こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
あなたは街中で見かけるクルマのヘッドランプについて注視して見られたことはあるでしょうか。黄色っぽく光っているクルマ、白っぽく光っているクルマ、少し青色っぽく光っているクルマ、様々なヘッドランプを見かけることと思います。
今回は、様々な光り方をしているヘッドランプの変遷に着目してみたいと思います。
目次
内藤
また、今後どのようなヘッドランプになっていくのか未来の話も知りたいです。島田さんご存知でしょうか。営業活動にも活かしたいです。
島田
確かに今まで単発的に各種バルブやヘッドランプ等について内藤君に教えてきたけど、振り返る意味も込めてヘッドランプの歴史や、これからどういうヘッドランプになっていくのかを解説していくね。
ヘッドランプの歴史についてみていきましょう。ヘッドランプは自動車の歴史と深く関わっており、自動車の進化、世の中の流れに沿って進化して参りました。
主な流れとしては、シールドビーム(バルブ一体型⇒バルブ交換(いずれも白熱球)⇒ハロゲンヘッドランプ⇒キセノン(HID)ヘッドランプ⇒LEDヘッドランプという流れです。
それぞれのランプについて大まかにどういうランプであったか説明していきます。
シールドビームという言葉を初めて耳にする方も少なくないはずです。1939年にアメリカでスタートしました。
簡単にどのようなランプかというと、丸型や角型のランプでいかにも”ランプ”といった型をしております。現代車のヘッドランプのようにメーカー毎、車種毎のような特色を出しにくく、多くのクルマのヘッドランプが同じような見た目でした。
※シールドビームで有名なメーカー様といえばシビエ社ですね。
光源としては、シールドビーム自体が大きな発光体となっていて、現代のようなバルブ交換タイプではなく、シールドビーム毎のASSY交換となります。
その後、バルブ・ユニットのASSYのシールドビームから、見た目の大きな違いは無くなり、白熱球を用いたバルブ交換タイプのランプも出て参りました。(角型・丸型)
例としては、リトラクタブルヘッドランプの初代ロードスター(NA型)やRX-7(SA,FC,FD)のようなランプをイメージして頂ければ分かりやすいかと思います。これらの車種はハロゲン車両ですが、あくまでイメージとして捉えてもらえると幸いです。
白熱球でよく使用されていたのが、「D4」型と呼ばれる白熱球でした。見た目は横から見るとホームベースのような形のバルブで、口金の台座は現代のH4の口金と酷似しています。
現代でもH4Uと呼ばれるバルブがあります。(H4の口金の一部が細いタイプ)、このバルブは、D4タイプとの互換を持たせるために開発されたものです。
白熱球タイプは80年代のクルマはもちろん、ハロゲンバルブが主流になった90年代初頭には一部のクルマのランプに採用されておりました。
シールドビームや白熱球バルブが主流だったなかで、明るくて、尚かつ長寿命という画期的なバルブが登場しました。それが、ハロゲンバルブです。
80年代後半になるとこのハロゲンバルブを用いたヘッドライトが主流となってきました。
ハロゲンガスを用いて明るく照らし、ハロゲンサイクルにより長寿命化を実現しているのですが、明るさはもちろんのこと、これまでの白熱球と比較して各段に明るくなっているハロゲンバルブを交換できる点にメリットが多くなりました。
白熱球でも交換自体はできていたのですが、如何せんそこまで明るくはなかったのです。それが、白熱球と比較して各段に明るくなったハロゲンバルブを交換が可能になったことで、ヘッドランプの整備性の向上と明るさの向上で安全性にも寄与したものです。
ハロゲンバルブのヘッドランプは進化を続け現行車でも採用されているほど国内外問わず広く重宝されるものとなっております。
ハロゲンヘッドランプ誕生以降、クルマの顔つきもこれまでのどこか似たような顔つきから様々な顔つきを表現できるようになりました。これが現行車でも採用され続けている所以ですね。
ハロゲンヘッドランプ誕生以前は、ボディ面での差異はあるものの、ヘッドランプだけを見ると、丸型もしくは角型というのが一般的でした。ハロゲンヘッドランプ誕生後は、配光技術向上やハロゲンバルブの種類が増えてきたこともあり、これまでのランプ形状とは異なる形のヘッドランプが出てきました。
日本国内では1995年から実用化されたHIDヘッドランプです。表現方法は、HID、HIDヘッドランプ、ディスチャージヘッドランプ、キセノンヘッドランプ等々と呼ばれ方はありますが、どの呼び方も同じモノを指します。
後述しますが、HIDヘッドランプは明るく長寿命ということもあり、20年余り経った現在でも重宝されています。
ハロゲンヘッドランプと比較し、機能面でも2000年代後半にはAFS機能(車速、ハンドル舵角に応じた照射)、ADB機能(配光可変機能)等も内蔵され、これまで以上にランプの高度化は加速していきました。
これまでの白熱球とハロゲン球のランプと大きな違いは明るさで、体感ではハロゲンの1.5倍から2倍くらい明るく感じられるかと思います。
寿命も数倍伸びており、その要因の一つに発光の仕方が変わったことが上げられます。
今まで主流だった白熱球、ハロゲンバルブは、導入線を通じて電流がフィラメントに流れることで熱を発し、光を照らす方法からキセノンガスを高圧封入したものを電極間で電子エネルギーを発して照らす方法に変わりました。
HIDを発光させるには、バラストとイグナイター(スターター)が必要となり、それらは高い電圧を維持し、安定的に光を照らすことに寄与しています。
2007年、レクサス LS600hに国内で初めてLEDヘッドランプが搭載されました。LEDヘッドランプの特徴として、明るさはもちろんのこと、これまでのヘッドランプと比較にならない長寿命であるのがポイントです。
また、LEDの特性上、配光設定が行いやすく、ヘッドランプのデザイン面で大きく変わりました。これまでのヘッドランプ以上に様々な形のヘッドランプが誕生したのもヘッドランプのLED化によるところ大きいといえます。
例えばデザイン面での大きな例として、現行の50プリウスのヘッドランプをイメージしてもらえば分かりやすいと思います。
ハロゲンやHIDではあの細長いランプ形状で配光制御をすること難しくデザインを具現化できなかったと思われます。LEDの配光制御でないと明るさ、法規面をクリアできなかったと考えます。(プリウスに限らず、昨今の細長いランプの車両はLEDヘッドランプを採用することでデザインを具現化できています)
もちろん、LEDヘッドランプ車両であっても別グレードでハロゲンヘッドランプが採用されている例はありますので、一概には言えないのですが、現行車両の発展にはLEDヘッドランプの採用が大きく関わっていることをご理解頂ければ幸いです。
現在、様々なヘッドランプの形状があるのは、光源がLEDであるがゆえに実現しています。
明るく長寿命であるLEDですが、デメリットがないわけではありません。冬の降雪地帯ではヘッドランプに付着した雪が解にくいという場合が起こり得るというものです。
これはハロゲンヘッドランプと比較して放熱方法に違いがあり、ヘッドランプ側面に熱が出ていきにくいためです。
そのため、降雪地帯では敢えてハロゲンヘッドランプをチョイスされる方もいらっしゃいます。絶対的な”明るさ”という意味ではHIDヘッドランプがまだ明るいです。
明るさ・実用性比較
とはいえ、ほとんど遜色ないレベルまできております。
現在のヘッドランプの大半がLEDヘッドランプとハロゲンヘッドランプが主流です。白熱球からハロゲンバルブになり、そして、HID、LEDに変遷してきましたが、LEDの次は、レーザーヘッドランプが注目されています。
現在も一部の欧州車の上位モデル上位グレードの中にはレーザーヘッドランプが採用されている車両もあります。世界に先駆けてヘラー社等が製造されています。
国内の足元の状況としては、国内ランプメーカーの小糸製作所社やスタンレー電気社、市光工業社が、レーザーヘッドランプの開発を日夜行っておりますが、直近で具体的にどのクルマへ採用というのがローンチできていないのが現状です。
レーザーヘッドランプが実用されると、今まで以上にハイテクとなります。自動運転技術、ADAS(先進運転支援システム)等々の最新技術は次世代の新型車両採用に向けて、各車両メーカーがしのぎを削っておりますが、これらの技術とヘッドランプも隣合せであり、今まで以上に常に紐づけられて考えていくものとなります。
そのため各メーカー毎の強みを活かした技術提携も徐々に増えております。ヘッドランプの高度化もあり、餅は餅屋のように専門企業だけのモノではなく、自動車産業に関わる全ての企業が連携して新たな自動車社会を創出していく動きになっております。
ぜひ、今後のヘッドランプの動向をチェックして頂きながら、クルマのカスタムを楽しんで頂きたいです。技術の進歩がカスタムの進歩にもつながりますので、目を離さないようにしていきましょう。
内藤
島田
内藤
島田
シールドビームが主流だった1960年代から1970年代のカスタムパーツはほとんど純正品からの供給でした。カスタム好きにとって、純正品で満足するわけがなく、海外製のシールドビームが明るいという噂が広がると海外から入手して装着していました。
しかし、社外品に交換すると当時は車検に通りませんでしたので、その度にヘッドライトを純正シールドビームに戻す作業が必須でした。
カスタムされていた代表車種としては、3代目510ブルーバード、2代目B110系サニー、2代目TE27型カローラが多かったです。
また、シールドビーム以外のカスタムとして、1974年に三菱ランサー1600GSRが世界一過酷といわれるサファリラリーに初参戦して初優勝を飾りました。そして、ランサーのデザインをコピーするかのように、フロントバンパーに大きなスポットライトを取り付け、ヘッドライトとして使用する人も多く見られました。
1980年代になると新車にハロゲンバルブが装着されるようになりました。シールドビームと比べると大幅に明るくなり、定番の明るくするカスタムではなく、色を変えるカスタムが流行りました。たとえば、黄色いバルブが発売されるとカスタム好きがこぞって取付けを行いました。
当初は、ハロゲンバルブに黄色いカバーが取り付けられたものが主流でしたが、暗くなるという問題から、次第にガラス部分が黄色くコーティングされた仕様に変わっていきます。
しかし、根本的に黄色いライトは明るさが乏しいので、当時流行った方法として競技用のハロゲンバルブとハーネスキットを取り付け明るくする方法でした。
ユーザーとしては明るいバルブは大歓迎ですが、当然車検対応ではなかったことと、当時は明るいヘッドライトが道路交通法違反で摘発されることもありました。
そんな違法なヘッドライトカスタムも高効率ハロゲンバルブの登場で終焉を迎えます。
高効率ハロゲンバルブは、現在も販売され続けられていますが、当時は2本で1万円以上する商品もあるなど、今では考えられない高価なバルブでした。
また、よくカスタムされた車種として、今でも人気のあるAE86トレノやレビンをはじめ、3代目スターレット、5代目ファミリア、初代ソアラ、日産レパード、マークⅡ3兄弟などで見られました。
HIDの登場は、ヘッドライトの明るさを大きく変える出来事でしたので、当然カスタム好きにはHID化を待ち望む声が多くなります。
そして、ハロゲンバルブをHID化できるキットが1990年代後半に登場するようになります。当時は、H4バルブを採用した車が多かったのですが、HIDのラインナップにH4タイプが入っていなかったことからHIDキットの認知度はそれほどありませんでした。
2000年になると待望のH4に対応したHIDが登場します。これにより多くのユーザーがHIDキットを取り付けたいと思うようになります。2000年初頭といえば、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、ステップワゴンの人気と共にミニバンブームが巻き起こった時期でした。
また、ビッツやフィットといったコンパクトカー。ワゴンRやムーブなど今までにないスタイルの軽自動車に人気が集まります。
多くはH4タイプのバルブが採用された車種なので、これらの車種を中心にHID化のカスタムが流行りました。
HID化でよく起きた事としては、青白い光がカッコいいとケルビン数を高く(8000K以上)すると人が増えるようになりました。しかし、車検合格の目安が6000K(純白色)であったことから、8000K以上のHIDキットを装着した車両は車検に受からないため、ケルビン数を止む無く下げる人が多く出ました。
社外パーツからLEDバルブが登場すると、LED化のカスタムに大きく舵を切り始めます。LEDバルブが登場したのは、純正ヘッドライトにLEDが採用された頃からで、ネットだけでなく店頭でも多く販売されるようになります。
LEDと聞いて、HIDより明るく、しかも長寿命といった印象を持ちますが、発売当初は、暗く、放熱性、配光特性など精度が低くい商品が主流でした。
そんな中、日本ライティングを始め国内メーカーが開発した本格的なLEDバルブが登場するようになります。これにより、HIDより明るく長寿命のLEDバルブを手にすることができました。
しかし、LEDバルブに交換できる車種は、ハロゲンバルブを採用したヘッドライトが基本でしたから、LEDを標準装備している車種には、明るいLEDバルブに交換することは出来ません。
そのような状況からヘッドライトカスタムは、明るさを追求するカスタムから、ヘッドライトをどう光らせるかといったカスタムに移行するようになります。現在では、人気のSUVやミニバンにもLEDヘッドライトが純正採用されることが多く、クルマ好きの中では、「見せるヘッドライト」に注目し始めています。
内藤
島田
・ヘッドランプの変遷:シールドビーム(白熱球も含む)⇒ハロゲンヘッドランプ⇒HIDヘッドランプ⇒LEDヘッドランプ⇒レーザーヘッドランプへ
・時代の移り変わりとともに、ヘッドランプも光源が進化し、明るさ、寿命ともに進化を遂げている。
・ヘッドランプも単なる明るさだけではなく、最新自動車技術との連携が必要不可欠。