コロナウイルスの変異株から学ぶこと

2021年3月を迎え国内全体の新型コロナウイルス感染者数も減少傾向にあり、緊急事態宣言も徐々に解除する地域が増えてきました。加えてワクチン接種も始まり、少しずつ普段の生活が戻ってきました。

しかし新たな新型コロナウイルス変異株の感染者が報道され、完全には不安が消えることが難しい現状です。そこで今回は変異株の基礎知識や現状について紹介していきます。

受験生の子をもつ母親

2021年の春になってやっとコロナウイルスの感染者数が落ち着いてきたね

ウイルスの先生

そうだね、コロナウイルスの研究も進んだり、ワクチン開発が進んだことが大きなきっかけになっただろうね。

受験生の子をもつ母親

ワクチン接種も行っているから、やっと安心できるね

ウイルスの先生

うん。高齢者や医療関係者から順番に接種しているし、感染した場合の対処法も数多く紹介されているから以前ほどのウイルスに対する不安はなくなっているのではないかな。

受験生の子をもつ母親

でも変異株という新しいワードをニュースでよく聞きます。変異株って新しいウイルスなのかな？詳しく教えてください

ウイルスの先生

わかったよ。では変異株の基礎知識から紹介していこう

変異株とはなにか？変異種との違いは種にある？

イギリス型や南アフリカ型コロナウイルスなど○○型と呼ばれる変異株というものが新たに発見されてきました。その際に使われる変異株とはそもそもどういったものでしょうか？

そして似たような言葉で間違った使われ方をする変異種とも比較し紹介していきます。

新型コロナウイルスなどのウイルスなどは感染するために人間などの宿主の細胞に侵入、および細胞内でウイルス自身を複製します。

その複製時に突然変異と呼ばれるイレギュラーな複製つまり不正確なコピーが行われる時があります。

そのようにしてできたものを変異株と呼びます。

似た言葉の変異種の場合は、近縁の生物種との間でおきた遺伝子の組み合わせが起きると両生物の特徴を兼ねそろえた生物が生まれることがあり、これを変異種と呼びます。

つまり、変異株と変異種は大きく違っており、変異株は同種の中での変化であり、ウイルスの場合ウイルス名は変わらず、○○型ウイルスなどと呼ばれます。

しかし変異種の場合は新たな種が生まれるため、新たな名前が付けられます。一時期報道機関が間違えた引用をしていたため、間違えないように認識しましょう。

受験生の子をもつ母親

変異株とはいわゆる自分の分身の失敗みたいなものなんだね

ウイルスの先生

そうだね。完全なコピーができず、ちょっと違った分身を作ったようなイメージだね。

受験生の子をもつ母親

でもなんで失敗した分身のウイルスがこれほど報道されるの？

ウイルスの先生

それは完全なる複製はできなかったものの、間違った複製をしたことでウイルスの毒性が強くなったり、感染対象が広くなったりすることがあるんだ。

そして人間への悪影響が大きくなった時に今回のコロナウイルスのように報道されるんだ

受験生の子をもつ母親

それは心配だなぁ。ではどんなコロナウイルスの変異株があるの？おしえてください

ウイルスの先生

わかった。では、変異株の種類とワクチンの関係も含めて説明しよう

新型コロナウイルス変異株の種類

2020年ごろから発見されている変異株はイギリス型、南アフリカ型、ブラジル型そして2021年の2月に新たにフィリピン型変異株が確認されています。

2021年1月にWHOによって発表された内容によると、変異株は伝染率、感染率の高さは上昇傾向にあるものの、現在のところ重症化や死亡率が高いとは断定できていません。

変異型でないコロナウイルスでさえ、個人によって症状が大きく違っています。そのため変異型に感染した患者が重症化したとしても変異型の影響だとは断言できていないのが現状です。

そして、WHOは変異株に対するウイルスの効果にも発言しています。

And scientists have now studied this and have found that these variants do tend to spread faster, they’re more transmissible or more infectious. So that’s the worrying part. However, so far, they do not seem to cause more severe illness or a higher death rate or any sort of different clinical manifestations.

【翻訳】
ワクチンは変更の必要がない場合やウイルスの突然変異に合わせて変更の必要がある場合に分けられます。今回の新型コロナウイルスでは様々な変異株が発生しているものの現時点で開発されているワクチンで対処できると専門家は考えています。

WHO

Now for SARS-CoV-2 we’re still learning, we’re still observing and our knowledge is evolving. But at this point in time, most scientists believe that the vaccines that are currently in development and a couple that have been approved should provide protection against this variant and other variants because these vaccines elicit a fairly broad immune response, a host of antibodies and cell-mediated immune responses.

【翻訳】
また、現在採用されているワクチン生成の手段は組成をすぐに変更できる方法なので、今後さらなる変異株の発生が確認されたとしてもすぐに対応できるようになっているため過剰な不安は抱く必要ないと言えます。

WHO

受験生の子をもつ母親

変異株といってもそれほど怖がる必要はないんだね

ウイルスの先生

そうだね、もちろん感染率などが上がったとはいえ、同じウイルスであることを忘れてはいけないんだ。

受験生の子をもつ母親

どうしても変異株での重症化などの情報を聞くと不安になるね

ウイルスの先生

そうだね、だけどそれが変異株の影響だったのかを判断できるように冷静でないといけないよ

受験生の子をもつ母親

わかりました。

ウイルスの先生

研究者は誰よりも先に変異株の危険性などについて研究しています。より多くの知識を擁する専門家の意見を第一に聞き判断するといいでしょう。

新型コロナウイルスの変異株から得られる教訓

新型コロナウイルスのようなパンデミックに見舞われることは数年に一度のレベルでしょう。しかしこの経験は次に来るパンデミックや毎年のように流行するインフルエンザの対策などに応用することができます。

そこで変異株から得られるウイルスに対する知識をご紹介します。

そもそも変異株が発生する理由として基となるウイルスが大量に蔓延しているということが大きな要因を占めます。

感染者数が多ければ多いほどウイルスの突然変異の可能性も高まります。逆に言うと、既存のウイルス拡散を抑えることが変異株を作らない抑制につながります。

では、基となるウイルスの拡散制御のためには公衆衛生をよくする必要があります。

公衆衛生はマスクなどで貢献できますし、コロナ対策と同様の対策が公衆衛生に繋がりますので、パンデミック時以外でも行うとよいでしょう。

変異株はウイルスの命を懸けた変化であって過剰に恐れる必要はありません。どのように変更し、どれくらい自身へ影響があるのか、自身の立場をわきまえた判断をしましょう。

また、毎年恒例伴っているインフルエンザも同様の対策を講じることで十分な予防につながります。

受験生の子をもつ母親

今までウイルスに対して意識を向けていなかったから変異株って言葉に異常に反応していたのかな

ウイルスの先生

その可能性は否めないね。日ごろから対策をしていたら、今回のコロナ騒動ほど騒がれなかった事だろう

ウイルスの先生

地震対策をするようにバイオ災害にも対策をするように心がけてみよう。

受験生の子をもつ母親

わかりました。では具体的にどんなことをしたらいいのですか？

ウイルスの先生

具体的にどんなものを準備すべきかも含めて教えよう

感染症対策のために日ごろからできること

日ごろからウイルスに向けて行える対策は大きく分けて2種類に分けられてます。

まず1点目が日ごろから感染症やウイルスについて情報を得るようにしましょう。いつの時期にどのような病気がかかるのかを認識していることは対策を余裕もって行うためにも必要です。

次に2点目は地震のための防災用品のように備蓄をしておきましょう。感染症も地震と同様に災害です。最低でも家族が72時間生き残れるように飲料と食料品はストックしておきましょう。

さらに1週間程度の食料や日用品なども準備できるとなおよいでしょう。

また防災用品にマスクや軍手、ビニール袋などの衛生用品を準備し、家族に感染者が出た際の対応ができるように準備しておきましょう。

まとめ

変異株といった専門的な用語は突然耳にすると不安を抱いてしまいがちです。今回のコロナを経験して私たちはウイルスに免疫もなく、知識も少ない事がわかりました。

このようなことが再度起きたとしても同様な状態に陥らないようにウイルスについて勉強をし、対策をしっかりと講じましょう。