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例年の5000分の1?コロナ対策はインフルエンザ対策に繋がる?

2020年に日本で大流行したコロナウイルスにより多くの方が被害にあわれました。かつてないほどの注目が医療に注がれ、英知を結集しコロナに対して戦い2021年にはワクチン接種が始まるようになりました。

国民が一体となった自宅待機やマスク着用などの努力が功を奏し、感染者数減少などに貢献しました。

しかし、私たちの努力の成果はそれ以外でも見受けられます。例年では当然だったことが今年は起こらず驚異的な数値を出しています。

何が起こらなかったのか。詳しく紹介していきます。

今年のインフルエンザは例年の5000分の1の報告数

まずはこちらのデータをご覧下さい。

表1は新型コロナウイルス感染者数を表し、表2はインフルエンザの定点当たりの報告数のグラフになります。2020年、2021年の1、2月の新型コロナウイルス陽性者数とインフルエンザの報告数に注目してください。

2020年の1.2月の頃は新型コロナウイルスの陽性者数は数少なく、インフルエンザウイルスは報告数が多くなっています。

しかし2021年の同時期に注目するとコロナウイルスの陽性者数は増加するもののインフルエンザの報告数は0に近いほど減少しています。

インフルエンザのみに注目すると2020年の第7週の報告数が37198件、2021年第7週の報告数が7.49件になります。比較すると2021年の報告数は前年の約5000分の1になっています。

この数値は少なくともコロナウイルスの対策がインフルエンザウイルスの対策としても活きたことを示しているでしょう。

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

コロナウイルスの対策のためにしていたことが他にも役立っていることが感じられるなんて、褒められている気分だね
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

そうだね、日々自粛など対策をとっているのにコロナの感染者数が減らずに違和感を感じる人も多かったかもしれません。

しかし皆の協力はこういったような形でしっかりと成果が出ているね。

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

でも、なんでコロナ対策がインフルエンザの対策にもなるんだろう?
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

それはウイルスの構造等にヒントがあるんだ。次の章で詳しく話そう。

新型コロナウイルスとインフルエンザの構造

新型コロナウイルスとインフルエンザの構造はとても似ています。

直径約100nmの大きさで電子顕微鏡で確認ができるサイズです。ウイルスの遺伝情報はカプシドと呼ばれる殻に包まれており、ウイルスの中では一般的な構造になります。

両者ともにカプシドの外側はエンベロープと呼ばれる脂肪性の膜でまとわれており、このエンベロープはアルコール消毒等に弱く、破壊されるとウイルスは失活してしまいます。

そのためコロナウイルスのために行った消毒はインフルエンザウイルスも同時に消毒してしまうのです。

具体的には

  • 手の消毒にはアルコール消毒(70%)
  • 物の表面には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)
  • ウイルス殺菌機能の空気清浄機

こういった対策が有効とされています。また構造を問わずマスクの着用は鼻やのどなどの粘膜へのウイルス侵入を防ぎます。そのためコロナ蔓延時におけるマスク着用義務がインフルエンザウイルスの流行を抑えました。

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

インフルエンザがコロナウイルスと構造が似ていて、弱点も一緒だったからコロナ対策が役に立ったんだね
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

そうだね。弱点が同じだったことは不幸中の幸いだったと言えるね
ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

でもこれだけ似ていたら症状も似てしまうんじゃないの?もしコロナかインフルエンザにかかってしまった時に役に立つ情報を教えてください
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

わかった。では症状の違いや対策の観点から説明しよう。

症状やウイルスの特徴

インフルエンザと新型コロナウイルスの大きな違いは潜伏期間になります。インフルエンザは2~5日と短いものの、新型コロナウイルスは最大で14日間とされています。

この潜伏期間の長さが感染拡大につながってしまっています。

一般的にウイルスは症状が一番悪化した時に感染能力が高いとされていますが、新型コロナウイルスは無症状の場合も多くいつ感染させてしまったのか判断することが難しい状況です。

感染判断が難しい状況で1月、2月はインフルエンザと新型コロナウイルスの両方に注意をしなくてはなりません。

では実際に自身が感染した場合、いつ認識するのでしょうか?

研究が進んでいる現在でも見極めることは至難の業になりますが、いくつかポイントがあります。

インフルエンザの場合、突然の38℃以上の発熱や関節痛が特徴です。関節痛は新型コロナウイルスでも症状に出ますが、突発的な高熱はインフルエンザのサインの可能性が高いとされています。

新型コロナウイルスの場合、インフルエンザと比べて微熱や咳が持続し、嗅覚や味覚が劣ったり、消失する症状が出ます。

このように多少ではあるものの特徴が現れます。もしそれぞれの特徴がみられた場合は症状を医者に説明することでスムーズに検査、治療まで進むでしょう。

特徴がみられない場合でも少しでも違和感がある場合、コロナが蔓延したため念のための検査を受けることをお勧めします。

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

些細な違いやちょっとした違和感も大事をとる行動が大事ですね
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

そうだね、パンデミックが起こった後というのは他の人への配慮が普段以上に求められるからね
ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

他人へのエチケットを大事にします!ウイルスの特徴は教えてもらったけど、最近よく聞くPCR検査とか抗原検査って本当はよくわからないです
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

検査の仕組みを知ることもウイルスを知る一歩に繋がるから最後に紹介しよう

検査の違い

インフルエンザの場合感染しているか確認を行う際、抗原検査を行います。しかし新型コロナウイルスの場合PCR検査を受けます。

この2つは似ているようで大きく違います。どのように違うのでしょうか。紹介していきます。

抗原検査

抗原検査の抗原とはウイルス特有のたんぱく質を指します。検査対象のウイルスの抗体(免疫を果たしてくれるたんぱく質)を使用して抗原を検出する検査になります。特殊な検査機械を必要とせず、すばやく検査結果が出ますがPCRと比較して精度が落ちてしまう点が欠点になります。

病院で行うインフルエンザ検査はこの手法を利用しています。

PCR検査

PCR検査とは採取物の中にある遺伝子を温度による変化を与え増幅させ、病原菌の痕跡を探す手法です。新型コロナウイルスの影響で唾液によるPCR検査が普及しましたが、使用には注意事項があります。

検査前に飲食、うがい、歯磨きなどをしては行けません。可能な限り起床後に検査を行い正確な検査を行うようにしましょう。

まとめ

新型コロナウイルスによって自粛など大きな変化を余儀なくされ、ストレスや負担を感じた方が多くいたことでしょう。また長期間の政策などに違和感を覚えたこともあったかもしれません。

しかしその期間の一人一人の協力がこのように5000分の1にまでインフルエンザの感染者数を減らしました。

みんなのための思いやりがこれほど感染者数を減らしたと捉えると、今までの不自由も許せるのではないでしょうか。

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