こんにちは。
日本ライティングの内藤です。
近年、自動車販売台数で多くを占めるハイブリッド車。
走行している車両を眺めてみると、ハイブリッド車が多くを占めている事が分かるはずです。
上記のグラフは国土交通省がまとめた、ハイブリッド車や電気自動車といった次世代自動車の年間販売台数の推移になります。
新車に占める割合が2009年頃から大きく上昇している事が分かります。
2009年と言えば、ハイブリッド車の代名詞でもあるトヨタ「プリウス(ZVW3#系)」が発売になった年でもあります。
そこで今回は、30系プリウスのハイブリッドバッテリー交換について解説していきます。
30系プリウスが登場してから10年以上が経過し、ハイブリッド車の走行の要でもあるハイブリッドバッテリーが劣化してくる時期でもあります。
ハイブリッド車にはガソリン車にはない注意すべきポイントも多く存在していますので、しっかりと確認していきましょう。
ちなみに今回は、弊社でも取り扱いのリビルトハイブリッドバッテリー交換を前提としています。リビルト部品がどういったものか知りたいという方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
目次
内藤
島田
内藤
ハイブリッド車は、従来のガソリン車にプラスして走行用のモーター(駆動用モーター)を搭載し、ガソリンと電気両方のエネルギーで走行を可能にした自動車の事です。
この駆動用モーターに電気を供給する為には、車載バッテリーでは電力が足りない為、走行用のバッテリーを別途搭載する必要があります。
これがハイブリッドバッテリーです。
・補機バッテリー(通常のバッテリー):約12V
⇒主にハイブリッドシステムの起動やヘッドライト、オーディオなどの電装品を作動させる為のバッテリー
・ハイブリッドバッテリー(駆動用バッテリー):30系の場合201.6V
⇒駆動用モーターに電力を供給する為のバッテリー
具体的にはこちらの記事で詳しく解説しています。
ご自身のお車でバッテリーを交換した経験がある方も多いでしょう。
一般的には2~4年がバッテリーの寿命と言われています。これは自動車を使うことで、バッテリーが放電と充電を繰り返す事が要因です。
つまりバッテリーというのは、使用すれば必ず劣化する消耗品だと言えます。もう少し分かりやすい例で考えてみましょう。
今お使いのスマートフォンを考えてみてください。新品で購入した時にはバッテリーの持ちは良かったと思います。使い方によっては、数日充電しなくても大丈夫な時もあるでしょう。
しかし年数の経過したスマートフォンではどうでしょうか。
バッテリーの持ちが悪い。場合によってはバッテリーを交換した経験がある方もいるかもしれません。
このようにバッテリーの劣化というのは必ず起きるものと言え、ハイブリッドバッテリーでも同じことが言えます。
ハイブリッドバッテリーは使用することで、徐々に劣化していきます。劣化の進行具合は使い方によって大きく変わります。
具体的な劣化の要因として以下の内容が考えられます。
バッテリーには寿命がある事をお伝えしました。
しかし、ハイブリッドバッテリーがいきなり寿命を迎える事は少なく、多くの場合は徐々に性能が低下していきます。
この性能が低下していく現象の事を、バッテリーの劣化と呼びます。具体的には、ハイブリッドバッテリーの劣化とは、バッテリー容量(蓄えられる電気量)が低下する事を指しています。
このバッテリーの劣化が進み性能を発揮できなくなると、車両が異常表示を点灯させてドライバーにお知らせします。では、ハイブリッドバッテリーの劣化というのは燃費に大きな影響を与えるのでしょうか。
結論としてはハイブリッド車の場合、燃費に大きな影響はありません。
これはハイブリッド車の場合、中心SOC(充電量)付近で制御している為です。
※SOC~state of chargeの略で充電容量の事を言います。
トヨタ車の場合は、SOC:60%付近を中心として制御しています。
よって経年劣化で電圧特性が変化したとしても燃費に影響はないのです。つまりハイブリッドバッテリーが劣化して充電できる容量が低下したからと言って、ハイブリッドバッテリーを交換する必要はないという事です。
ではどういう時にハイブリッドバッテリーの交換が必要なのでしょうか。
それは劣化がさらに進行し、車両が異常表示を点灯させた時です。この場合は、ハイブリッドバッテリーが本来の性能を発揮できず、エンジン主体の走行に切り替わる為、燃費も走行性能も低下します。
ハイブリッドバッテリーについての事前知識が入ったところで、いよいよ交換について考えてみましょう。ハイブリッドバッテリーを交換する方法として、いくつかのやり方が存在しています。
それぞれの特徴はこちらで詳しく解説しています。
この中で新品と交換した場合にどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。30系プリウスの場合でこうなります。
依頼する販売店や業者によっても違いがあり一概にはお伝え出来ませんが、約15~20万円という大きな金額となります。
トヨタの場合、保証制度により5年または10万㎞走行のどちらか早い方での保証修理が可能です。しかしハイブリッドバッテリーの多くは、10年以上の使用や10万km以上の多走行によって徐々に劣化していく部品です。
保証修理の対象になる事はほとんどなく、実費での修理が必要なケースがほとんどです。この事から価格の安いリビルトバッテリーでの交換という選択肢も増えてきています。
内藤
島田
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ハイブリッドバッテリーは約200V(ボルト)を超える高電圧を蓄えています。
※30系プリウスの場合、201.6V。
そして最近主流のトヨタのハイブリッドシステムは、ハイブリッドバッテリーの電圧を更に昇圧し、600Vを超える高電圧に変換しモーターへ供給します。
ちなみに家庭用コンセントの電圧が交流100Vです。
この事からも如何にハイブリッドシステムが危険であるかが分かります。
よって、ハイブリッドバッテリーや高電圧配線、モーターなどの高電圧回路、部品の分解組付け作業を行うには、労働安全衛生法によって定められた特別教育を受講し、安全に関する知識を修得する必要があります。
つまり、誰でも作業ができるわけではないという事です。安易な気持ちでDIYを楽しむ事は絶対に行わないでください。
そして、この高電圧作業に伴って、注意事項がいくつか存在しています。
①作業中に金属類を身に付けない
高電圧回路のショートを防ぎます。
②絶縁手袋や絶縁工具の使用
感電防止や高電圧回路のショートを防ぎます。
③サービスプラグの取り外し
サービスプラグとは、ハイブリッドバッテリーに備え付けられた電気遮断スイッチになります。
このプラグを取り外す事でバッテリー回路を遮断し、作業における安全性を高める事ができます。
④0V(ゼロボルト)確認
サービスプラグを取り外しても回路上には高電圧が残っている可能性があります。
これは、パワーコントロールユニット内部にある高圧コンデンサに電気が蓄えられている可能性があるからです。
本当に電気が残っていないのかを、テスターを使用して確認します。
⑤配線の絶縁処理
高電圧端子同士が接触してショートしないように絶縁テープで処置します。
⑥サービスプラグ取り外し中はシステムを起動させない
サービスプラグが外れた状態でシステムを起動(READY ON操作)すると、システムが故障する可能性があります。
⑦部品脱着後の確認
工具の置忘れや閉め忘れなどはハイブリッドバッテリー交換以外でも注意すべき事ですが、ショートや締め付け忘れによる発熱といった危険性から、特に注意しましょう。
この他にも注意すべき事がたくさんありますが、安全の確保と、感電防止は特に徹底して作業を行うようにしましょう。
内藤
ディーラー店員 田中さん
内藤
ディーラー店員 田中さん
交換作業を行うにあたって、まずは必要な工具を確認していきましょう。
①絶縁手袋
バイブリッドシステムの高電圧回路に触れる場合に装着します。感電防止として重要な安全器具ですのでしっかりと身に付けて作業するようにしましょう。
②絶縁工具
高電圧部位に取り付けられているボルトなどを取り外したり、取り付けたりするのに活用する安全工具です。
絶縁工具がない場合は、一般工具に絶縁テープを巻き、絶縁処置し代用する事が可能です。
③エレクトリカルテスター(700V以上の測定が可能な機器)
0V(ゼロボルト)確認をする際に必要となります。トヨタのハイブリッドシステムでは、最大で600Vを超える高電圧が発生している可能性があります。
よって、その電圧が測定可能なテスターを準備するようにしましょう。
④絶縁テープ
取り外した高電圧配線の絶縁処理を行う為に必要です。確実に絶縁できるよう、サイズの異なるテープを準備しておく事をお勧めします。
⑤トルクレンチ
トルクレンチとは、どれくらいの強さでボルトを締め付けたかが分かる機器です。高電圧配線が接続されるボルトは、確実に規定トルクで締め付ける必要があります。
締め付けが強いと、ネジ部の変形により緩みを招く恐れがあります。また、締め付けが弱いと接触抵抗が増加し発熱する危険性があります。
交換後の不具合を防ぐ為にもしっかりと準備しましょう。
⑥一般工具一式
上記の特殊工具、機器以外では、一般的な部品脱着用の工具を準備しておきます。
交換時間に関してですが、作業のスピードにもよりますが、確認しながらの作業で2時間程度を考えておきましょう。
作業になれた方で、1時間30分ほどです。
今回は、初めての方でも作業ができるように、ハイブリッドバッテリー周辺部品の取り外し方法も併せて解説していきます。
この流れで行って頂く事で、2時間程度で作業を行えます。
注意事項や必要な工具が準備できたので、さっそく交換作業に入っていきましょう。今回は作業の流れを大きく6つのセクションに分けて解説していきます。
高電圧回路の交換作業を行うにあたり必ず実施すべき事として、サービスプラグの取り外しがあります。
サービスプラグを取り外す為にはバッテリーのマイナスを切り離す必要がある為、これらを実施していきましょう。
初期状態から、スペアタイヤが見えるところまでデッキボード(内装部品)などを取り外していきます。
スペアタイヤが見えるところまでは、ボルトやネジなどでは固定されておらず、誰でも簡単に到達できるので安心してください。
不安な方は取扱説明書でも記載されています。
このようにスペアタイヤが見えました。奥に見えるのがハイブリッドバッテリーで、右側面に見えるのが補機バッテリーです。
ここから補機バッテリーのマイナス端子を取り外し、車両の電源をカットします。
補機バッテリーのマイナス端子を切り離したら、サービスプラグを取り外します。感電防止の為、必ず絶縁手袋を着用しましょう。
サービスプラグは、横にスライドさせた後、レバーを立て向きに変え引っ張る事で取り外せます。これで、ハイブリッドバッテリー内部で高電圧を遮断する事ができました。
サービスプラグが取り外せたからと言っても、すぐに高電圧回路を取り外す事はできません。高圧コンデンサに電気が蓄えられている可能性がある為です。
そこで自己放電をしている間にハイブリッドバッテリー周辺部位を取り外していきましょう。
まずはハイブリッドバッテリー上部にある、フロアボード3つです。①と②については、クリップで固定されているだけなので、引っ張って取り外します。
フロアボード③は、ボルトが1本取り付けられている為、これを取り外します。
フロアボードを全て取り外すと、このようにハイブリッドバッテリーがむき出しになりました。次にダクトとスペーサーを外していきます。
どちらもクリップで固定されているだけなので、簡単に取り外しが可能です。
ダクトとスペーサーが外れました。ハイブリッドバッテリーがしっかりと確認できるようになりました。次はリヤのシートバックを取り外します。
シートバックはボルト2本で固定されています。左右均等になるよう緩めていきましょう。
シートバックが外れました。同じように反対側のシートバックも取り外します。
次はチャイルドシート固定用のブラケットを取り外します。
手前に見える黒い部品です。ボルト2本で固定されています。左右とも取り外していきましょう。
このように取り外す事ができました。左右とも取り外しができたら、ハイブリッドバッテリー用の排気ホースを引き抜きます。
先ほどのブラケット付近にホースが取り付けられています。排気ホースは、上に引っ張る抜く事ができます。次に右側のスカッフプレートを取り外していきましょう。
スカッフプレートは爪で固定されているだけなので、上に引っ張る事で取り外せます。取り外しができたら、右側のサイドシートバックを取り外していきます。
右側サイドシートバックは、ハイブリット冷却用の吸気口が備え付けられています。
サイドシートバックを取り外す為に、ウェザストリップ(雨水侵入防止のゴム部品)をずらしておきます。完全に取り外す必要はありません。サイドシートバックが外せる程度で大丈夫です。
サイドシートバックは下部にボルトが隠れています。見落としがちなポイントですので注意しましょう。
このようにシートとサイドシートバックとのすき間に工具を入れ込む事でボルトを緩める事ができます。
無事に取り外す事ができました。この部分にボルトが隠れていますので気を付けてくださいね。サイドシートバックが外れると、ハイブリッドバッテリー冷却用の吸気ダクトが見えるので取り外しましょう。
黒い部品が吸気ダクトです。クリップ2つで固定されています。吸気ダクトを取り外す事ができたら、ハイブリッドバッテリー冷却用のファンを取り外していきます。
白い部品が冷却ファンです。ボルト3本とコネクターを取り外します。
冷却ファンまで取り外す事ができたら、ハイブリッドバッテリーに取り付けられているクリップや接続コネクターなど、細かな取り外しを行います。
ここまで作業が完了したら、ハイブリッドバッテリーと車両を繋ぎとめているのは、四方に固定されているボルトのみになっているはずです。
ここでもし取り外し忘れがあった場合には、事前に取り外しをしておきましょう。
ハイブリッドバッテリーを持ち上げ車両から取り外す前に、確実に高電圧回路に電気が残っていないかをテスターを使って確認していきます。
エンジンルームを確認すると、このようなハイブリッド専用のユニットが搭載されています。パワーコントロールユニットと呼ばれ、内部には高圧コンデンサを含む回路基板が入っています。
黒いカバーに取り付けられているボルト9本を全て外します。ここでは絶縁手袋を着用しましょう。
カバーを取り外すと、このようになっています。テスターを当てるのは左側の部分です。ハイブリッドバッテリーからの電気が入ってくるポイントで点検します。
高圧コンデンサも放電が終わり、内部には電気が残っていない事が確認できました。この0V(ゼロボルト)を確認できるまでは、高電圧部品には触れないようにしましょう。
また点検が終ったらすぐにカバーを閉め、内部に埃などの異物が混入しないよう配慮してください。
0V(ゼロボルト)確認が終り、いよいよハイブリッドバッテリーを取り外していきます。まずは、高電圧の配線をハイブリッドバッテリーから切り離します。
高電圧配線は、このカバーによって保護されています。ボルト4本と特殊なクリップで固定されています。
特殊クリップは、事前に取り外していたサービスプラグを使って取り外すようになっています。突起の位置を合わせ、反時計回しに回すと取り外す事ができます。残りのボルトを取り外し、カバーを開けましょう。
カバーを取り外すと、このようになっています。奥にある、ボルトで固定された高電圧配線を切り離していきます。直接高電圧部位に触れていく為、絶縁手袋や絶縁工具を使用しましょう。
高電圧配線が取り外せました。高電圧部位が露出したままにならないよう、すぐに絶縁テープで処置をします。
このように金属面がむき出しにならないよう絶縁テープを巻きつけます。高電圧配線も切り離す事ができたら、ついにハイブリッドバッテリーの取り外しです。
ボルトは手前に2本、反対側にも2本の計4本で固定されています。ハイブリッドバッテリーはかなりの重量になりますので、腰などの負担も考え、必ず2人以上で取り外しを行ってください。
無事に車両から取り外す事ができました。
ここからは、取り外したハイブリッドバッテリーから、リビルトバッテリーへ移植が必要な部品を紹介します。
まずは、ハイブリッドバッテリー側面のブラケットを取り外します。ボルトが4本と特殊クリップで固定されています。特殊クリップは先ほどと同様にサービスプラグを使用して取り外しましょう。
高電圧配線を切り離していきます。こちらは先ほどのボルト固定とは違い、コネクターによって接続されています。取り外したら、絶縁処置を行います。
こちらが、移植が必要な一つ目の部品「ハイブリッドバッテリージャンクションブロック」です。コネクターが2本。ボルトが3本で固定されています。
残った部品があと一つあります。
コネクターが3本(内1本は高電圧の為注意)、ボルト2本で止まっているので取り外しましょう。
こちらが、移植が必要な二つ目の部品「ハイブリッドバッテリーボルテージセンサ」です。
ハイブリッドバッテリージャンクションブロックも、ハイブリッドバッテリーボルテージセンサも、リビルトバッテリーには搭載されていない状態となっていますので、この時点で移植作業をしておきましょう。
リビルトバッテリーへの移植作業ができたら、車両を復元していきます。外した部品を逆の手順で組付けていきましょう。
取り付けの際に注意すべき箇所は、この高電圧配線をボルトで接続する箇所です。
高電圧回路の接続が不十分な場合、緩みによる接触抵抗の増加により発熱、最悪の場合火災に至る危険性があります。
トルクレンチを使って、規定トルクで締め付けましょう。
※規定トルクは車種や年式ごとで異なる可能性がある為、トヨタ販売店で確認してください。
取り付け状態をしっかりと確認したら、サービスプラグを取り付けます。
補機バッテリーのマイナス端子を取り付け、システムを起動させます。無事に起動しました。アクセルペダルを軽く踏み込みエンジンを始動させ、自然とエンジンが停止すれば作業は終了となります。
エンジンが間欠運転できているかを確認してくださいね。
※接続が不十分な場合やコネクターの接続忘れがあると、ハイブリッドシステム異常知らせる警告灯が点灯する場合があります。
以上が、リビルトバッテリーの交換要領でした。要領をよく確認し、安全に配慮した作業を心掛けましょう。
内藤
ディーラー店員 田中さん
内藤
内藤
ハイブリッドバッテリーはスマートフォンのバッテリーと同じで、使用するにしたがって劣化していきます。
その使用期間が10年程度、10万㎞程度あるので、超長期間で使用できる消耗品とも言えます。ではハイブリッドバッテリー交換が必要となった場合、どこへ作業依頼をすれば良いのでしょうか。
主に2つの依頼先があります。
①自動車販売店(ディラー)
まず思い浮かべるのは、トヨタや日産などの販売店です。販売店は、アフターサービスとして整備工場を持っています。そちらへ依頼するという方法です。
メリットは、その販売店取り扱いの車種であれば、細かい注意事項を熟知し修理品質が高い事があげられます。しかし使用部品に新品を指定したり、技術料(工賃)が高かったりする場合もあります。
整備料金を抑える為にも、リビルトバッテリーでの交換に対応してくれるかを事前に確認しておくと良いでしょう。
②修理専業者(町工場)
自動車販売店に比べると、ユーザーの要望が通りやすい事が多いです。また整備料金も抑える事ができます。
しかし町工場の中には、ハイブリッド車の修理を請け負っていない場合もあります。また作業慣れしていない場合もありますので、業者選びをしっかりと行う必要があります。
内藤
島田
内藤
島田
ハイブリッドシステムの異常表示。車を使っていて、突然警告灯が点灯したらドキッとしますよね。
しかしハイブリッド車は、ガソリンとモーターの両方のエネルギーで走行する自動車です。警告灯が点灯する事態となっても、車両が急停車するような事は無いので安心してください。
まずは安全な路肩に停車し、状況を自動車販売店に確認しましょう。
走行が可能な場合は、安全に十分配慮し自走での入庫を、そうでない場合には、レッカー搬送などが案内されます。
では、ハイブリッドバッテリーが劣化した場合はどうなるのでしょう。
トヨタ車の場合では、バッテリー劣化(寿命)による警告灯点灯状態になると、エンジン主体の走行モードに切り替わります。燃費などが悪化しますが、燃料が尽きるまでは継続的に走行が可能です。
しかし同じように自走が可能な状態であっても、その原因がハイブリッドバッテリー劣化とは限りません。
警告灯はあくまでもハイブリッドシステムの異常を表示するだけであり、具体的な内容は診断機による検査が必要です。
その為、車両が異常表示を点灯した時はできるだけ早急に販売店で相談されるようにしてください。
内藤
島田
内藤
警告灯が点灯しても調べてみない事には寿命かどうかは分からないという事ですよね。
島田
内藤
ハイブリッドバッテリーに限らず、バッテリーの容量低下の要因として温度が大きく関わっています。この温度が高くなるほど、バッテリーの容量低下は促進される事が分かっています。
その為ハイブリッドバッテリーには、温度を適切にする為の冷却ファン(ハイブリッドバッテリークーリングブロワ)が搭載されています。
しかし、このファンの冷却性能を上回るほどの温度上昇が起きると、バッテリーは劣化しやすい環境にあると言えるのです。
具体的な状況としては、加減速の繰り返しや、長いアイドリング放置、Nレンジでの放置が続くような状況ではバッテリーの温度上昇が大きくなります。
タクシー車両はハイブリッドバッテリーが劣化しやすいとよく言われますが、まさに上記の項目が頻発して起きる状況で使用される事が多い為です。
逆に温度上昇を起こしにくくするような使い方を心掛けると、バッテリーの寿命を延ばす事ができると言えます。
①走る時のポイント
急な加減速や長時間のアイドリング放置を控える。
②使う時のポイント
Nレンジで放置しないようにする。炎天下での駐車を極力避ける。吸気口をふさがないよう注意する。
③フィルターの定期的な清掃
ハイブリッドバッテリーを冷却するファンの吸気口フィルターを定期的に清掃する。
いかがでしたか。
今回は、ハイブリッドバッテリーの基礎知識とともに、30系プリウスを使っての交換方法を解説してきました。
交換作業を行う為には、労働安全衛生法によって定められた特別教育が必要です。実際の作業中にも、作業者への安全確保や車両への配慮(ショート防止)など、電気的な知識が必要です。
DIYで安易にできるものではないという事が分かって頂けたかと思います。今回の内容は専業者様など、交換作業に困っている方へのお役立ち記事として執筆しました。
ここで説明した安全作業をしっかりと守り、安全で確実な交換作業を行ってくださいね。
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