして破損させると手に入れることが難しくなります。
そのため、専用パーツを取り外す場合は、慎重な作業をする必要があります。
内藤
島田
内藤
島田
それはシールドビームが切れたら簡単に交換できるようにしてあるからね。それじゃあ、どうやって外せばよいか順を追って説明しよう。
セリカLBのシールドビームにアクセスするには、最初にヘッドライトベゼル(枠)を外します。ベゼルは、プラスのネジ3個で止まっているので、ドライバーでネジを外します。
ネジが外れない時には、ネジの頭をドリルでもんで外します。ただし、ベゼルは樹脂製なので、ドリルを使用する時にはベゼルにキズを点けないように注意する必要があります。
ベゼルが外れたらシールドビームを外しますが、この時に、シールドビームとヘッドライトベースを固定しているリングに止まっているネジ3カ所を緩めます。少し緩めれば、反時計回りにシールドビームを回すと外れます。
あとは後ろのカプラーを外せば、クルマからシールドビームの分離が完了です。
内藤
島田
内藤
島田
ただ、取り付けのマウントが違うから、その辺を解説するよ。
旧車に使われているシールドビームは、汎用品なのでシールドビーム自体の作りはメーカー問わず同じです。ただし、ヘッドライトボディに取り付けるときに使用するヘッドライトリングは、車種ごとに違います。
そして、4灯式の場合は、LoビームとHiビーム用の電球交換式エッドランプユニットがあるので、間違わないように取り付ける必要があります。
クルマに電球交換式ヘッドライトユニットを取り付けるには、シールドビームに取り付けてあるリングを新しい電球交換式ヘッドライトユニットに装着します。
電球交換式ヘッドライトユニットは、ハロゲンバルブを使用する製品です。ただし、今までのシールドビームからハロゲンバルブに交換すると、消費電力が上がるので、リレーハーネスを使用することをお勧めします。
また、消費電力が少ないLEDバルブを装着する場合も、経年劣化した純正配線を使用するより、リレーハーネスで安定した電力を供給させたほうが安心です。
セリカLBの4灯式ヘッドライトを電球交換式ヘッドライトにすると、外側のLoビームがH4、内側のHiビームはH1を装着します。
H4を使用するLoビームはそのまま使用できますが、H1のHiビームは、カプラーの極性を確認して取り付けなければ、点灯不良を起こすので注意してください。
当然、ハロゲンバルブの電球交換タイプなので、ハイワッテージバルブのほか、HIDやLEDの装着も可能となります。
ただし、ヘッドランプ裏のスペースが確保できないこともあるので、LEDバルブを装着する場合は、お尻のヒートシンクや冷却ファンが車両側に干渉しないように車体の加工が必要となる恐れがあります。
ボディ側のヘッドランプが止まるヘッドランプコアサポートの裏側は、古いクルマなので非常に余裕があります。そのため、LEDバルブの冷却ファンがコアサポートに干渉したとしても、コアサポートの穴の周りを広げる加工に問題はありません。
また、LEDに交換することで、消費電力が少なくなることからHiビームにしたときのインジケーターが不点灯となる場合があります。この現象は現代のクルマにも症状が現れることがあるため、対策としてワーニングキャンセラーが販売されています。
そこで、このワーニングキャンセラーを使用すれば、インジケーターが点灯するようになります。
内藤
島田
でも旧車という性格から経年劣化でどこに不具合が起きているかわからない所が現代のクルマよりカスタムが難しい。
加えて、部品を損傷させると手に入らない危険性もあるからね。旧車のカスタムは、慎重に行う必要があることと、むやみに分解しないことが重要だね。
内藤
内藤です。
島田さんに詳しい話をきいて初代セリカに興味を持つようになりました。以前、日本ライティングでは初代セリカのヘッドライトをLED化したいとの要望を受けてワンオフでLEDを作成したことがあります。
今回は、その時ワンオフを依頼された神戸のおっさん様にセリカについてインタビューをしてみました。
内藤
セリカオーナーとしてセリカの魅力ってなんでしょうか。
初代セリカのオーナー神戸のおっさん様
私が18~20才の時に同じベージュのリフトバックに乗っていてもう一度あの頃のキャブとエンジンのカムが高回転で一体化するサウンドを聴いてみたいと思い手に入れました。
当時の車の中ではスタイリッシュであのテールアップのデザインは今見ても惚れ惚れします。セリカ。。。自分にとっての青春と言っても過言ではない車です。
内藤
今回ヘッドライトのはなしをスタッフに聞いていたのですが、実際にシールドビームの明るさはどうだったんでしょうか。
初代セリカのオーナー神戸のおっさん様
夜間走っているとメーター照明もそうですが外も真っ暗状態でよくぞ昔はこんなライトで運転していたな~と感心しました。
内藤
初代セリカのオーナー神戸のおっさん様
内藤
初代セリカのオーナー神戸のおっさん様
安全な夜間走行には無理だと思いました。
内藤
今回、日本ライティングにワンオフを依頼されましたが他社メーカーのコンパクトなLEDは検討されましたか。
初代セリカのオーナー神戸のおっさん様
ですが、ライト色が白すぎるのと熱でレンズの反射鏡が傷まないかと躊躇していた時に友達が日本ライティングさんでワンオフで作ってもらったという話を聞きました。
早速、依頼をさせていただきフィンの形や当時は無かったハロゲン色のLEDライトを作って頂きました。
内藤
初代セリカのオーナー神戸のおっさん様
内藤
セリカの魅力からライト事情まで実際に初代セリカのオーナー様にお話が聞けてよかったです。ご協力ありがとございました。
今回の内容で初代セリカのLEDヘッドライトに興味がある方もいらっしゃると思います。在庫を確保していませんが、神戸のおっさん様のようにワンオフとして製造することができますので、ご興味があればこちらからメッセージください。
今回は、旧車となるセリカLBのヘッドライトを明るくする方法をご紹介しました。旧車は基本設計が単純だからカスタムしやすいといえますが、その反面経年劣化による純正部品の破損が付いて回ります。
旧車のライトを明るくすることは、自分で出来ないことはないですが、部品を外していく場面で、出来ないと感じたらすぐに諦めて専門ショップに相談することをお勧めします。