こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
クルマには、多くのランプが装備されており、それらのランプをLED化するカスタムが多くなってきました。
しかし、カスタム方法を間違えると保安基準を満たせなくなり、車検に通らなくなってしまうでしょう。そこで、車検で困らないために、わかりやすくLED化の保安基準を解説します。
目次
内藤
そこで、先輩に聞きたいのですが、そもそも純正から社外品に変えることは、車検に影響がでることが多いのでしょうか?
島田
内藤
島田
保安基準を満たしていなければ車検に通りませんが、そもそも保安基準とは公道を安全に走らせるために設けられた基準です。
この保安基準は、公道を走らせることができるクルマに決められている法律で、燃料から車体の大きさまで細かく決められています。
そして車検対応品とは、元々取り付けようとしているクルマが保安基準に適合していることが前提であり、取り付け方法や、本来メーカーが想定している方法と異なる取付けをおこなうと車検に通らなくなります。
特に、灯火類は車検時に検査官の目視による点検が行われるので、検査官が不適切なパーツと判断すると車検に通りません。
そこで、車検対応品と謳って売られている商品は、メーカーが想定している取り付け方法や取り付け位置に取り付けることが重要です。
よくある車検対応品を間違った方法で取り付けるのは、ウィンカーランプのオレンジバルブをポジション球と交換するパターンです。
現在の保安基準ではポジションランプは白と決められていますから、オレンジ色のバルブをポジション球として取り付ければ、車検に合格しません。
また、その逆も同じで、ウィンカーランプにポジション球の白色を使用することもできません。
このように、車検対応品は定められた使い方をしなければならないことを理解しておく必要があります。
しかし、最近はネットでの購入が大半を占めており、海外から車検対応品ではないのに、車検対応と虚偽のパッケージで販売されていることがありますから、購入者の自己責任を問われる時代となりました。
そこで、車検で不合格とならないためにも、カスタムパーツを購入する時には、信頼置ける国産メーカー品を購入するのが安全です。
内藤
島田
内藤
島田
ウィンカーランプの保安基準には、昼間に100m離れた位置からウィンカーの点灯が確認できる明るさで、周りに迷惑とならない事と決まっています。そして色はオレンジでなければなりません。
具体的なワット数も決められており、乗用車の場合で前後に取り付けられたウィンカーは15W以上、60W以下、二輪車においては10W以上60W以下と決まっています。
また、フェンダーなどクルマのサイドに取り付けられたウィンカーは3W以上60W以下と決まっています。
そこで、一般に売られているウィンカーランプ用のバルブであれば問題ありませんが、LEDに交換した場合は、色と点滅回数に注意する必要があります。
色はオレンジなのでクリアレンズの場合は、オレンジに光るLEDを用意する必要があります。そして点灯回数は、1分間に60回から120回と決まっているので、LEDに変更してウィンカーの点滅速度が変化したら、保安基準の回数で点滅しているか確認することが重要です。
内藤
島田
でもウィンカー用ではないバルブを使用する時には、電球のワット数と点灯回数の確認をするようにして、基準内かどうか確認すればよい。
明るさに不安があるなら、純正バルブと明るさを比べてみるとよいだろう。
内藤
ポジションランプの決められた明るさは、夜間に300m離れた場所でも点灯が確認できることです。
ポジションランプに使用できるワット数は、5W以上30W以下で、白色と決まっていますが、ウィンカーランプと兼用の場合は、クルマもバイクもオレンジでも問題ありません。
そこで気になる明るさは、300カンデラ以下と、保安基準の「その他の灯火類の制限」で決められています。
実際にこのポジションランプが300カンデラであることを計測することは、車検場でも難しいので、明るさは検査官のさじ加減で決まります。
そこで問題なのが、検査官が明るいと判断してしまえば車検に通らないという事です。特にディーラーなどでは、極端に明るいポジションランプにしていると、最初から車検を断られる可能性もあります。
そのため、300カンデラ以下と商品に書いてあるLEDランプを購入するのが良いですが、もし手頃な商品がなければ、爆光と書いてあるLEDポジションランプは選ばないほうが無難です。
内藤
島田
カンデラについての資料:道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2020.04.01】〈第3節〉第 218 条(その他の灯火等の制限)
テールランプは、赤色でなければなりません。その中でブレーキランプは昼間に100m離れた場所から確認できる必要があり、15W以上60W以下であることが決められています。
そして、夜間点灯させる尾灯ですが、これは夜間に300m離れた場所から確認できる必要があり、5W以上30W以下と決められています。
尾灯とブレーキランプを兼用としている場合は、明るさの変化が5倍以上必要と保安基準にあります。これは市販の安価なLEDではかなり厳しい基準ですから、車検で問題となることがあるでしょう。
そこで、テールランプをLEDに交換する場合は、尾灯からブレーキランプに変化する光量が5倍以上ある商品を探す必要があります。
ただし、これも適正な検査機器がないので、車検の検査官が光に違いが弱いといえば車検に通りませんから、テールランプのLED化は注意が必要です。
内藤
島田
ナンバー灯のLED化は多くの方が行う手軽なカスタムですが、意外に車検でNGとなることが多くなります。ナンバー灯は白色と決められているので、LEDであれば問題ありませんが、光にムラが出ると車検に通りません。
ナンバー灯には、専用の測定機器があり、光の照射にムラが出ていないか確認をします。白熱球であれば、360度光が出ていますが、LEDの場合は単一方向にしか光が出ません。
例えば、ポジション用のLEDを装着すると明るくなったように見えますが、ナンバーに影ができて、これが問題となり車検に通りません。
特にバイクや軽自動車など1灯式のナンバー灯は要注意となりますから、LED化するならナンバー専用のLEDを購入するようにします。
内藤
島田
バックランプは、色が白と決められており数も2つ迄になりますから、暗いからと増設すると車検ではNGとなります。
明るさは、周りに迷惑にならない明るさであり、100m後方からバックランプが確認できることとあります。そして光源には15W以上75W以下であると定められており、平成17年12月31日以前のクルマの場合は、5,000カンデラ以下と決められています。
ただし、現在のクルマは光度に規定はありません。
現在、明るさの判断は車検場の検査官にゆだねられます。ただ、誰が見ても眩しいと感じるのは、ヘッドライトと同じ明るさをバックランプに取り付けた場合です。
一般に市販されているバックランプ用のLEDであれば問題ありません。
内藤
島田
室内灯は、保安基準で色について決められています。通常白色のルームランプであれば問題ありませんが、これがオレンジや赤といった色で後方を照らすような光を発していると保安基準に適合しません。
また、フロントガラスより高い位置に青紫色のルームランプを取り付けることも保安基準に適合しません。
ただし、室内灯を車検時に点検する項目はないので、車検場で消えている室内灯を点灯させる検査官はいません。ただ、もし保安基準に適合しない色のルームランプを装着していることを車検時に発覚すれば車検に通らないでしょう。
内藤
島田
その他の灯火類とは、クルマに元々取り付けられているランプ以外で増設したときにかかわる規則と思っていれば良いでしょう。例えば、テープLEDを装着する時には「その他の灯火類の規則」が適用されます。
その他の灯火では、300カンデラ以下であることと決められているほか、フロントとサイドは赤がNG、そしてリアでは赤、橙、白がNGになります。
このほか、点滅したり、色が変わったりするLEDは保安基準に適合しません。
内藤
島田
内藤
内藤
島田
光る商品としてドライブレコーダーがありますが、車内にドライブレコーダーを取り付けるにも規定があります。
ドライブレコーダーはフロントに取り付けることが普通ですが、取り付け位置はフロントガラスの上から20%以内で取り付けるよう規定されています。
これはだいたいバックミラーと同じ位置なので、バックミラーの高さを基準に取り付けるとよいでしょう。
ただし、バックミラーを稼働させて、当たるような場所に設置すると車検に通らなくなるので注意しましょう。
ライトのカスタムは、夜間走行の視界を確保するほかに、クルマを個性豊かに演出することができるアイテムです。
LEDが普及し、今では非常に多くのランプ類がLEDとして販売されていますが、正しく使用すれば、保安基準に適合し車検でも全く問題ありません。
クルマの灯火類をLEDに交換して車検にNGとなるようなカスタムは、通常と違った取り付けや、本来取り付けるべき専用LEDライトを取り付けていない場合に起きます。
クルマの灯火をカスタムする時には、専用品を使用するこが、失敗しないライトカスタムとなります。