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車を自分でコーティングする流れ・手順|失敗しないためのポイントも


車を美しいままの状態で乗り続けるためには、ボディなどのコーティングが欠かせません。車のコーティングは業者に依頼することが多いですが、自分でコーティングを行うことも可能です。

この記事では、自分で車をコーティングする場合の流れ・手順について、下地処理・コーティング作業に分けて、詳しく解説します。また、自分でコーティングを行う際のポイントや必要なアイテムについても取り上げるので、ぜひ参考にしてください。

自分で車をDIYコーティングするメリット


セルフコーティングの最大のメリットは、コストを大幅に抑えられることです。車やコーティングの種類によっても差はあるものの、プロスタッフの施工費用は安くても数万円、高ければ数十万円かかるケースも少なくありません。しかし、DIYならばコーティング剤と作業に使う道具代のみで済みます。

近年市販されているコーティング剤は手軽に使用できる商品が多く、適切に作業すれば素人でもプロ並みの仕上がりにすることが可能です。自分自身で行うことで車への愛着も増し、手間をかけた分だけより車が輝いて見えるでしょう。

自分で車をDIYコーティングする場合のポイント5つ

自分で愛車のコーティングに挑戦する際には、失敗しないための重要なポイントがあります。これから紹介する5つのポイントを押さえておけば、作業は格段にスムーズに進み、理想の仕上がりに近づけるでしょう。

コーティングに適した温度・湿度の環境で作業する

コーティングの効果を最大限に引き出すには、施工環境を整えなければなりません。温度と湿度はコーティング被膜の乾燥に大きく影響するため、これらの条件を整えることが成功の鍵です。

コーティングに適した温度は20℃〜28℃です。この範囲内で作業を行うと、コーティング被膜が均等に乾燥し、撥水性や硬度を高められます。直射日光を避け、塗装面の温度が28℃を超えないように注意しましょう。高すぎると乾燥が早すぎて、ムラや施工ミスの原因になります。湿度は30%〜50%が理想的です。湿度が低すぎると硬化が不十分になり、高すぎると過剰な硬化反応を引き起こす可能性があります。

季節的には春か秋、冬は日中の暖かい時間帯が望ましいでしょう。また、屋外での作業は風による砂塵がキズの原因になりやすいため、風が少なく穏やかな日を選ぶことも大切です。

晴れた日の朝から作業を始める

コーティングは多くの手順を踏む必要があり、コーティング剤によって異なりますが、作業開始から終了まで2時間〜8時間程度はかかるのが一般的です。

コーティングはその日のうちに終えることが大切です。作業を分割して行うと、塗装面に新たな汚れやホコリが付着し、コーティングの質に影響を及ぼす恐れがあります。したがって、作業は夜露や汚れの影響を受けないよう、1日での完了を心がけましょう。

晴れた日の朝に作業を開始すると、洗車や下地処理後の乾燥時間を十分に確保できます。余分な湿り気をしっかりと飛ばせば、コーティング剤の定着性が向上し、美しい仕上がりが期待できます。

洗車には水道水を使う

洗車を行う際には、井戸水を使用せずに水道水を使って洗車しましょう。井戸水にはミネラルが豊富に含まれており、水滴が車体に残ると白い跡として水垢を形成するためです。水道水は井戸水よりもミネラルの含有量が少ないため、洗車に使用しても乾燥後の水垢が残りにくくなります。

下地処理を丁寧に行う

コーティングの美しい仕上がりと耐久性を確保するために、下地処理の重要性は非常に高いものです。この工程では、洗車だけでは除去しきれない油膜やイオンデポジット、微細な汚れを丁寧に取り除きます。入念な下地処理により、コーティング剤の塗装面への密着性が格段によくなり、結果としてツヤや耐水性、さらには効果の持続期間が向上します。

下地処理をおろそかにすると、見た目の美しさだけでなく、コーティングの機能も半減する恐れがあります。時間と労力はかかるものの、この工程を念入りに行っておけば、長期にわたって車の美観を保ち続けられるでしょう。コーティング作業では下地処理の手間を惜しまず、特に時間をかけて丁寧に行うことが推奨されます。

コーティング直後は水で濡らさない

コーティング施工後の被膜は、硬化に一定の時間が必要です。この硬化期間中に水に濡れると被膜の定着が不十分になり、コーティングの耐久性や光沢が低下する可能性があります。コーティングの種類にもよるものの、被膜の表面乾燥には8時間〜24時間程度、完全硬化には数週間〜1か月程度かかるとされています。

そのため、コーティング直後は最低でも1日は水に触れさせないことが重要です。雨天時はもちろん、結露が予想される環境下での施工は避けなければなりません。万が一濡れてしまった場合は、迅速に水分を拭き取れば被膜の乾燥不良を防止できます。なお、施工後であれば日光に当てても問題ありません。

自分で車をDIYコーティングする場合に必要なアイテム

DIYコーティングを成功させるには、適切なアイテムの準備が不可欠です。ここでは、洗車・下地処理・コーティングの各段階で必要となるアイテムを、カテゴリ別に紹介します。それぞれの工程に最適なアイテムを揃えれば、作業の効率と仕上がりの質を高められるでしょう。

洗車に必要なアイテム


洗車に必要なアイテムは、以下の通りです。

カーシャンプー 泡立ち・泡切れのよい中性タイプを選ぶ
洗車用スポンジ 柔らかいウレタン素材で2~3個用意する
ブラシ・筆 細部の汚れを掻き出し、こびりついた汚れを擦り落とす
バケツ 10L以上の容量があるとよい
ホース 最低でも15m以上で、水の出し方を調整できるとよい
拭き上げ用タオル 吸水性が高いマイクロファイバークロスを2枚以上用意する

上記以外にも、ゴム手袋や幅広の脚立、高圧洗浄機などもおすすめです。

下地処理に必要なアイテム

下地処理に必要なアイテムは、以下の通りです。

イオンデポジット除去剤
塗装面に残る水垢や頑固な汚れを落とす
鉄粉除去剤 塗装面に付着した鉄粉汚れを浮き上がらせる
鉄粉除去用粘土
鉄粉汚れを効率的に除去する
油膜除去剤
塗装面の油膜や古いコーティングを落とす
研磨剤
小さなキズや塗装面の細かい凹凸を滑らかにする
脱脂剤
除去剤などの余剰成分や油分を拭き取る
マイクロファイバータオル
使用する除去剤よりも少し多めに用意する

上記のアイテムを適切に使用すれば、コーティング剤の密着性が高まります。

コーティングに必要なアイテム

コーティング作業に必要なアイテムは、以下の通りです。

車用コーティング剤
車の塗装や好みに合わせて、種類・性能を選ぶ
塗り込み用スポンジ
コーティング剤を均等に薄く塗り広げるために使う
拭き取り用タオル
コーティング用の柔らかいマイクロファイバータオルがよい

コーティング剤によっては専用の塗布ツールが同梱されているため、購入時に確認するとよいでしょう。

自分で車をDIYコーティングする場合の全体の流れ

自分で車をコーティングする際の全体の流れは、以下の通りです。

(1)コーティング前の下地処理
最初に細部の洗浄から始め、ボディ全体の洗車を行います。その後、鉄粉除去から油膜・水垢の除去、小キズの修正や脱脂作業までを順番に行い、コーティング剤の密着を高めるための下地を作ります。

(2)コーティング作業
下地処理が完了したら、コーティング剤の塗り込みです。塗布後は丁寧に拭き取りを行い、コーティング剤を均等に定着させます。

日本ライティングのガラスコーティング剤一覧はこちら

(3)コーティング後のお手入れ
適度な洗車頻度は、コーティング効果の持続に有効です。ただし、洗車機の使用は洗車キズのもととなるため、手洗い洗車が推奨されます。コーティングメンテナンスも定期的に行いましょう。

車の状態がよい場合は細部洗浄や鉄粉除去作業など、一部工程を省略することも可能です。

【下地処理】自分で車をDIYコーティングする場合の手順


下地処理はコーティングの成否を分ける重要なステップです。ここでは、車のDIYコーティングにおける下地処理の手順を、細部の洗浄から脱脂作業まで順を追って説明します。各工程を丁寧に行い、コーティングの効果を最大限に引き出しましょう。

細かいパーツの汚れ除去

初めに、エンブレム周りやパネルの隙間など、通常の洗車作業では届かない部分の汚れを毛先の柔らかな筆やブラシを使って丁寧に落とします。イオンデポジット除去剤などを使用し、水垢や頑固な汚れを浮かせてから、優しく擦り取ると効果的です。

汚れがひどくても長時間のつけ置きはせず、早めに洗い流してください。また、メッキ部分やガラスに溶剤が付着するとシミや変色の原因となるため、溶剤が垂れたり飛んだりしないように注意しましょう。細部まできれいにすることで、コーティング剤の効果が最大限に発揮できます。

全体の洗車

細部の洗浄が終わったら、全体の洗浄に移ります。洗車中のキズつきを防ぐためにも、まずはボディ表面に付着した砂やホコリを水で洗い流しましょう。次に、柔らかなスポンジで車全体を優しく洗い上げます。流し切れなかった汚れやスポンジとの摩擦でキズつけないためにも、シャンプー剤はバケツの中でたっぷり泡立てておくことが大切です。

隅々まで洗ったら、シャンプー剤が残らないようにしっかりと水ですすぎます。濡れた状態のままでよい鉄粉除去剤を使用する場合は、車を拭く必要がありません。

鉄粉の除去

鉄粉の除去は、塗装面についた微細な金属粒子を取り除く作業です。車体に鉄粉が残っていると、コーティングの密着性が損なわれます。まず、濡れたボディに鉄粉除去剤を塗布し、一定時間放置しましょう。溶剤と鉄粉が反応して変色したら、鉄粉除去用粘土を使って鉄粉を優しく取り除きます。

粘土を使用する際は、塗装面にキズをつけないよう注意が必要です。最後にたっぷりの水で鉄粉除去剤を洗い流します。塗装が傷む可能性があるため、高温や直射日光の下での作業は避けたほうが無難です。

油膜の除去

油膜除去剤を使用し、塗装面に付着したワックスや油分などの不純物を取り除きます。コーティング剤の塗装面への密着性を向上させ、耐久性を高めるのに重要な作業です。

まずは油膜除去剤をスポンジに取り、ボディに塗り込みます。力を入れすぎず、均等に軽く擦りながら汚れを落としましょう。塗装面が水をはじかなければ、油膜が取れた状態です。最後にたっぷりの水で洗い流し、マイクロファイバータオルで丁寧に拭きます。次の作業では塗装面が乾いている必要があるため、水分を完全に拭き取っておかなければなりません。

イオンデポジットの除去

イオンデポジットは、水垢が原因で発生する白い汚れです。通常の洗車では除去しきれないため、専用のイオンデポジット除去剤を使わなければなりません。マイクロファイバークロスに除去剤を染み込ませ、塗装面の汚れた部分に塗り込めば、簡単に落とせます。シミが目立つ箇所は特に念入りに行い、汚れを除去しましょう。作業後は再度洗い流し、きれいに拭き上げます。

落ちにくいウォータースポットのような侵食型の汚れは、研磨剤を用いて対応しなければなりません。無理に除去しようとすると塗装面を傷めるため、状態に応じてカーケア専門店への依頼も検討しましょう。

小さなキズ・シミの除去

軽度のキズや下地処理で落ちなかったシミは、研磨剤(コンパウンド)で除去します。研磨剤をスポンジに取って塗装面に塗り込み、優しく磨き上げましょう。水でしっかり洗い流したら、マイクロファイバータオルで残りの研磨剤を拭き取ります。

研磨作業は塗装を薄く削るため、力を入れすぎないよう注意しなければなりません。塗装面を滑らかにするかしないかで、仕上がりのツヤや光沢に差が出ます。研磨剤の選定は、キズの深さや塗装面の状態に応じて慎重に行い、必要な箇所だけに限定して使用することが大切です。

脱脂作業

シャンプー洗車でコンパウンドなどの油分を除去したら、次は脱脂作業です。脱脂作業は、コーティング剤の密着性を高めるために不可欠です。

脱脂剤をマイクロファイバータオルに染み込ませ、塗装面へ均一に塗り広げましょう。脱脂剤を塗布した後は、別の乾いたマイクロファイバータオルで塗装面を拭き上げ、脱脂剤を残らず拭き取ることが大切です。

【コーティング作業】自分で車をDIYコーティングする場合の手順

ここでは、DIYでのコーティング作業の流れと、それぞれのステップでのポイントを解説します。なお、コーティング作業に移る前に、車体が完全に乾燥しているかを必ず確認してください。正しい手順と丁寧な作業を心がけ、理想的な輝きを手に入れましょう。

コーティング剤の塗布

市販品のコーティング剤にはさまざまな種類があり、最適な施工方法はそれぞれ異なります。付属の説明書をよく読み、指示に従って作業しましょう。

スポンジタイプ・スプレータイプのいずれを使う場合にも、20cm四方程度の狭い範囲に少しずつ塗布すると、硬化ムラを起こしにくくなります。また、気温が高い日や直射日光下ではコーティング剤が早く硬化してしまうため、適温の日を選び日陰で作業するのが理想的です。

コーティング剤の拭き取り

コーティング剤の拭き取りには、柔らかくてきめの細かいマイクロファイバータオルを用います。塗布したコーティング剤をクロスで優しく拭き取ることで、塗りムラが生じるのを防げます。

タオルがコーティング剤でいっぱいになってしまうと、均一な拭き取りができません。クロスにコーティング剤が多く付着したら新しい面を使用するか、別のクロスに交換しながら作業を進めましょう。隣接するパネルやガラス面にコーティング剤がはみ出した場合は、硬化する前の迅速な拭き取りが大切です。

コーティング剤の定着

コーティング剤の塗布後は、被膜の定着を待つ乾燥時間が必要です。コーティング剤によっても適切な乾燥時間は異なるため、必ず説明書を確認してください。ポリマーコーティングなら1時間程度、ガラスコーティング剤の場合は24時間以上(完全な硬化には7日〜10日)が必要です。シラザン50なら2時間で乾燥が終わります。

水分が被膜に触れると、コーティングの耐久性や光沢に悪影響を与えます。この期間は、車を雨や夜露から守り、水に濡れないように注意しましょう。万が一水分に触れてしまった場合は、早めに水分を拭き取らなければなりません。

新車を自分でDIYコーティングする際には鉄粉除去が必要な場合も


新車は、完成して工場を出た瞬間はとてもきれいです。しかし、そこから車を運び出し、駐車場への移動などをしている間に車は汚れます。長く放置する車はプロテクションしていますが、車全体ではないので汚れが付着します。

多くの汚れは、納車前にキレイに洗車されるのできれいな状態のはずです。しかし中には、鉄粉が取りきれていない新車も極僅かですが存在します。そのような場合があるため、ガラスコーティング施工前には車全体を手で触り、ざらつきがないか確認しましょう。この時に必ず水で埃を洗い流してから手で触ります。

乾いた状態だと、塗膜に載っているホコリを塗膜と手のひらで挟み込み傷をつける心配があるからです。

もし、ざらつきが見つかった場合は、鉄粉除去剤を使用して鉄粉を溶かして洗い流しましょう。鉄粉取り粘土を使用する場合は、その周辺に細かいキズができる恐れがあるので、鉄粉除去が済んだら超微粒子などのコンパウンドで磨くことをおすすめします。

ただし、黒系の濃色車は、ほんの些細なことで細かいキズが入るので、丁寧な作業を心がけましょう。

まとめ

車を自分でコーティングする際には、必要なアイテムを揃える必要があります。洗車のためにはカーシャンプーや洗車用スポンジ、下地処理には鉄粉除去剤、コーティング作業には専用コーティング剤などが、必要なアイテムです。

車を自分でコーティングする際には、車の汚れを落として、きれいな状態にしておく必要があります。正しい手順で車のコーティングを行うことで、車を長い間きれいに維持することにつながります。車を長く美しい状態に保つために、この記事で紹介した作業の流れに沿って車のコーティングを行いましょう。

   
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