アイキャッチ画像引用元:りょうたさん
こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
ダイハツ・ハイゼットは、10年連続販売台数No1を誇る人気の軽トラックですが、その人気の秘密は最新技術の逸早い投入と、ユーザー目線での実用性重視の開発といってもよいでしょう。
そして現行モデルではヘッドライトにLEDを純正採用するグレードが登場し、カスタムも様変わりしています。そこで、ハイゼットのヘッドライトの進化とそのカスタム方法について解説します。
目次
内藤
何もしないのはもったいないのでカスタムにチャレンジしようと思うのですが、ハイゼットのことをあまり知らないので、詳しく教えて欲しいのですが。
軽トラマニア小泉
1960年以前の話になりますが、商店の小口配送に自転車やオートバイを使用するのが一般的でした。しかし、ダイハツ・ミゼットの登場により零細企業から商店の店主は「積載能力」と「きびきびとした走りの凄さ」に魅了されるようになります。
そして、1960年11月にミゼットを進化させた国産初となる軽4輪商用車「ハイゼット」を発売し、当時の人達の心を掴みます。
スタイルは、軽トラなのにボンネットがある、いわゆる軽自動車のピックアップトラックという位置づけでした。
現代の人から見れば、ピックアップトラックは小さくて使いづらいと思うかもしれません。しかし、当時は画期的なスタイルが好評だったのでスズキや富士重工(現在のスバル)などから次々と軽トラが販売されるようになりました。
2代目ハイゼットは1964年に登場します。今までのピックアップトラックから、現在の軽自動車の原型ともいえるキャブオーバータイプに変更され登場しました。
当時の人達にとって、キャブオーバータイプの軽トラは見たことがなく、荷台の広さに驚きを隠せなかったと言います。
その後3代目の登場では、軽トラックとして初めてヘッドライトに角型シールドビームを搭載し、愛らしいフロントマスクが人気でした。
続く4代目ではヘッドライトが丸目2灯に戻ります。丸目に戻したことで、フロントマスクが「ドラえもん」に似ていると話題になり、当時の子供たちにも人気のある軽トラとして親しまれました。
その後も改良が重ねられ、特に大きく進化したのは6代目の時でした。丸目のヘッドライトの上にちょこんと乗せられたターンシグナルランプがまゆ毛のように見えることから、通称「まゆげ」と呼ばれるようになります。
他の特徴として、運転席の後方を広げたハイゼットジャンボが初登場し、現在も根強いファンがいますし、走行面では、4WDで悪路の走破性の高さに驚かされたのも6代目からでした。
続く7代目が登場したのは、バブル景気に沸いた1986年でした。軽トラにパワフルなエンジンを搭載し、しかもRV車を彷彿とさせるグレード投入など、バブルな軽トラが生まれます。
8代目と9代目では、それぞれの軽自動車規格変更に合わせた軽トラとして登場。
8代目ハイゼットは、1994年にフルモデルチェンジしましたが、その4年前の1990年に第6世代の軽自動車規格変更でサイズが変更されたのを受け、フルサイズの軽トラとして登場させました。
そして9代目では、第7世代の軽自動車規格変更に合わせて登場。サイズも変更され長と全幅を軽規格ギリギリまで拡大させています。
サイズが大きくなりましたが、フルキャブスタイルを踏襲しているにもかかわらず、新国内衝突安全基準をクリアするなど、トップクラスの安全性能で9代目は特に安全性に主眼を置いたモデルでした。
フルキャブスタイルなので、大きくなった車体でも軽トラックの利点といえる取り回しの良さは健在でした。そして、現在も使われている「ハイゼット・トラック」の名称が正式に採用されたのも9代目からです。
そして、現行モデルの10代目は2014年にフルモデルチェンジし、2017年以降は「スマートアシスト」を採用して9代目よりさらに安全性を高めました。
内藤
軽トラマニア小泉
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軽トラマニア小泉
古くは、国産車にシールドビームが多く採用され、ハイゼットも例外ではありませんでした。
シールドビームの採用については、アメリカの法律に大きく影響されていましたが、1980年代にアメリカで灯具のデザインを自由に変えられる電球交換型ヘッドライトの使用許可が下りたため、ハロゲンヘッドライトが一気に普及し始めます。
1980年代の6代目ハイゼットも、シールドビームを採用していましたが、これをきっかけにハロゲンヘッドライトを採用するモデルが現れます。
採用されたハロゲンヘッドライトは、2灯式ということもありH4ハロゲンバルブが採用され、現行モデルまでH4ハロゲンバルブが採用され続けています。
ハイゼットにハロゲンヘッドライトを採用されてから、世の中のヘッドライトは純正でHIDが搭載された車種が登場し始めます。HIDの登場により、更に明るいヘッドライトに進化しましたが、ハイゼットには純正でHIDの採用はありませんでした。
ハイゼットにHIDが搭載されなかった理由としては、コストの問題が大きいといえます。HIDは、ハロゲンバルブより長寿命ですが、仮に故障すれば1万円以上の修理費用が発生します。
軽トラは、出来るだけコストを抑えたクルマなので、修理費用で顧客に迷惑を掛けるわけにはいかないとメーカー側が考えたと予想されます。
その後、現行モデルが登場してから最初のマイナーチェンジが行われた2017年に、ついにLEDパックがハイゼット全グレードにメーカーオプション設定されます。
そして、2019年のマイナーチェンジからLEDヘッドライトを標準装備させるグレードを拡大。
現在販売されるモデルに至っては、標準ルーフのスタンダード「SAⅢt」「農用SAⅢt」、「標準ルーフエクストラSAⅢt」に、ハイルーフでは4車種の内3車種(スタンダードモデルのハイルーフを除く)にLEDヘッドライトが標準装備されています。
ちなみに、スズキキャリーは、HIDがメーカーオプション設定となりますが、LEDの設定はありません。そしてホンダアクティにはハロゲンバルブの設定のみで、オプションでもLEDやHIDが用意されていません。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
9代目(S200系)のヘッドライトバルブを交換するには、ヘッドライトユニットを外す必要があります。しかし、すでに登場から20年程度経過しているので、樹脂が割れないように慎重な作業が必要です。
また、寒い時期は樹脂が硬く柔軟性がありません。そこで、外す前にドライヤーなどでヘッドライトユニットの止まっている部分を温めてから作業すると破損させる心配が大幅に軽減されます。
それでも、経年劣化で柔軟性が失われているので過度に無理な力を加えないよう丁寧に作業するのがポイントです。
9代目(200系)のヘッドライトは、2004年12月の大幅なマイナーチェンジによりヘッドライトが大型化されました。
これに伴い、ヘッドライトユニットはウィンカー内蔵となり、外し方が2004年12月以降のモデルを境に変わっているのが特徴です。
2004年12月までのモデルの交換手順は、クリアランスランプを外してからヘッドライトを外します。
最初にプラスドライバーでクリアランスランプを止めている下側1本のネジを緩めて外します。
ネジを外したら、後ろ側から、前側に手のひらでたたきましょう。
クリアランスランプは、ヘッドライトに刺さるツメが上下2本と、ビスで止めてある部分にもツメがあり、ボディ側に止まっています。
つまり、クリアランスユニットには突起部分が3カ所あり、2カ所はボディ側、1カ所はヘッドライト側にあります。
特にボディ側に刺さるツメ2カ所は、古くなると折れやすいので、前方に完全にスライドしていない時に、引き抜こうとすれば、折れるので注意しましょう。
止まっているといっても、クルマの前方から後ろ側にスライドして嵌っているだけなので、真っすぐ前に動かせばツメを折る心配はありません。
手のひらでクリアランスランプの後方を叩くと前方に抜けるように緩むので、ドア側とクリアランスランプに指がかかる隙間が出来たら、指をかけ前方に真っすぐ引き抜きます。
かなり力がいることもありますが、真っすぐ引き抜くことで壊すことはありません。
クリアランスランプが外れたら、ヘッドライトユニットを止めている上下2本の10mmのボルトをラチェットレンチで外します。
ボルトが外れたら、ヘッドライトをクルマの外側に力を入れながら外します。そしてヘッドライトバルブにつながるコネクターを外せば、ヘッドライト外しは完了です。
最初にヘッドライトバルブを覆っている防水ゴムを外します。するとH4ハロゲンバルブが見えるので、止めている金具を外せばバルブを取り出せます。
取り付けは逆の手順ですが、バルブを取り付ける際に、ユニットの切り欠きに、バルブの取り付け金具をはめてから、バルブを止めている金具を確実に止めます。
次に、後期型となる2004年12月以降ですが、こちらはクリアランスランプを単体で外せないので、ヘッドライトを止めているボルトを、ドアを開けて外します。
ドアを開けるとドアのヒンジのあたりに10mmヘッドライトを止めている2個のシルバーに輝くナットがあるので外します。
ヘッドライトユニットは、後ろに向かい刺さって止まっているので、手のひらでヘッドライトのサイドをクルマの前方に向かい叩くと外れます。
ただし、プラスチックのピンが上側に1個止まっているので、必ず前方に力を加えるようにします。
サイドに揺らすとプラスチックを破損させるので注意しましょう。
ヘッドライトユニットには、ウィンカーランプと車幅灯のコネクター、そしてヘッドライトバルブのコネクターがあるので、それらのコネクター3つを外せばクルマからヘッドライトを外せます。
バルブ交換は、前期モデルと同じ方法で行い、後は逆の手順で戻して終了です。
内藤
軽トラマニア小泉
現行の10代目(S500系)のヘッドライトバルブ交換は、9代目(S200系)と同じようにヘッドライトユニットを外します。
ドアを開けて、図にある部分のクリップ2個、ナット1個、ボルト1本を外します。
バンパー下側の図の部分のボルトを外します。
図の部分のバンパーを外して浮かせます。この時にハンディリムーバー(内張外し)の幅広タイプがあれば、図の位置に差し込んでクリップを外して浮かすのが簡単です。
バンパーを浮かすと、図の位置にリテーナーが見えるので、手前にスライドさせて外します。これを忘れるとヘッドライトが引っ掛かり外れません。
図の位置にあるヘッドランプのカバーを手前に引いて外します。クリップが図の位置にあるので、真っすぐ引き抜くようにします。
カバーを外すとボルトが見えるので、それを外せば正面に真っすぐヘッドライトを引き抜けます。
この時に、図の位置にクリップが3カ所ありますが、クリップ1のかん合を外してからクリップ2の方向のかん合を外すようにします。
ウィンカーと車幅灯、そしてヘッドライトのコネクターがありますが、ウィンカーと車幅灯はソケットを反時計回りに回して外し、その後ヘッドライトのコネクターを切り離します。
これでヘッドライトはクルマから取りはずせます。
防水カバーを外すとバルブが見えるので、取り付け金具を図の1の部分を押してから図2のように起こせばバルブをヘッドライトユニットから外せます。
取り付けは逆の手順で組付けます。
内藤
軽トラマニア小泉
あと、市販のハンディリムーバーがあるのとないのとでは作業もだいぶ変わってくる。手間と思ったら整備工場に相談したほうがいいかな。
内藤
軽トラマニア小泉
例えば20年以上前に軽トラカスタムしている人が多かったかといえば、ほとんど見かけることがなかったね。
ただ、ヘッドライトは気軽に明るくできたから、ヘッドライトバルブ交換をする人はいたかな。
内藤
軽トラマニア小泉
それに伴って、実用性重視の軽トラの素晴らしさを多くの人が知ることとなったということだろう。
当然、多くの人が注目すれば、使いやすいようにカスタムするようになるよね。
内藤
軽トラマニア小泉
それじゃあ、ハイゼットのヘッドライトカスタムがどういった方法を取られてきたか解説するよ。
ハイゼットは、軽トラックの中で人気ある車種ですが、ハイゼットをカスタムして乗る人が増えたのは、ここ10年以内のことです。
かつてハイゼットは、農業や商店、そして零細企業などの無くてはならないクルマとして活躍してきました。そのため、一般の人が軽トラを所有して街乗りで使用することなどほとんどありませんでした。
しかし仕事で使う人たちも、夜間走行時のヘッドライトの暗さは、頭を悩ませるものでした。
中にはヘッドライトを明るくするカスタムをしたい人がいましたが、LEDバルブがない時代のカスタム方法として、高効率バルブへの交換がありました。しかし、1万円以上もするので、カスタムをする人は多くありませんでした。
なぜかと言うと、仕事で使用するクルマにカスタムするお金をかける考えがなかったからです。
そして、2000年を迎えると、次第に軽トラの実用性の高さがアウトドアを楽しむ人たちに注目されるようになります。
多くのカスタムパーツがカー用品メーカーやカスタムショップから発売されます。ハイゼットのカスタムを楽しむ人が増え始め、価格が高くても実用性の向上や個性を出すために、カスタム費用を惜しまない人たちが現れます。
そしてLEDバルブが登場すると、一気にハイゼットのヘッドライトカスタムに拍車がかかり、今では定番のカスタムパーツとなってきました。
しかし、ハイゼットのような軽トラックはヘッドライト後方にスペースがありません。LEDバルブが市場に出回った時には、対応したバルブは、ほとんどありませんでした。
LEDバルブをハイゼットに取り付けるには、自分で車両側を加工する必要があるため、躊躇するユーザーも多かったです。
そのようなお声をいただくようになり、私どもで軽トラ専用のLEDヘッドライトを開発し、現在多くの軽トラユーザー様が取付けをしていただいています。
ハイゼットのヘッドライトカスタムは、ライトを明るくするカスタムからLEDテープなどをヘッドライトユニットに内蔵させ、様々な光の演出ができるカスタムに変化してきました。
また、現行モデルは純正LEDヘッドライトを採用しているので、そのままではヘッドライトの明るさを変えるカスタムも出来ません。
そこで、ヘッドライトユニットをH4ハロゲンバルブユニットにコンバージョンできるキットも発売して、好みのH4対応LEDバルブが装着できるカスタムもでてきました。
ハイゼットは、過去のモデルも人気があるため、古い車種に対応したヘッドライトユニットも登場しているほか、シールドビームの車種では、シールドビーム型のLEDヘッドランプユニットも販売されています。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
専用品を使用しないと一般には難しいよ。
その辺を踏まえながらカスタムの方法をそれぞれ開設するね。
9代目(S200系)が販売されていた当時は、まだLEDではなくHIDキットでカスタムするのが主流でした。
しかし、その後LEDバルブが登場すると、LEDバルブを装着しようとする方も見られました。
しかし、LEDバルブは冷却用のヒートシンクや冷却ファンが大きく、そのままでは取り付けできるスペースがなく、HIDキットに逆戻りするパターンが見られました。
明るさもHIDのほうが最近まで明るかったので、HIDキットにカスタムは落ち着いていますが、それでもLEDの白さに魅力を感じる方も少なくありません。
しかも最近では、HIDに負けない明るさを発揮するLEDも現れ、9代目(S200系)にLEDバルブを装着したい方も増えました。
そんな中、日本ライティングでは軽トラ専用のLEDバルブが登場しました。
ヒートシンクと冷却ファンを独特の形にして狭いスペースでも取り付け可能としました。しかも冷却能力はそのままなので、明るさも耐久性も問題ありません。
10代目(500系)では、LEDヘッドライトを標準装備するグレードがあるので、ハロゲン仕様のハイゼットはLED化したいユーザーがいます。
今までは、ヘッドライトユニットを純正LEDヘッドライトに換装する方法や既存のLEDバルブを装着するために、ボディ側をカーショップで取り付けできるように形を変えてもらうしかありませんでした。
純正LEDヘッドライトがあるにも関わらず、10代目(S500系)はLEDヘッドライトへのカスタムは、かなり敷居が高いことからHID化する方も見られました。
HIDのほうが、取り付けにバラストやリレーハーネスを取り付ける必要があるので、難易度は高くなりますが、取り付けに際してボディ側に加工など必要がないことがほとんどなので、一般のカーショップでも取り付けが可能でした。
そんな10代目(S500系)も日本ライティングで販売が開始された、軽トラ専用のLEDバルブを装着すれば、誰でも簡単にヘッドライトをLEDカスタムできます。
内藤
軽トラマニア小泉
自宅に高齢者が軽トラに乗っていて、夜の明るさに不安を感じているようならLEDバルブに交換してあげるといいかも。
ただ、高齢になると白は見にくくなるという話もよく聞くから、その辺は日本ライティングのハイスペックモデルに純正ハロゲン色の4000ケルビンがあるから、それを取り付けるといいよ。
ダイハツ・ハイゼットが登場して約60年の年月が経ちますが、全ての時代で軽トラの中で高い人気を誇ってきたのもハイゼットです。その魅力は常に1歩先を行く技術導入と、使いやすい実用性重視の開発があったからでしょう。
人気があるハイゼットには、多くのカスタムパーツが取り揃えられているのも魅力の一つであり、個性を出しやすく、そして使いやすさを高められる軽トラです。その一つにヘッドライトがH4ハロゲンバルブであることから、カスタムしやすさも手伝い多くのヘッドライトカスタムが生まれてきました。