寒く乾燥している冬場は、ウイルス性の風邪に罹る方が多く、毎年インフルエンザの流行により休校する学校がニュースになったり、有給等をとり数日間休む事も珍しくありません。
また、街なかではマスクを着用して感染予防対策をしている方も目立ちますよね。このようなことから多くの方が、「冬にウイルス性の風邪は流行する」と思い込んでしまうものです。
しかし、実際そのような認識で間違いないのでしょうか。
日本のみならず海外の実例も踏まえ、「季節とウイルス」の関係性について考察してみました。
受験生の子をもつ母親
ウイルスの先生
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ウイルスの先生
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赤ちゃん、学生、成人、老人など年齢によって感染しやすい種類は異なり、また季節によるピークもずれが生じます。しかし、年齢の垣根を越え大多数に感染するウイルスが一般的に季節のウイルスと言われます。
では、幅広い年齢層に感染するウイルスの代表例を挙げてみましょう。
3,4月頃にゼーゼーと咳をし熱が長引く場合は、春ごろにピークを迎える「ヒトメタニューモウイルス」や「パラインフルエンザウイルス」の仕業の可能性が高いです。
インフルエンザが流行した後、3月頃から夏休みの終わりの8月まで流行しているウイルスには風疹・麻疹・水ぼうがあげられます。
この三種類のウイルスには、ワクチンによる予防接種があり名前はよく知られていますが、流行する時期までは、あまり知られていません。
他にもプール熱としての別名を持つ咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)、口や手に水ぶくれができる手足口病(てあしくちびょう)などもあり、この2種類は6月~8月がピークになるなど「夏のウイルス」と言っても過言ではないでしょう。
このように年齢ごとに多少誤差はあるものの、季節ごとに流行やすいとされるウイルスはたくさんあり、春夏秋冬ウイルスの危機には面しています。
小学校に入学するまでの小さなお子さんは、一年で何回も熱を出すことがあります。それは免疫力が低いからではなく、ウイルス性の風邪に感染しているのかもしれません。
受験生の子をもつ母親
ウイルスの先生
冬だけではなくて、一年中ウイルスのピークはやってくから、継続的な対策が必要になることを忘れないでね。
受験生の子をもつ母親
ウイルスの先生
例えば、気温、湿度などの気象情報のことだね。
受験生の子をもつ母親
ウイルスの先生
寒さが本格化してきた12、1月ごろはインフルエンザの感染者数が報道されるほど感染者も多くなります。その根本的な原因が季節や温度・湿度などによってもたらされると考えがちですが、どうでしょうか?
例えば、冬の東京は、平均気温は最高10℃・最低2℃と寒く、湿度は平均49.4%と日本で最も乾燥している地域になります。
この一点だけで調査をすれば、インフルエンザの流行は気温と湿度が影響していると思ってしまいます。しかし、北陸地方の福井県はというと、最高6℃、最低-1℃と寒く、湿度は80.2%(雪が多いため)と高い環境下でも同様にインフルエンザの感染が多い。
更に海外のインフルエンザの感染と比較すると更に面白い結果が見えてきます。
日本やアメリカなどの北半球では冬場にインフルエンザが猛威をふるっており、冬の病気として認知されています。
反対に南半球のオーストラリアでも冬にあたる5月~8月ごろにインフルエンザが蔓延します。しかし、赤道付近の通年暖かい国でもインフルエンザは確認されていますし、海外からの帰国であれば滞在先で流行していた病が母国で時期外れに感染することも稀ではありません。
●全国のインフルエンザの流行時期
●オーストラリアのインフルエンザの流行状況
※コロナウイルスの影響で2020年の感染者数は少ない傾向にありますが、それ以外の年は冬の時期に当たる5月~8月が多くなっています。
●赤道直下の国のインフルエンザ状況
インドネシアは通年を通しインフルエンザの感染があります。
このように一概に季節(温度や湿度)と関係があるとは言い切れないのが現状です。しかし、各国の認識は少なからず今まで季節の変移に伴いピークがやってきたので、今年も同様だろう。そんな推測のなかウイルスと共存しています。
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ウイルスの先生
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情報の中立性高く、世界規模の情報を持っているため多くの報道機関も情報引用しています。
世界的に有名かつ最新情報を扱う機関より報道機関などを間に介さないことで正しい知識を得られるので英語が読める方はご自身で読むのもいいでしょう。
もし英語が苦手ならば翻訳サイトにて引用元がCDCの記事を探してみるのもおススメ。
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ウイルスの先生
最新技術を用いてもなお、ウイルスと季節の関係性は分かっていません。季節以外にも他の作用因子があるとされており、この点を解決しない限りウイルスのピーク予測は解明はできないだろうと言われています。
それに加えて最近、人に感染するウイルスは季節の影響を受けていないのではないかと研究結果が出てきているため更に解明が困難になってきています。
しかし、行動学、環境学、免疫学等様々な観点からの影響因子を模索し日々調査を進めています。
その結果感染のピークは周期的なものである事が判明しているため一次ピークを経験したウイルスであればおおよその予測ができるようになっています。
カナダのトロント大学ダッラ・ラナ公衆衛生学部david教授も同じような事を発言しています。
季節性とウイルス感染の特徴と認識されていたものの、根底のメカニズムは解明されていない。多くの影響因子があるため、今後研究が更に必要である分野になるだろう
2020年にパンデミックを起こしたコロナウイルスを振り返ればウイルスの周期性についてよくわかります。中国で2019年12月に世界初感染が確認され
その当時、南半球のオーストラリアではあまり感染者数が増加していませんでしたが、6月頃(現地は冬季)になると感染者数が増加する傾向にありました。
一概に季節のみの傾向とは言い切れませんが、このパターンより日本でも冬季に再び感染者数が伸びる事が予想され、季節ごとにおおよその予測はされていました。
コロナウイルス以外ではインフルエンザの流行も各国の周期情報より感染者数の減少が判明していたため、日本も同様になるだろうと仮定しコロナウイルスへの対策に重点的にできた点も同じような考えを基にしています。
このように最新の免疫研究によって周期的におおよその感染ピークなどが推測されています。ニュースをそういった目線で見てみると面白いと感じるかもしれません。
日々進歩する免疫学ですらもウイルスのピークは正確に予測できていません。研究者ですら難しいのだから、いっそのこと私達が普段行える対策で免疫すれば良いと割り切って考えた方が良いかと思います。
しかし努力は怠ってはいけません。
自分が過去にかかった病気の種類や、かかった時期等をしっかりと把握し、その対策をとるだけで十分な免疫になるでしょう。
もしそれでも余裕があるという方は、年代別にかかりやすいウイルス性の病気を調べてみたりすると、万が一かかったとしても不安になりませんよ。